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台風16号発生でまたもや台風と熱帯低気圧が"渋滞"する列島…週末にかけ関東など影響か:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
(左)26日、(右)27日の9時の予想天気図(気象庁HPを元に作成)。

25日12時、四国沖で台風16号が発生しました。
目先、26日は全国的に晴れるところが多い見込みですが、27日(金)以降東海や関東など太平洋側の沿岸部で雨が強まるなど影響を受けるところが出てきそうです。

さらに台風16号以外にも日本の南の海上では熱帯低気圧が続出する予想になっていて、今年何度目かわからないくらい、またもや台風や熱帯低気圧が"渋滞"する天気図に…、今後の見通しを含め気象予報士が解説します。

26日は晴れ多く真夏日エリア拡大

26日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成。
26日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成。

26日は全国的に晴れるところが多く、関東~沖縄の広い範囲で30度前後と、日中は半袖がちょうどいいエリアが拡大しそうです。
特に九州では猛暑日に迫る暑さが予想されています。

一方、北日本は太平洋側を中心にところどころで雨が降るほか、関東の内陸でも夜は雨のところがあるでしょう。

台風16号の雨雲は東側へ広がる

台風情報(気象庁HPより)。
台風情報(気象庁HPより)。

台風16号は今後、あまり発達せずに27日(金)には熱帯低気圧に変わる見込みです。
この27日の時点でまだ中心が西日本の南の海上にある予想ですが、雨雲はさらに東まで延びる可能性があり、27日~29日(日)にかけて、紀伊半島~関東の沿岸部では雨が強まるおそれがあります。

ただ、まだこの雨雲がどのくらいの範囲にかかるのか予報が変わりやすいため、こまめに新しい予報を見るのがおすすめです。

さらなる熱帯低気圧のうち、台風になりそうなのは…?

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

この記事の冒頭に掲載した天気図で、右側の27日には南の海上に3つの熱帯低気圧が描かれています。
このうち西日本に一番近い位置にあるのが台風16号から変わる予想の熱帯低気圧ですが、実はフィリピンの東にある熱帯低気圧も、今後発達して台風になる可能性があります。

ただ、まだ新しい計算結果が出るたびに予想が変わる段階なので、見通しがハッキリするのは来週に入ってからとなりそうです。
いずれにしても沖縄では雨の量が多くなるおそれがあるため、来週にかけて備えを進めましょう。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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