【京都市上京区】北野天満宮 御土居のもみじ苑ライトアップ まさに神のまにまに
北野天満宮のもみじ苑
2024年11月9日(土)~12月8日(日)、北野天満宮 史跡御土居のもみじ苑では紅葉のライトアップが行われています。
11月16日に筆者が訪れた頃は、まだ色づき始めで青い葉も多かったのですが、その姿も非常に美しかったです。紅葉が、脇に流れる紙屋川の水面に映えます。
11月下旬から紅葉の見頃ですので、これからの時期におすすめです!
ちなみに御土居(おどい)とは、豊臣秀吉によって作られた京都を囲む土塁のこと。
御土居は約23kmにも及びます。それを短期間でつくってしまう秀吉、おそるべし。
北野天満宮境内の境内西側に残る御土居は、そのうちのほんの一部ですが、そのすごさを垣間見ることができます。
御土居の高低差の迫力が実感できるところも、もみじ苑の見どころです。
もみじ苑のチケットは、茶菓子付きです。
少し肌寒くなってきたところに、あたたかいほうじ茶とおいしい茶菓子。ほっこり癒されます。
神のまにまに
このたびは 幣もとりあへず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに
(菅原道真)
「今度の旅は急のことだったので、道祖神に捧げる幣(ぬさ)も用意することができませんでした。錦のように美しい紅葉を、神のお気持ちのままにお受け取りください」
という意味の和歌です。
和歌を詠んだのは、北野天満宮に祀られている、菅原道真。
「神のまにまに」という言葉、響きが良いですよね。筆者は小学生の頃、意味も分からずに気に入って「神のまにまに」と唱えていました。百人一首を覚える際、同じような経験をした方も多いのではないのでしょうか。
「まにまに」とは、「にお任せをして」という意味。つまり和歌では、「神のお気持ちのままにお受け取りください」という意味です。
祈りにも近い言葉のように思えます。
もしかしたら菅原道真も美しい紅葉を前に、「神のまにまに」と祈らざるを得なかったのかもしれません。和歌が詠まれたのは昌泰元年(898)でした。
けれど、紅葉の幣も祈りの和歌も、神は召さなかったのでしょうか。
3年後の昌泰4年(901)、いわゆる「昌泰の変(しょうたいのへん)」が起き、菅原道真は大宰権帥として大宰府へ左遷されてしまいます。
筆者は御土居のもみじ苑の紅葉を見るたびに、菅原道真を思い、切なさや無常を感じずにはいられません。
まさに「神のまにまに」と言いたくなるような、御土居のもみじ苑の紅葉。
ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
▼北野天満宮紅葉ライトアップ基本情報
期間:
2024年11月9日(土)~12月8日(日)
時間:
日没~20:00(終了)(受付終了19:30)
料金:
大人1,200円・子ども600円(茶菓子付)
場所:
北野天満宮
京都府京都市上京区馬喰町
市バス「北野天満宮前」下車すぐ