【藤沢の農家さんシリーズ第23弾】

藤沢市のみなさまこんにちは。今日も3時のおやつタイムを心待ちにしている、筆者ころんころです。本日のおやつは『岸田果樹園』の「旬のくだもの（ぶどう）」です。

「藤沢市立高倉中学校」付近の入り組んだ田舎道を進むと、立派な「岸田邸長屋門（きしだていながやもん）」が姿を現します。

この門は、江戸時代後期に七ッ木村の名主であった岸田三郎兵衛が建てたとされる長屋門。高倉の歴史を今に伝える貴重な建築物で、ここに40年以上続く『岸田果樹園』の直売所があります。

門をくぐると…

客を出迎えるのは、最盛期を迎えたぶどうや梨。※写真は2024年9月5日のものです。商品価格はすべて時価。

同園の岸田さんによれば、今年は全26種類のぶどうを販売する予定とのこと。一度に全品種が並ぶわけではなく、日々少しずつ違う品種が並ぶので、週ごとに異なる味わいが楽しめます。

取材日は、「シャインマスカット」「ナガノパープル」「クイーンニーナ」といった馴染みのある品種に加え、「多摩ゆたか」「ゴルビー」「天晴（あっぱれ）」「翠峰」など、スーパーでは見かけない珍しい品種も販売されていました。

そのどれもが、はちきれんばかりの色と艶。

「うちは完熟したものだけを収穫し店頭に並べます。“美味しい時”の見極めが一番難しい」と話す岸田さん。贈答用に適した立派な房のぶどうのほか、複数品種を楽しめる食べ比べパック、また食べきりパックもそろいます。

「シャインマスカット」の食べきりパックが1パック300円で並んでいた取材日（商品価格は時価）。

一般的に1房が1,000円以上する「シャインマスカット」なので、購入を躊躇することもありますが、新鮮な食べきりパックを300円で手に入れられるのは本当にありがたい限り。お弁当やおやつに最高ですよね（小さな子どもには、縦1/4にカットしてあげてくださいね）。

岸田さんは、「一昔前は贈答用の化粧箱で購入するお客さんが多かったですが、今ではほとんどの方が“自分用”に購入されます。そのため、小分けのパックが喜ばれていますね」と言います。

それにしても…見ているそばからどんどん売れていく商品。

「うちは広告を出していないけど、お客さんがSNSやクチコミで紹介してくれるおかげで、若い年齢層の方も多く訪れるようになりました。週末の朝は門の前に行列ができるほどですよ。そのため朝に一度収穫して終わりではなく、収穫しては並べる作業を1日中繰り返します」と岸田さんは笑います。直売所の裏にある作業場には、包装作業に追われるパートさんの姿がありました。

最後に、ぶどう畑にもお邪魔しました。

ネットで全体を覆われたぶどう畑に入ると、たわわに実った大粒のぶどうが収穫を待っていました。「ぶどうが色づくには、適度な日差しと寒暖差が必要なため、冬季でなくても手入れは欠かせないね」と岸田さん。温暖化への対策など、時代に合わせた育て方も大切と言います。

こうして手間を惜しまずていねいに育て上げた、『岸田果樹園』の旬のぶどう。９月中旬頃には、藤沢市で生まれ育つ「藤稔（ふじみのり）」を完熟の状態で買うことができます。また、ぶどうのシーズンが終わると、キウイや柿が収穫期を迎えます。ぜひみなさんも、同園の直売所に一度足を運んでみてくださいね。

※『岸田果樹園』のくだものは、地方発送も可能です。店頭もしくは公式 ホームページ（外部リンク）からお申し込みください。