【ディズニーとスーパー戦隊、夢のコラボレーション?】世界へと羽ばたく日本の戦隊シリーズの大活躍とは?
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
いよいよ8月も後半戦ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
暑い日が続きますので、どうぞご自愛くださいませ。
さて、今回のテーマは「動物」です。
突然ですが、皆さまはどんな動物がお好きですか?
ひとくちに「動物」と聞いてもその種は実に多種多様。
なんと地球上には約140万種の動物が存在しており、一般的には私達ヒト以外の動物、特に哺乳類あるいは獣類の称ともされています(広辞苑)。世界にはたくさんの動物達が存在し、その生態系は各国の動物園や国立公園、研究施設等で学ぶことができます。
とはいえ私達人間も、生物として食物の摂取や排泄、生殖や睡眠を行なっている以上、「人間だって動物」という考え方も十分肯定できるかと思います。
難しい話はこの辺にして・・・今も昔も、子ども達あるいは大人にとって「動物」はスーパースターです。「キリンさんが好き」という子もいれば、「ゾウさんが好き」という子ども達もいることでしょう。
「お前はどうなの?」と言われますと、私も子どもの頃からたくさんの動物達を見学できる動物園は大好きで、特にサイが好きなのですが、サイ同士が喧嘩をして角を突き合わせ、力を競い合う光景を見た感動は、20年以上経ってもよく覚えています。それ以降、力強く筋肉質な動物達が大好きになりました。
さて、そんな子どもや大人にも大人気の「動物」ですが、我が国が世界に誇るアニメや特撮ヒーロー番組において普遍的に用いられてきたモチーフでもありました。
その中でも特に、長い歴史を誇っていたのが東映制作の特撮ヒーロー番組である「スーパー戦隊シリーズ」。恐竜や乗り物、忍者や昆虫等、子ども達が普遍的に好きなモチーフを素材に、現在まで全48作品が放送されてきましたが、その中でも多く採用されてきたモチーフは、やはり「動物」でした。
当シリーズは1975年放送の『秘密戦隊ゴレンジャー』を起点とし、現在まで放送が継続されていますが、その長い歴史の中で大きなターニングポイントのひとつであったのが「新世紀の到来」でした。
時代は20世紀から21世紀へと移行し、新世紀最初のスーパー戦隊を飾ったのは、なんと「動物」の戦隊でした。
彼らは『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』。パワーアニマルと呼ばれる動物の姿をした精霊達と力を合わせ、この世に溢れる邪気が形となった「オルグ」と呼ばれる鬼達と戦った、25代目のスーパー戦隊。
そこで本記事では、動物達の力を宿した『百獣戦隊ガオレンジャー』と、オルグ達との熾烈な戦いに焦点を当てていきたいと思います。
※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けますと幸いです。
【命あるところ、正義の雄叫びあり!】百獣戦隊ガオレンジャーってどんなスーパー戦隊?
さて、本記事では『百獣戦隊ガオレンジャー』に焦点を当てていきますが、その前に少しだけ、スーパー戦隊シリーズについてご紹介をさせてください。
シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が1975年に放送が開始されて以降、『太陽戦隊サンバルカン(1981)』、『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』、『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』、『魔進戦隊キラメイジャー(2020)』、『王様戦隊キングオージャー(2023)』、そして最新作『爆上戦隊ブンブンジャー(2024)』まで全48作品がこれまで放送されてきました。
そんな長きスーパー戦隊シリーズの歴史の中で、今回スポットを当てるのはシリーズ第25作『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』。
約1年間にかけて放送された本作は、この世界に漂う邪悪な思念が実体化した、鬼の怪人達(オルグ)から地球を守るため、大自然の精霊(パワーアニマル)によって選ばれた若者達が「百獣戦隊ガオレンジャー」を結成して地球を守る物語。
当初は4人だったガオレンジャーが、精霊「ガオライオン」に選ばれた5人目の戦士・ガオレッド(獅子走、演:金子昇)を仲間に加えて5人が揃い、人々を苦しめるオルグとの激しい戦いに身を投じていくことになります。ガオレンジャー5人が揃ったことで、5人それぞれを守護する精霊達が1つとなった精霊の王「ガオキング」が誕生し、ガオレンジャーは邪気から生まれた怪人達を次々と退治していきます(まさに「邪気退散」といったところでしょうか)。
ガオレンジャーの敵であるオルグ達も、邪気に満ちた「悪役」ではあるもののどれも個性豊か。そのモチーフや出自、能力も多種多様かつ性格もバラバラで、人を苦しめるオルグがいる傍ら、人間を喜ばせたり、コミカルな性格のオルグも登場していました。
人間を釣り鐘の中に閉じ込めるオルグ(ツリガネオルグ)や、美女をフィギュアに変えてコレクションするオルグ(ウエディングドレスオルグ)、人間を死ぬまで踊らせるオルグ(魔笛オルグ)といった、人々に直接攻撃を仕掛けてくる者達がいる一方で・・・。
携帯電話をコレクションするオルグ(携帯電話オルグ)、大道芸を得意とするオルグ(ジャグリングオルグ)、料理の魅力に目覚めて串焼きで人間を喜ばせるオルグ(炭火焼オルグ)等、怪人側も極めて個性的に描かれていたのも『ガオレンジャー』の特徴でした。
そんな個性豊かなオルグ達の中から現れたのが、6人目のガオレンジャーでした。
物語の中盤、ガオレンジャーの前に、1000年の眠りから目覚めた強力な狼のオルグ「狼鬼」が現れます。その正体は平安時代に活躍していた先代のガオレンジャーの一員であり、オルグとの戦いで力を求めた結果、仮面(闇狼の面)の力で自分自身がオルグとなってしまった青年・大神月麿(演:玉山鉄二)でした。
現代のガオレンジャー達の尽力で呪いから解放された月麿は、6人目の戦士「ガオシルバー」となり、ガオレンジャーの一員となってオルグ達と戦うことになります。
ガオレンジャーとオルグ達との戦いは激しさを増し、なんとメンバー4人が一度は落命するという衝撃展開も描かれました。しかしガオレンジャーは復活し、彼らの元に次々と新たな精霊(パワーアニマル)達も集結したことで、度重なるオルグ達との戦いに次々と勝利を収めていきました。
そして物語の終盤、究極のオルグとも呼べる巨悪(センキ)との戦いに辛勝したガオレンジャーの6人は、地球に平和を取り戻します。
戦いを終えた彼らはそれぞれの道へと旅立ち、新米獣医師だったガオレッド(獅子走)は、再び獣医の道へと戻っていったのでしたー。
【ガオレンジャーの次なる戦いの地は、ディズニー?】パワーレンジャーと呼ばれたガオレンジャー達の新たなる活躍とは?
上述してきた『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』は大好評を博し、無事に1年間の放送を終えることになりました。その後、国内ではスーパー戦隊シリーズの志を継いだ新たな作品が1年毎に放送され、現在に至ることになります。
21世紀最初のスーパー戦隊シリーズとして放送された『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』は放送終了後、『パワーレンジャーワイルドフォース(Power Rangers Wild Force)』と題して米国へと輸出され、2002年に現地で放送され好評を博していました。
これには『ガオレンジャー』以前に放送されたスーパー戦隊シリーズが、『パワーレンジャー(Power Rangers)』と題して米国をはじめ国際市場に進出していたことに続き、『ガオレンジャー』も日本から世界へと羽ばたくことになりました。
さて、いわば米国版『ガオレンジャー』とも呼べる『パワーレンジャーワイルドフォース(Power Rangers Wild Force)』ですが、実は本作の放送期間中(2002年)に、パワーレンジャーシリーズの放送権利がウォルト・ディズニー・カンパニーに移行するという大きなイベントが発生しました。
その結果、ディズニーが当シリーズの権利を別会社に譲渡するまで(2011年からは別会社による制作配給)、ガオレンジャー(Wild force)をはじめとするパワーレンジャーは、ミッキーマウスをはじめディズニーキャラクター達と肩を並べ、アメリカのディズニーパークのパレードに出演したり、ディズニーストアで玩具が発売されていた時期がありました。
パワーレンジャーはフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にあるテーマパーク「ディズニーMGMスタジオ(現在のディズニー・ハリウッド・スタジオ)」内のパレードに出演していたほか、ディズニーストアでもアクションフィギュアが販売される等、私達日本人の感覚ではやや不思議な状況となりました。
かくいう私も幼少期から、日本とハワイの両国で生活しながら今に至っておりますが、ディズニー時代のパワーレンジャーシリーズの思い出もいくつかあります。
ご存知ハワイ州の大型商業施設「アラモアナショッピングセンター」内にて、当時営業していたディズニーオフィシャルショップ『ディズニーストア』(2024年現在閉店)に、よくグッズ欲しさに訪れていたのですが・・・あれは2007年のこと。
ディズニーストアでは当時の最新作(「パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ(轟轟戦隊ボウケンジャー)」)を中心に、店内で歴代のパワーレンジャーシリーズのフィギュアがたくさん陳列され、すぐ横を見ればミッキーやミニーマウスの縫いぐるみがどっさり配置されているという、店内が非常に不思議な光景だったのも当時ならではでした(ディズニーキャラクターをはじめ、ストア店内の光景は権利の関係上掲載できません。ごめんなさい)。
ディズニーがパワーレンジャーシリーズの権利を手放した後も、現在まで世界各国でパワーレンジャーシリーズは大衆的な支持を獲得し続け、昨今では外国のファンが日本のスーパー戦隊シリーズに興味を持ち、国内にあるロケ地にやって来るという光景も見られるようになりました。
大人から子どもまで親子三世代に渡って愛されるスーパー戦隊シリーズは、今や国境や人種を超えた人類共通の財産と呼んでも過言ではないと思います。
今や日本だけでなく世界が活躍の舞台となったスーパー戦隊シリーズが、新時代に向けてどのような進化を遂げていくのか、これからの展開が楽しみです。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
(百獣戦隊ガオレンジャーを視聴するなら)
・東映特撮ファンクラブ(TTFC)(外部リンク)
(参考文献)
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 2001 百獣戦隊ガオレンジャー」、株式会社講談社
・鈴木武幸、「夢(スーパーヒーロー)を追い続ける男」、株式会社講談社
・大下英治、「仮面ライダーから牙狼へ 渡邊亮徳・日本のキャラクタービジネスを築き上げた男」、株式会社竹書房
・長澤博文・今井智司(ノトーリアス)、「スーパー戦隊の常識 ド派手に行くぜ!レジェンド戦隊篇」、双葉社
・坂本浩一、「映画監督坂本浩一全仕事」、株式会社カンゼン
・丸澤滋(てれびくん編集部)、「30大スーパー戦隊超全集」、小学館
(アクセス 国内)
・岩船山採石場
住所:〒321-0201 栃木県下都賀郡 岩舟町新里1124
・岩船爆破体験ツアー 詳細URL
https://setup-japan.jp/(外部リンク)
(アクセス 米国)
・アラモアナセンター(Ala Moana Center)
住所:1450 Ala Moana Boulevard, Honolulu, HI 96814
https://www.alamoanacenter.com/ja/(外部リンク)
・ホノルル動物園(HONOLULU ZOO)
住所:151 Kapahulu Ave. Honolulu HI 96815
公式URL:https://www.honoluluzoo.org/(外部リンク)
・パールリッジセンター(Pearlridge Center)
住所:98-1005 Moanalua Rd., Aiea, Hawaii United States 96701
https://pearlridgeonline.com/(外部リンク)
・Disney's Hollywood Studios (Walt Disney World Resort)
住所:351 S. Studio Drive, Lake Buena Vista, FL 32830
https://disneyworld.disney.go.com/destinations/hollywood-studios/?msockid=223e5f6f33476de610f04b08323f6c16(外部リンク)
・Epcot (Walt Disney World Resort)
住所:200 Epcot Center Dr, Orlando, FL 32821
https://disneyworld.disney.go.com/destinations/epcot/?msockid=223e5f6f33476de610f04b08323f6c16(外部リンク)