Yahoo!ニュース

老舗が誇る郷土の味「本練羊羹×干し芋」は茨城県鹿嶋市を満喫させてくれる丸三老舗さんの自信作

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

一本ではなく細切りのものが3本ほど入っています神鹿・干し芋茨城県鹿嶋市にて約200年の時を紡いできた和菓子屋「丸三老舗」さん。全国に何百と存在する鹿島神宮の総本山、常陸国一之宮鹿島神宮の二之鳥居までまっすぐに伸びる参道、せせらぎ通りに面しており、まさに武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ・鯰に乗った神様です)の加護をうけて共に歩んできたといえるお店です。

鹿島神宮の豊かな木々と鹿島アントラーズのサッカーですね!
鹿島神宮の豊かな木々と鹿島アントラーズのサッカーですね!

羊羹やどら焼きといった長年愛される和菓子から、生のフルーツを包んだ大福や独自のレシピで作るお団子、カフェなど幅広い和菓子を販売なさっているお店でもあり、SNSでの発信などにも力をいれていらっしゃるのも印象的です。

個人的には苺大福やお団子といった朝生菓子ばかりいただいていたのですが、ちょっと気になる組み合わせの和菓子と巡り合いました。

神鹿・干し芋
神鹿・干し芋

今回は、スティック羊羹の神鹿シリーズから「干し芋」をご紹介。

本練羊羹そのものは上品な甘味とあっさりとした口当たりで、いわゆる「いくらでも食べられそう」な、お土産や差し入れとしても重宝しそうな味わい。なのですが、その羊羹の甘味を軽やかに越えていく干し芋の存在感に驚き。

こちらの糸で
こちらの糸で

くるくると回し切りします
くるくると回し切りします

それもそのはず。仕様されている干し芋の品種は紅はるか。丸三老舗さんが本店を構える茨城県の特産品としても全国的に有名な品種の紅はるかは、ねっとりと濃厚で、焼き上げると芋の蜜が溢れるような至極甘い品種。水分が飛び、その紅はるかの魅力がさらに凝縮された干し芋が羊羹ひと口に対して約半分。正直に申しますと、さつまいものほくほくとした風味や素朴な甘味と、練り羊羹の強かでクリアな甘味のコントラストを思い描いていたのですが、丸きり逆の展開に驚きを隠せず。干し芋のねっとりとした口溶けの良さも相まって、こんなに違和感なくぴったりはまるとは思いませんでした。

一本ではなく細切りのものが3本ほど入っています
一本ではなく細切りのものが3本ほど入っています

まさに、茨城県鹿嶋市で200年以上その土地の風土ど共に歩んできた丸三老舗さんだからこそ、地元の特性を活かした和菓子だと実感。ただ紅はるかを使用するのではなく、平干し芋というとこが大きなポイントですので、お土産やプレゼントとしてどなたかにお渡しするときは「ただのさつまいもじゃないんだよ、平干しの紅はるかの干し芋なんだよ」と、ちょっと自慢気にお話ししてみてくださいね。そこから広がる会話も、美味しい和菓子があるからこそかと思うのです。

<丸三老舗・神宮駅前店>

公式サイト(外部リンク)

茨城県鹿嶋市宮下2-9-6

0299-83-0303

9時~18時

年中無休(変動あり)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

柳谷ナオの最近の記事