全米で大人気のチキン店「チックフィレイ」はNFLのスタジアムに出店も日曜日は休業

アメリカで飛ぶ鳥を落とす勢いの『チックフィレイ』。
その話題は、11月27日付けでヤフーニュースのトップに掲載されるほどに大きなニュースとなっている。
チキン専門のファーストフード店『チックフィレイ』。日本での知名度は高くないが、アメリカでは大人気で、2018年度のアメリカ国内での飲食店売上ランキングでは1位のマクドナルド、2位のスターバックスに次ぐ3位に入っている。しかも、マクドナルドとスターバックスが1万店舗以上なのに対して、チックフィレイは2500店舗にも満たないのに、驚異的な売上高を記録している。
店舗数が少ないのに売上が高いのは顧客の満足度が高いから。ファーストフード・チェーン店の顧客満足度調査では、3年連続でチックフィレイが1位に輝いている。
また、2019年度版ブランド親密度ランキングでも、37.4%のマクドナルドや42.4%のスターバックスを引き離して、54.7%で飲食業部門では堂々の1位を獲得。総合でも飲食業としては唯一のトップ10入りを果たし、ナイキ(50.9%)やグーグル(50.2%)よりも高スコアをマークした。
そんなチックフィレイはファーストフードでありながら、日曜日を定休日にしている。これは敬虔なキリスト教徒である創業者が、日曜日には従業員も教会へ礼拝に行けるようにと決めたから。空港に出店している店舗を含めた全店舗で守られている。
ジョージア州アトランタ郊外で生まれたチックフィレイは、2017年に完成したメルセデス・ベンツ・スタジアム(以下:ベンツ・スタジアム)にも出店。アトランタにあるベンツ・スタジアムはNFLのアトランタ・ファルコンズのホームスタジアムとして建設された。

NFLの公式戦は16試合で、ホームゲームはその半分の8試合しかない。NFLの試合は通常、日曜日に行われ、今シーズンだとファルコンズのホームゲーム8試合中7試合が日曜日の試合だ。(唯一の例外は今週、11月28日の木曜日に開催されるニューオーリンズ・セインツ戦)
ベンツ・スタジアム内のチックフィレイは稼ぎ時であるファルコンズの試合でも日曜日定休を貫いている。
今年2月3日には世界で最も大きなスポーツイベントであるスーパーボウルがベンツ・スタジアムで開催されたが、このときも試合が日曜日だったためにチックフィレイは休業した。
大儲けできる機会に惑わされることなく、キリストへの信仰を守り通しているチックフィレイ。そんなところに、この企業が急成長を遂げている秘密があるのかもしれない。