親の聴く力が子どもを伸ばす!幼児教育講師おすすめの話の上手な聴き方5選!
幼児教育講師のTERUです。
日々の子育て本当にお疲れ様です!
今日も『アクティブリスニング』についてお話しします。
過去の記事がまだの方はぜひ併せてご覧ください。
>>前回までの記事はこちら
・アクティブリスニング#1
・アクティブリスニング#2
・アクティブリスニング#3
前回までにアクティブリスニングを実践するのに必要な次の3つの要素の1〜2をお話ししましたので、今回は3つ目について具体的にご説明していきます。
- アクティブリスニングの心構え
- 『受け入れの気持ち』を子どもに伝えるコツ
- 合いの手の入れ方
【3. 合いの手の入れ方】
アクティブリスニングをする上で、意識していきたい合いの手は全部で5つあります。
①相槌
これは全く難しく考える必要はありません。
自然に「へー」「そうなんだ!」「なるほどね!」というように、自然にお子様の話の間に相槌を入れてあげてください。
1つだけ気をつけるのはトーンです。
前回の話の『受け入れの気持ち』を子どもに伝えるコツで出てきた『テンションを合わせて聴く』を思い出して、お子さんにテンションを合わせながら相槌を挟んでいきましょう。
②ミラーリング
これが正直一番テクニックがいる合いの手だと思います。
ミラーリングとは、簡単に言うと子どもの言葉を繰り返すということです。
子どもの言葉を繰り返してあげることで次のような効果があります。
- 「ちゃんと聴いてるよ」という気持ちを伝えられる
- 子ども自身が自分の話を客観的に見れる
- 自分の感情を理解することができる
- 親子の解釈の違いなども修正していくことができる
そのため、アクティブリスニングの中で最も効果の高い合いの手の入れ方です。
ミラーリングで特に意識して欲しい方法は2つです。
1)そのまま繰り返す
基本的なミラーリングの方法は、そのまま子どもの言葉をくり返せばOKです。
多少言葉が変わるのは大丈夫なので、話の区切りで、子どもの話を不自然にならない程度になるべくそのままくり返していきましょう。
例えばお子さんが「〇〇ちゃんとケンカしちゃったんだ」と切り出してきた場合
良い例ですと
「そうなんだ、〇〇ちゃんとケンカしちゃったんだね」
これに対して悪い例は
・親の聴きたいことを先に聴こうとする
「え!?そうなの?何でケンカになっちゃったの?」
・決めつけの発言をする
「また喧嘩したの?」
・尋問のような質問
「先に手を出したわけじゃないよね?」
こういった返し方はしてはいけません。
まずは子どもの言葉に親の意見と解釈を入れずにそのまま繰り返しましょう。
話し始めに真っ直ぐに話を聴いてもらうことで、子どもも素直に話す気持ちが生まれてきます。
とはいえ、子どもの話を全て繰り返すなんて不可能ですし不自然ですので「そうなんだぁ」「そっか、〇〇だったんだね」というように『相槌』と組み合わせてバランスよく使っていきましょう。
2)気持ちを代弁して繰り返す
そのまま繰り返す基本のミラーリングの中でも、子どもの話の中に感情が強く出ていることを感じたら、その感情を表現する言葉を代弁してくり返していきましょう。
例えば、「〇〇ちゃんに嫌われちゃった」という表現が出てきて、表情も落ち込んでいる様子であれば
「嫌われちゃったんだ・・・それは悲しかったね」
というように気持ちのミラーリングをしてあげましょう。
この感情のミラーリングによって、より「受け入れてくれている」と感じることができ、自分の感情もうまく整理できるようになっていきます。
ミラーリングも本来もっと深いものではありますが、私は実践するならこれだけ意識していけばOKだと思っています。
③質問する
質問の目的は大きく分けると2つあります。
1)子どもの話をさらに深堀していくための質問
- 「それで?」
- 「それから?」
- 「その後どうなったの?」
- 「なんでそう思ったの?」
- 「なんでそうしたの?」
といった感じで、話をさらに進めていくための質問です。
相槌やミラーリングだけだと子どもの話が途切れてしまったりすることもありますから、質問をして子どもがさらに考えたり、深くまで想いを話せるサポートをしてあげてください。
基本は余計な質問をせずに相槌とミラーリングを中心に使って、助けが必要な時に質問をすると言った感じがベターです。
この1つ目の質問は、子どもとのどんな話にでも使う基本的なものです。
ただのたわいもない話でも、ちょっとした相談でも、どんな会話内容でも使っていきましょう。
ただ、1つだけ気を付けたいのが質問が尋問にならないようにするということです。
例えば、お子様がテストの点数が悪かったことに対して会話しているとします。
そのときにいきなり「何でこんな悪い点数取ったの?」とか「何であれだけ勉強しなさいって言ったのにしなかったの?」と聴いたらこれは質問ではなく尋問です。
これは、アクティブリスニングのアの字にもなら無い『合いの手』ですので、気をつけてください。
2)子ども自身が問題解決方法を導き出す質問
言い換えると結論を出すための質問です。
例えば“子どもの悩み相談”や“子どもが何か問題行動をしてしまったときの会話”などの場合、子ども自身が結論を出せるまで導いてあげる必要があるときがあります。
そのときは相槌とミラーリングと普通の質問を使って話をちゃんと聴いてあげて、だいぶ話が進んでいったら
- 「〇〇くんはどうしたら良いと思う?」
- 「どんな方法があるかな?」
- 「どうしたら次は上手くいくかな?」
などと、子ども自身が結論を出すために考えさせる質問をしてあげます。
この2つの質問を意識して使っていけば、アクティブリスニングはさらに上手く進んでいきます。
④待つ
「合いの手で待つって変じゃないか?」と思うかもしれませんが、子どもはまだまだ話すのが上手ではありませんし、自分の考えなどがまとまっていなかったりする場合もあります。
そんなときにアクティブリスニングをするからといって、どんどん相槌やミラーリング、質問でガンガンアプローチをかけていくばかりではなく、子どもが考えている様子であれば『待つ』ということも大切な合いの手です。
⑤提案・後押し・感謝
1)提案
お子さんの話が何か結論まで出す必要があると感じて、尚且つお子さんが自ら結論を出せないときの助け舟です。
十分にアクティブリスニングで話を聴いたのち、最後に必要であれば「〇〇してみたらどう?」などと提案をします。
これはアクティブリスニングにおいてはなるべく取るべきではない選択肢ですが、どうしても必要なときは使ってもOKです。
2)後押し
お子さんが自ら結論を出すことができたときに「良いんじゃない?」と子どもの結論を後押ししてあげる言葉です。
これによって、子どもは自分で導き出した結論に自信を持つことができます。
3)感謝
アクティブリスニングで話を聴いた後に、「話してくれてありがとう!」などと話してくれたこと自体に感謝を伝えることです。
これにより、お子さんは「僕が話すことでお母さんが喜んでくれている」「もっと話したいな」と感じることができて、さらに色んなことを話してくれるようになります。
この3つは全て話を聴いていった後の最後に使われることですが、とても大事なものです。
いかがでしたでしょうか?
以上の5つの合いの手を使って子どもの話を聴いていくのが、アクティブリスニングの基本です。
ですがこれだけではなかなか実戦では使えないと思いますので、次回はこの5つの使い方の全体像と最後にアクティブリスニングの会話例をご紹介していきたいと思います。