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韓国もプロ野球の開幕延期を決定 無観客試合の検討も。新型コロナの影響で

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者
沖縄キャンプのサムスン対LGの練習試合は無観客で実施(写真:ストライク・ゾーン)

韓国野球委員会(KBO)は感染が拡大する新型コロナウイルスに関連して緊急理事会を開き、3月28日に予定していた今季のKBOリーグのシーズン開幕を4月に暫定延期することを発表した。

KBOリーグは2月27日に今月14日から行う予定だったオープン戦(現地名称:示範競技)全50試合の中止を決定。その時点で公式戦の延期についても議論されていた。

(関連記事:新型コロナ余波でオープン戦全試合中止の韓国 沖縄キャンプの延長を検討する球団も

オープン戦中止決定から現在まで

KBOリーグ全10球団はオープン戦の中止を受けて、複数の球団が海外キャンプの期間延長を決定。韓国への帰国時期を遅らせる対応をとった。

しかし日韓両政府による出入国規制によって、日韓路線の航空便の多くが運休に。沖縄でキャンプを行っていたLGツインズとサムスンライオンズは予定していた便への搭乗が不可能になり、一度延長した滞在期間を急遽短縮することになった。

LGは決定翌日の7日、サムスンは8日に大急ぎで帰国。その際、沖縄からの直行便だけでは対処できず、チームスタッフなどは宮崎、福岡などを経由して帰国の途についた。

帰国後も感染拡大を防ぐために行動が制限される中、特に感染者数が多い韓国南東部の大邱(テグ)市を本拠地するサムスンの状況は深刻だ。

サムスンのホ・サムヨン監督は「開幕時期が不透明だと緊張感を維持するのが難しい。何より大邱で試合ができるのか?という問題もある」と話し、「食堂などの営業が通常通りではない中、家族がいないひとり暮らしの選手の食事が心配」と選手を気遣った。

ともに大邱が地元のサムスンのホ・サムヨン監督(右)とLGリュ・ジュンイル監督(写真:ストライク・ゾーン)
ともに大邱が地元のサムスンのホ・サムヨン監督(右)とLGリュ・ジュンイル監督(写真:ストライク・ゾーン)

公式戦は全試合実施が原則。無観客試合も視野に

韓国は1リーグ10球団制で全144試合を行う。今回の開幕延期の発表でKBOは原則、全試合を実施するとし、状況によっては無観客試合についても検討する方針を明らかにした。

また日程編成上、通常試合を行わない月曜日の開催やダブルヘッダーの実施も念頭に置いているという。

KBOリーグは東京オリンピック(五輪)期間中、トップチームが参加したこれまでの国際大会同様に、公式戦の中断を決めている。18日間の中断となるが、五輪が予定通り行われる場合は、同期間の中断に変更はないという。

(関連記事:韓国、東京五輪期間中はシーズンを中断 来季の公式戦日程発表

KBOは今後、国内の雰囲気や患者数などを注視し、開幕日の決定は実施の2週間前に確定、発表するとしている。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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