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錦織圭、3時間21分の激戦を制し、ローランギャロス(全仏テニス)で2年連続のベスト16に進出!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
3時間21分の5セットマッチを制して全仏ベスト16に進んだ錦織(写真/神 仁司)
3時間21分の5セットマッチを制して全仏ベスト16に進んだ錦織(写真/神 仁司)

テニス4大メジャーであるグランドスラムの第2戦・ローランギャロス(全仏テニス、パリ)3回戦で、第5シードの錦織圭(ATPランキング6位、5月23日付け、以下同)が、フェルナンド・ベルダスコ(52位、スペイン)を、3時間21分におよぶフルセット、6-3、6-4、3-6、2-6、6-4で破り、2年連続で4回戦に進出した。

ベルダスコは、現在トップ50から落ちてしまっているが、2009年4月には、自己最高の9位を記録した32歳のベテラン。4月にクレー前哨戦となるATPブカレスト大会で、ツアー通算7個目のタイトルを獲得し、調子を上げてきていた。

第1セットから第2セットまででは、ベルダスコのサーブのポイント確率が5割前後で悪く、錦織がリターンから主導権を握り、錦織が2セットを連取した。

「試合中、同じレベルをキープするのは難しい」と語っていたベルダスコだったが、第3セット以降になると、ベルダスコの最大の武器である左利きのトップスピンのきいたフォアハンドストロークが、錦織のコートの深くに入り始めた。ベルダスコのトップスピンのきいたボールは高く弾み、錦織のミスが増え始めた。ベルダスコは、第3セットと第4セットを連取し、2セットオールに持ち込んだ。

「(自分の)バックに打たれた時は、(ベルダスコのボールが高く)跳ねるのでなかなか打ち返すのは難しかった」(錦織)

ファイナルセットは、第4ゲームまでお互いサービスキープが続くが、第5ゲームで、錦織が、フォアやバックでダウンザラインへウィナーを奪ったり、積極的に打ってベルダスコのミスを誘ったりして、サービスブレークに成功。このワンブレークを活かして、錦織が3時間21分の激戦を制した。

セカンドサーブでのポイント獲得率は、錦織が43%、ベルダスコが39%で、両者共に苦しんだ。ウィナーは、錦織が29本、ベルダスコが53本。ミスは、錦織が46本、ベルダスコが65本だった。

「こういう試合を勝つのは、トップになるにつれて、大事なことかなと思います」と試合後に語った錦織は、4回戦で、第9シードのリシャール・ガスケ(10位、フランス)と対戦する。地元フランス期待の選手で、錦織は、完全アウェーの中で戦うことになるだろう。二人の対戦成績は、錦織の2勝6敗。6連敗で一度も勝てなかった錦織が、今年のクレー前哨戦のマスターズ1000・マドリード大会で、錦織がガスケから初勝利し、続くマスターズ1000・ローマ大会でも錦織が勝って、ガスケへの苦手意識は少しずつなくなっている。

いよいよローランギャロスは、大会第2週に入る。トップ10プレーヤーは、グランドスラムの第2週に、対戦相手のレベルがアップすると共にギアアップしていくが、錦織のフィジカルの回復が気になるところだ。幸いグランスラムは、1日おきに試合が行われるので、錦織に体力を回復させる時間はある。

「明日(試合翌日)、どれだけ疲労が出るかによりますし、体も強くなっているので、たぶん大丈夫だと思う。しっかり直すところは直したい。今日(3回戦)もベストではなかったので、しっかり調整したい」

こう語る錦織の心技体が問われる戦いは、大会後半になってますます厳しくなっていくが、錦織は、日頃のトレーニング成果を見せたいところだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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