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還暦間近のニコラス・ケイジ 日本人妻との間に生まれた1歳の娘との今後の生活について語る

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(写真:Splash/アフロ)

俳優のニコラス・ケイジさん主演の映画『ドリーム・シナリオ』が今月10日より全米の一部の映画館で公開中だ。

(全米一般公開は12月1日より。日本でも公開予定だが日程は不明)

  • ケイジさん演じるパッとしない大学教授が、なぜかたくさんの人々の夢に出てくるようになり、有名人としてちやほやされるようになる。しかし夢のような日々は突然悪夢にーー。

映画の中で、性格も見た目もまったく異なる役柄を演じ切ったケイジさん。「これまで自分が演じてきた役柄の中でベストと呼べるものの一つ」と、メディアで語っている。

ケイジさんはこの新作のPRで動画系ニュースサイト、ET(エンターテインメント・トゥナイト)のインタビューに応じ、映画のことから1歳になる娘のこと、さらに今後の活動についても言及した。まず同作についてこのように述べた。

「(今の時代は)携帯電話が普及しどんな瞬間の映像も撮れ、誰もが有名人になりうる。しかしこの映画がもっとも大切にしているテーマは、夢(を見ること)だと思う」

ケイジさんは、来年1月7日に還暦を迎える。インタビュアーの女性が「もうすぐ誕生日ですね」と話題を変えると、ケイジさんは微笑みを浮かべ「60(歳)間近だ」と答えた。

ケイジさんは年齢を重ねるにつれ、何が自分にとってより重要なのかをよく考えるようになったという。「週に1冊は本を読みたいし、娘ともっと時間を過ごしたい。それが自分にとって大切なこと。だから多分映画はそれほどやらないと思う」と、今後は仕事をセーブしていく意向を表明した。

久しぶりの父親業は彼にとって驚きの毎日で新鮮なようだ。昨年誕生した長女のためにおもちゃ屋に行ったり子守唄を歌ったりして久しぶりに父親としての体験を謳歌しているという。例えばロブスター・レストランで、得体の知れないものを初めて目にしたときの娘のリアクションについて「まるで怪物や巨大な虫を見たときのようなんです」。

インタビュアーに「いいですね!ベイビーガール(女の子の赤ちゃん)との時間がプライオリティとして今後高くなるということですね」と聞かれたケイジさんは、「奥深い(体験)です。(娘との日々は)新たな経験で気に入っています」と答えた。

21年2月に自身で5回目となる結婚をしたケイジさん。相手は32歳年下の日本人、芝田璃子(リコ・シバタ)さんということで日本でも話題になった。リコさんとの間に昨年9月に誕生したのが、長女オーガスト・フランチェスカ・コッポラ・ケイジちゃんだ。

ロサンゼルスで昨年4月、映画『The Unbearable Weight of Massive Talent』の上映会に、妻のリコさんを伴って出席したケイジさん。リコさんは今年27歳。
ロサンゼルスで昨年4月、映画『The Unbearable Weight of Massive Talent』の上映会に、妻のリコさんを伴って出席したケイジさん。リコさんは今年27歳。写真:ロイター/アフロ

今年3月、ニューヨークのJFK国際空港に到着した際、長女のオーガスト・フランチェスカちゃんの姿が初めてメディアにキャッチされていた。

あれから8ヵ月。現在1歳2ヵ月に成長した娘への、ケイジさんの溺愛ぶりが窺える。前妻と元彼女との間に2人の息子(32歳、18歳)がおり、4人の孫にも恵まれているが、娘は初めてだ。以前のインタビューで、ケイジさんは息子の子ども時代にあまり一緒に過ごせなかったと言っていたので、娘とはできるだけ一緒にいたいのだろう。また、以前からもう一人子どもが欲しいと思っていたと明かしており、還暦を前に夢が叶った形だ。60代は家族との時間を大切にする、さらに良いパパになることだろう。

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、著名ミュージシャンのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をニューヨークに移す。出版社のシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材し、日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。

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