2024年1月に引退!青函フェリー「3号はやぶさ」に乗ろう
青函フェリー(外部リンク)は北海道函館港と青森港を結ぶフェリーを4隻・1日16便運航中です。2023年12月20日、青函フェリーは翌年1月20日に新造船「はやぶさⅢ」が就航することに伴い、運航中のフェリーのうち最も古い「3号はやぶさ」が引退すると発表(外部リンク)。津軽海峡冬景色を彩る船が変更されます。
青函フェリーは新造船「はやぶさⅢ」の新造と「3号はやぶさ」の引退自体は2023年8月に発表していました(外部リンク)が、「はやぶさⅢ」の就航日発表はまだでした。新造船への期待が膨らむ中ですが、引退する船とこれまでの活躍を知る事も必要でしょう。
筆者が引退前・最後の夏に「3号はやぶさ」に乗船した時の様子を紹介します。これからも「3号はやぶさ」乗れる方は最後の津軽海峡冬景色を体験され、興味あるけど乗れそうにない方はぜひ本記事で船内などを参照して下されば幸いです。また後半にはあまり注目されない青函フェリーと津軽海峡フェリーの違いについて解説します。
(乗船:2023年7月3日)
貨物のみから旅客への変化時に就航!「3号はやぶさ」
青函フェリーの歴史と「3号はやぶさ」
青函フェリーは元々貨物フェリーを運航する会社として設立。トラック中心に貨物自動車と貨物ドライバーを法律の範囲内(旅客定員12人)で輸送していました。しかし2000年海上運送法が改正されると旅客をこれまでより多く輸送する方針になります。そんな2000年という節目に就航したのが「3号はやぶさ」でした。
エレベーターはなく階段のみ
2000年は現在と違い、バリアフリー設備がなくてもまだ良かった時代。青函フェリーは今も車なし・徒歩客も船の車両甲板から乗り降りしますが、車両甲板から客室までの間は体の不自由な人に欠かせないエレベーターはないままでした。
青函フェリーは2013年に現在活躍中の「はやぶさ」が就航する頃から更に旅客輸送に力を入れ始めます。以後の新造船はエレベーターは当然設置され、他のバリアフリー設備も充実していきました。
個室はなくカーペット敷と座席の客室
2000年から旅客を多く運ぶようになった青函フェリーですが、主体が貨物である事に当時も今も変わりません。また航海時間は4時間弱と短いため、個室は造られませんでした。
客室はカーペット敷の大部屋が2部屋と、
リクライニングシートルーム1部屋です。
船内は売店がありませんが、自動販売機が2カ所にあります。
風呂はないけどシャワー室あり!
航海時間が短いので、長距離フェリーには当たり前の風呂はありません。代わりにシャワールームがあります。もちろん男女各1カ所ずつです。
なお青函フェリーのシャワールームにはシャンプーやボディーソープ、タオルはありません。乗船前に持ち込む必要があります。
無料Wi-Fiあり
今はフェリーでネットが出来て当然の時代。「3号はやぶさ」にはロビーに無料Wi-Fiの案内があります。
なお青函フェリーのホームページには書かれていませんが、函館ターミナル・青森ターミナルにも無料Wi-Fiはありますので、ぜひ活用しましょう。
入港遅れの連絡は利用客の携帯に来る
青函フェリーと津軽海峡フェリーの違い
青函フェリーと同じ函館―青森のフェリーを運航する津軽海峡フェリー(外部リンク)と大きく違う点は船内設備ではないのです。実は青函フェリーには接客専属の船員が乗船しておらず、船長以下運航船員(甲板部・機関部)しか乗っていません。
入出港・客室案内は基本自動放送で、船長などが放送する場合は緊急時のみ。乗客への細かなフォローは電話等で函館や青森の陸上スタッフが担当します。
筆者の乗船中、函館港外でエンジンの出力が下がって入港が遅れる事になりました。そのため、後から青森を出港する津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」に
抜かれました。
この時船内放送は1回だけで、少し後に函館ターミナルのスタッフから携帯に遅れ謝罪の連絡が来ています。
どうして2社で運賃が違うのか
青函フェリーと津軽海峡フェリーの旅客運賃はどちらが安いですか?フェリー運賃の安さで青函フェリーを選ぶ旅客が多いのですが、大きな要因は船員の数と職務にあります。
運賃が安い分、サービスに差が生じる事を確認された上で、青函フェリーの旅を楽しんで欲しいと元フェリー会社勤務の筆者は願っています。
新船「はやぶさⅢ」は「はやぶさⅡ」と同型船!
最後ですが、3号はやぶさの後に就航する「はやぶさⅢ」ですが、青函フェリーは2023年に就航した「はやぶさⅡ」と同型だと発表(外部リンク)。
「はやぶさⅢ」がちょうど2023年12月19日に青森港にトライアル入港した直後(X・外部リンク)の発表でした。船内がこれまでの船とどこが違うか注目しながら、新造船就航と3号はやぶさ引退を待ちたいものです。
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