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血糖値が高いと言われたら?運動のポイントを管理栄養士が解説

成松由佳管理栄養士

こんにちは。管理栄養士の成松由佳です。

10~11月の健康診断シーズンが終わり、そろそろ手元に結果が届くころ。

健診施設で働いていると、

「数値が高いと言われたけれど、どうしたらいいか分からないから、そのままにしている」
「体調面で特に悪いところはないから、まだ何もしなくていいと思った」

などのご感想がよく聞こえてきますが…

今は自覚症状がなくても、高い値を放置すると病気のリスクが高まります。
だからこそ、健康診断を受けて数値を知る意味があるのです!

前回の記事では「血糖値」に着目し、症状がなくても起こり得る病気のリスクや、改善するための食事のポイントをお伝えしました。

血糖値を下げるには、食事だけでなく運動も重要です。
そこで今回は、血糖値の改善に効果的な運動の種類や、いつ・どれくらい取り組むとよいか解説します。運動が苦手でも生活に取り入れやすい活動量アップの方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

※初めに注意点をお伝えします※
糖尿病の治療中の方は、主治医の指示に従ってください。また、健診結果で「要治療」と判定された方も、受診し主治医の指示を仰ぎましょう。
血糖値が特に高い(一般的に250mg/dL以上)場合や、合併症が進行している場合、血圧が高い場合などでは、運動の制限が必要になることがあります。

血糖値を下げるのに効果的な運動の種類は?

有酸素運動と筋トレは、どちらも血糖の改善に効果的です。
有酸素運動は筋肉への血流を増やし、血液中の糖が細胞に取り込まれるのを助けます。また筋トレは、筋肉を増やすことで糖の取り込み能力を高める働きがあります。

ただし運動による効果が続くのは、運動後24~48時間といわれています。三日坊主で終わらせず、継続して取り組みましょう。


有酸素運動はウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳や水中歩行、エアロビクスダンスなどが挙げられます。筋トレは腕立て伏せ、腹筋、スクワット、かかと上げなどの種目を組み合わせ、胸・背中・足腰の大きな筋肉をまんべんなく鍛えると効果的です。

有酸素運動と筋トレを合わせて行うと、さらに改善効果が高まることも示されています。取り組みやすいものから始め、どちらも取り組めるよう種類を徐々に増やしていけるとよいでしょう。

いつ・どのくらい運動すればいい?

糖尿病診療ガイドライン2019によると、中等度~強度(楽である~ややきついと感じる程度)の有酸素運動を週に150分以上行うことが勧められています。週3日以上行い、運動しない日が2日以上連続しないようにしましょう。

また筋トレでは、8~10種類の運動を10~15回1セットから始め、徐々に強度やセット数を増やすとよいとされています。週2~3日、連続しない日程で行いましょう。

時間帯は生活の中で取り組みやすい時間帯でかまいませんが、特に食後1~2時間の間に行うと、食後血糖値の改善が期待できます。

日常生活でも体を動かす「ながらエクササイズ」

日常生活の中で体を動かすことも、立派な運動になります。取り入れられる活動を見つけて、積極的に身体を動かしましょう。

特に大切なのは、座ったまま過ごす時間をできるだけ短くすることです。動脈硬化や心筋梗塞などの予防に役立ちます。30分に1回など、頻度を決めて動くようにするのがおすすめです。

日常生活の中でできる「ながらエクササイズ」の例
・通勤で一駅歩く
・エレベーターではなく階段を使う
・オフィスと別の階のトイレに行く
・ランチに少し離れたお店まで歩いて行く
・車を建物から遠い場所に止めて歩く
・歩いて買い物に行く
・電車で座らない、お尻や腹筋に力をこめて立つ、かかとを上げ下げする
・まめに掃除をする(雑巾がけ、窓拭きなど)
・テレビを見ながらスクワット、CM中はお腹を凹ませてキープ
・つま先立ちで歯磨きをする

【参考】

・一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019
・国立国際医療研究センター「糖尿病情報センター 糖尿病の運動のはなし
・厚生労働省「e-ヘルスネット 糖尿病を改善するための運動
・厚生労働省「2型糖尿病の人を対象にした運動プログラム
・厚生労働省「スマート・ライフ・プロジェクト 「ながらエクササイズ」はじめませんか。

管理栄養士

大学卒業後、管理栄養士資格を取得。大学院修士課程修了後、製薬メーカーでの勤務を経て、栄養指導に従事。自身も食事改善によって長年悩んでいた便秘や肌荒れを克服。現在はフリーランスとして主にWebライターとして活動。研究経験により身につけた科学的根拠のリサーチ力と、栄養相談にて生活に寄り添った提案をしてきた経験を活かし、食事に悩む時間や精神的なストレスを減らせるよう情報提供している。

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