ロボット審判導入の布石!? MLBが独立リーグと業務提携へ
MLBは現地26日、米国の有力独立リーグである『アトランティック・リーグ』と3年間の業務提携を結んだことを発表した。ツイッターのMLB広報公式アカウントでも、以下のようにツイートしている。
アトランティック・リーグは1998年に設立された米国内にある独立リーグの1つで、米国北東部を拠点に2地区制計8チームでリーグ戦を行っている。過去には殿堂入りしているリッキー・ヘンダーソン選手やティム・レインズ選手らも在籍してことがあり、レベルの高い独立リーグとして知られている。
今回の業務提携はMLB側の遠大な戦略によるものだ。『Baseball America』の報じたところでは、ロボット審判を含めた将来的にMLBが導入を目指している装置、規則を試験的に試す場としてアトランティック・リーグを活用するのだという。
MLBでは早速アトランティック・リーグ全8チームの球場に最新鋭のトラッキング装置を設置し、MLB同様にあらゆるデータを集積するととともに、それらのデータはすべてMLB全チームに提供される予定だ。
データ集積の一番の目的は、MLBが検討しているマウンドの移動やロボット審判を採用した際の試合の影響度をデータとして確認するためだ。マイナーリーグを含め公式戦でいきなり採用できない装置やルールを、まずはアトランティック・リーグで試してもらい、そこからのフィードバックを元に将来的な運用を検討していくことになる。
そうした試みは早速今シーズンから実施していくようで、その1つとしてトラッキング装置の完備後は『トラックマン』のソフトウェアを使用したロボット審判にストライク、ボールの判定を任せることになるようだ。
MLBがアトランティック・リーグを選んだ大きな理由は、前述のようにMLBでも実績のあるベテラン選手たちが同リーグに在籍するケースが多く、彼らに試してもらうことでMLBにも反映できるデータを得られると考えたからだろう。
今後のアトランティック・リーグは、MLBの未来図になっていきそうだ。当然のごとく注目していくしかないだろう。