ちいかわにも登場!人魚の肉を食べて不老不死になった長寿伝説で有名な洞窟に行ってきた
こんにちは、南森エレナです。先日、北陸新幹線の金沢-敦賀間開業を2024年3月16日に控えている注目のエリア、福井県に行ってきました。琵琶湖の北の日本海岸に位置する福井県では、福井で水揚げされる「越前がに」や高浜町発祥の「若狭ふぐ」を楽しむことができます。
今回は偶然にも、X(旧Twitter)で大人気のイラストレーター・ナガノさんの漫画「ちいかわ」で話題の「人魚の肉を食べて不老不死になった伝説の物語」の地が福井にあるとの情報を旅の途中で得ることができました。
今回は、福井県嶺南振興局のご協力のもと、小浜市にある伝説の物語の場所に案内していただきました。
若狭と京を結ぶ「鯖街道」
福井県小浜市は、福井県の南西部、若狭のほぼ中央に位置しており、「蘇洞門(そとも)」を有するリアス式海岸が広がる若狭湾に面しています。
古くは奈良・京都の皇室に食材を贈り届け、近代では京都の料理人に鯖や食材を運んでいた「鯖街道」と呼ばれる街道があり、近年はハイキングやウォーキングを楽しむ方も増えてきました。
ガイドマップを手に「鯖街道」を辿れば、古代から現代へと続く往来の歴史と人々の営みを感じることができます。
長寿伝説で有名な八百比丘尼の入定地
今回訪れたのは、JR小浜駅から徒歩15分の場所にある「八百比丘尼入定洞(はっぴゃくびくににゅうじょうどう)」。人魚の肉を食べて800歳まで生きたという八百比丘尼伝説の地は、小浜男山の曹洞宗寺院「空印寺(くういんじ)」にあります。
こちらが、「八百比丘尼入定洞」の正面です。「八百比丘尼伝説」は福井県小浜市だけではなく、新潟県佐渡市、群馬県前橋市、愛知県春日井市など、北は東北から南は四国、九州まで全国に広がる物語。いずれの土地のものも、全て若狭小浜と深い関わりを持った伝説として語り継がれています。
さて、若狭で語られている「八百比丘尼物語」とは、東勢村(現小浜市)に高橋長者と呼ばれる高橋権太夫氏が、あるとき海中の蓬萊の国にへ招かれた時に、お土産に「人魚の肉」をもらってきました。
ある日、家の戸棚の中にしまっておいた人魚の肉を長者の娘が食べてしまいました。当時娘は16歳でした。その後、不思議なことに娘は数十年たっても年老いることなく16歳の頃の若々しい姿のまま。
娘は120歳の時に、髪を剃り尼となって諸国巡遊の旅に出かけました。その後も50年、100年と全国行脚して、最後に若狭小浜に帰りこの洞穴に入定してしまいました。入定とは、生きたまま身を隠し静かに死を待つこと。
この時、八百比丘尼は洞穴の入口に白椿を植えたと伝えられています。
こちらが、八百比丘尼が入定したといわれている洞穴です。現在は柵があり入れないようになっています。近くに「立ち入り禁止」の立て札も立っていました。
ちいかわの「八百比丘尼物語」
現在、Xで話題になっている漫画「ちいかわ」の「八百比丘尼物語」は、2023年3月15日の投稿で、うさぎが持ってきた1枚のチラシから始まりました。その内容は「島でのカンタンな討伐で100倍の報酬をもらえる」案内でした。
限定島ラーメンに、甘いもの、辛いもの、みんな実質無料。ちいかわは、草むしり検定の勉強道具を持って、ハチワレやうさぎと一緒に島合宿に出かけました。この後、大変な冒険が待ち受けていることを知らずに・・・。
小浜の洞穴には、厳重な柵が貼ってあり入れないようになっています。ところが・・・。
ところがXのちいかわの漫画では、一同と一緒に島合宿に行ったモモンガが、「八百比丘尼入定洞」の洞穴と思われる入口に建てられていた「立ち入り禁止」の立て札を倒してしまったシーンがありました。
直後に訪れたちいかわ3人は、立て札に気が付かず洞窟内に侵入してしまいました。
漫画だとかわいく描かれていますが、実際は不気味な雰囲気が漂っており怖かったです。あまりにも不気味で戻ろうとしたら足がすくんでしまいましたが、何とか戻ることができました。
洞窟の周りの木には時期によっては、白椿が咲いているとのこと。訪れたのは11月中旬でしたが少し時期が早かったのでしょうか。まだ咲いておりませんでした。
小浜市には他にも人魚のスポットがあります
福井県小浜市は「八百比丘尼物語」の伝説に因み、長寿で健康で文化的な明るい町づくりを目指しています。そのひとつのスポットが、小浜湾内に位置する「人魚の浜海水浴場」。
白い人工海浜が広がっており、市街地から数分という抜群のロケーション。夏場は若狭湾に沈む美しい夕日をみることができます。
「人魚の浜海水浴場」の近くには、人魚の像2体を配した市街地海岸沿いにある「マーメイドテラス」があります。人魚の像一対は「八百比丘尼物語」にちなみ昭和51年4月に配置されたのだそう。人家の密集地であるため、防火に要した堀川を改修したときに橋の両端に置いたものです。
人魚の肉を食べて不老不死になった長寿伝説の元となる地は、福井県小浜市。来年の3月には敦賀まで北陸新幹線が開業します。ぜひ小浜市まで足を運んでみてくださいね。
【スポット情報】
八百比丘尼入定洞
住所:福井県小浜市男山2(空印寺境内)
営業時間:入場禁止
アクセス:JR小浜駅から徒歩15分/舞鶴若狭自動車道小浜ICから車で約10分
福井県小浜市公式サイト(外部リンク)
取材協力:福井県嶺南振興局
【関連記事】
【福井グルメ】ふぐ刺し、ふぐちり鍋、ふぐ唐揚げなど若狭ふぐのフルコースを食べてきた
【福井グルメ】「越前がに」を贅沢に使用した海鮮丼を食べてきた。11月6日に越前がに漁が解禁!