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【ディズニーとスーパー戦隊、夢のコラボレーション?】世界へと羽ばたく日本の戦隊シリーズの大活躍とは?

二重作昌満博士(文学)/PhD(literature)

みなさま、こんにちは!

文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。

いよいよ8月も後半戦ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

暑い日が続きますので、どうぞご自愛くださいませ。

さて、今回のテーマは「動物」です。

☆米国フロリダ州「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」内「ディズニー・アニマル・キングダム」にて筆者撮影。
☆米国フロリダ州「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」内「ディズニー・アニマル・キングダム」にて筆者撮影。

突然ですが、皆さまはどんな動物がお好きですか?

ひとくちに「動物」と聞いてもその種は実に多種多様。

☆米国・イエローストーン国立公園ではグリズリーやオオカミ、バッファローなどを筆頭に80種類以上の野生動物が生息。野生動物達とは適正な距離をとりつつ、遠くからじっくり観察できる(筆者撮影)。
☆米国・イエローストーン国立公園ではグリズリーやオオカミ、バッファローなどを筆頭に80種類以上の野生動物が生息。野生動物達とは適正な距離をとりつつ、遠くからじっくり観察できる(筆者撮影)。

なんと地球上には約140万種の動物が存在しており、一般的には私達ヒト以外の動物、特に哺乳類あるいは獣類の称ともされています(広辞苑)。世界にはたくさんの動物達が存在し、その生態系は各国の動物園や国立公園、研究施設等で学ぶことができます。

☆中国山東省威海市内にて筆者撮影
☆中国山東省威海市内にて筆者撮影

とはいえ私達人間も、生物として食物の摂取や排泄、生殖や睡眠を行なっている以上、「人間だって動物」という考え方も十分肯定できるかと思います。

難しい話はこの辺にして・・・今も昔も、子ども達あるいは大人にとって「動物」はスーパースターです。「キリンさんが好き」という子もいれば、「ゾウさんが好き」という子ども達もいることでしょう。

☆米国ハワイ州オアフ島内ホノルル「Honolulu Zoo」にて筆者撮影。
☆米国ハワイ州オアフ島内ホノルル「Honolulu Zoo」にて筆者撮影。

「お前はどうなの?」と言われますと、私も子どもの頃からたくさんの動物達を見学できる動物園は大好きで、特にサイが好きなのですが、サイ同士が喧嘩をして角を突き合わせ、力を競い合う光景を見た感動は、20年以上経ってもよく覚えています。それ以降、力強く筋肉質な動物達が大好きになりました。

さて、そんな子どもや大人にも大人気の「動物」ですが、我が国が世界に誇るアニメや特撮ヒーロー番組において普遍的に用いられてきたモチーフでもありました。

東映制作のメタルヒーローシリーズ第17作『テツワン探偵ロボタック(1998)』は犬型、亀型、兎型等のロボット達が活躍し、謎解きやアイテムの争奪戦が描かれ、後にその放送枠は平成仮面ライダーシリーズへ移行
東映制作のメタルヒーローシリーズ第17作『テツワン探偵ロボタック(1998)』は犬型、亀型、兎型等のロボット達が活躍し、謎解きやアイテムの争奪戦が描かれ、後にその放送枠は平成仮面ライダーシリーズへ移行

その中でも特に、長い歴史を誇っていたのが東映制作の特撮ヒーロー番組である「スーパー戦隊シリーズ」。恐竜や乗り物、忍者や昆虫等、子ども達が普遍的に好きなモチーフを素材に、現在まで全48作品が放送されてきましたが、その中でも多く採用されてきたモチーフは、やはり「動物」でした。

『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』を起点とするスーパー戦隊シリーズにおいて、シリーズ初の動物モチーフ戦隊であったのが第5作『太陽戦隊サンバルカン(1981)』。
『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』を起点とするスーパー戦隊シリーズにおいて、シリーズ初の動物モチーフ戦隊であったのが第5作『太陽戦隊サンバルカン(1981)』。

当シリーズは1975年放送の『秘密戦隊ゴレンジャー』を起点とし、現在まで放送が継続されていますが、その長い歴史の中で大きなターニングポイントのひとつであったのが「新世紀の到来」でした。

時代は20世紀から21世紀へと移行し、新世紀最初のスーパー戦隊を飾ったのは、なんと「動物」の戦隊でした。

スーパー戦隊シリーズ第25作であり、21世紀最初のスーパー戦隊であったのが『百獣戦隊ガオレンジャー』。当初は5人体制で物語が展開され、後に6人目の戦士となるガオシルバーが加わり、6人体制となった。
スーパー戦隊シリーズ第25作であり、21世紀最初のスーパー戦隊であったのが『百獣戦隊ガオレンジャー』。当初は5人体制で物語が展開され、後に6人目の戦士となるガオシルバーが加わり、6人体制となった。

彼らは『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』。パワーアニマルと呼ばれる動物の姿をした精霊達と力を合わせ、この世に溢れる邪気が形となった「オルグ」と呼ばれる鬼達と戦った、25代目のスーパー戦隊。

スーパー戦隊シリーズ第25作『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』に登場したオルグは、鬼達で構成される悪の組織。角の数や大きさが階級の象徴であったほか、人間がいる限り現れ続ける災厄的な存在だった。
スーパー戦隊シリーズ第25作『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』に登場したオルグは、鬼達で構成される悪の組織。角の数や大きさが階級の象徴であったほか、人間がいる限り現れ続ける災厄的な存在だった。

そこで本記事では、動物達の力を宿した『百獣戦隊ガオレンジャー』と、オルグ達との熾烈な戦いに焦点を当てていきたいと思います。

※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けますと幸いです。

【命あるところ、正義の雄叫びあり!】百獣戦隊ガオレンジャーってどんなスーパー戦隊?

さて、本記事では『百獣戦隊ガオレンジャー』に焦点を当てていきますが、その前に少しだけ、スーパー戦隊シリーズについてご紹介をさせてください。

「5人揃って、ゴレンジャー!」スーパー戦隊シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』(筆者撮影)
「5人揃って、ゴレンジャー!」スーパー戦隊シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』(筆者撮影)

シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が1975年に放送が開始されて以降、『太陽戦隊サンバルカン(1981)』、『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』、『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』、『魔進戦隊キラメイジャー(2020)』、『王様戦隊キングオージャー(2023)』、そして最新作『爆上戦隊ブンブンジャー(2024)』まで全48作品がこれまで放送されてきました。

「人に隠れて悪を斬る!忍者戦隊カクレンジャー見参!」スーパー戦隊シリーズ第18作『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』。2024年に放送30周年を迎え、現在新作がTTFCにて大好評配信中(筆者撮影)。
「人に隠れて悪を斬る!忍者戦隊カクレンジャー見参!」スーパー戦隊シリーズ第18作『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』。2024年に放送30周年を迎え、現在新作がTTFCにて大好評配信中(筆者撮影)。

スーパー戦隊シリーズ第48作かつ最新作『爆上戦隊ブンブンジャー(2024)』。〈クルマ〉×〈つくる〉をテーマに、6人の若者達が変身するブンブンジャーが、大宇宙侵略大走力団「ハシリヤン」と戦う物語。
スーパー戦隊シリーズ第48作かつ最新作『爆上戦隊ブンブンジャー(2024)』。〈クルマ〉×〈つくる〉をテーマに、6人の若者達が変身するブンブンジャーが、大宇宙侵略大走力団「ハシリヤン」と戦う物語。

そんな長きスーパー戦隊シリーズの歴史の中で、今回スポットを当てるのはシリーズ第25作『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』。

『百獣戦隊ガオレンジャー』は、2001年2月18日から2002年2月10日まで、全51話が放映された。その人気は国内だけに留まらず、米国では現在も本作のDVD BOX(中央)が購入可能である。
『百獣戦隊ガオレンジャー』は、2001年2月18日から2002年2月10日まで、全51話が放映された。その人気は国内だけに留まらず、米国では現在も本作のDVD BOX(中央)が購入可能である。

約1年間にかけて放送された本作は、この世界に漂う邪悪な思念が実体化した、鬼の怪人達(オルグ)から地球を守るため、大自然の精霊(パワーアニマル)によって選ばれた若者達が「百獣戦隊ガオレンジャー」を結成して地球を守る物語。

「百獣戦隊ガオレンジャー」の5番目の戦士であり、ガオライオンに選ばれたガオレッドは5人を取り纏めるリーダーであった・・がやる気満々な熱血漢である彼も、時に空ぶる人間らしさが魅力の男であった。
「百獣戦隊ガオレンジャー」の5番目の戦士であり、ガオライオンに選ばれたガオレッドは5人を取り纏めるリーダーであった・・がやる気満々な熱血漢である彼も、時に空ぶる人間らしさが魅力の男であった。

当初は4人だったガオレンジャーが、精霊「ガオライオン」に選ばれた5人目の戦士・ガオレッド(獅子走、演:金子昇)を仲間に加えて5人が揃い、人々を苦しめるオルグとの激しい戦いに身を投じていくことになります。ガオレンジャー5人が揃ったことで、5人それぞれを守護する精霊達が1つとなった精霊の王「ガオキング」が誕生し、ガオレンジャーは邪気から生まれた怪人達を次々と退治していきます(まさに「邪気退散」といったところでしょうか)。

ガオレンジャーを守護する5体のパワーアニマル達(ライオン、イーグル、シャーク、バイソン、タイガー)が百獣合体して誕生するのが精霊の王・ガオキングである。両腕、両脚の武装も入れ替えることが可能である。
ガオレンジャーを守護する5体のパワーアニマル達(ライオン、イーグル、シャーク、バイソン、タイガー)が百獣合体して誕生するのが精霊の王・ガオキングである。両腕、両脚の武装も入れ替えることが可能である。

ガオレンジャーの敵であるオルグ達も、邪気に満ちた「悪役」ではあるもののどれも個性豊か。そのモチーフや出自、能力も多種多様かつ性格もバラバラで、人を苦しめるオルグがいる傍ら、人間を喜ばせたり、コミカルな性格のオルグも登場していました。

人間を釣り鐘の中に閉じ込めるオルグ(ツリガネオルグ)や、美女をフィギュアに変えてコレクションするオルグ(ウエディングドレスオルグ)、人間を死ぬまで踊らせるオルグ(魔笛オルグ)といった、人々に直接攻撃を仕掛けてくる者達がいる一方で・・・。

携帯電話をコレクションするオルグ(携帯電話オルグ)、大道芸を得意とするオルグ(ジャグリングオルグ)、料理の魅力に目覚めて串焼きで人間を喜ばせるオルグ(炭火焼オルグ)等、怪人側も極めて個性的に描かれていたのも『ガオレンジャー』の特徴でした。

ガオレンジャーの前に現れたデュークオルグ「狼鬼」。1000年の眠りから目覚め、かつて自分を封印したガオレンジャーに対して復讐しようとする。ガオレンジャーを圧倒する彼の中には、知られざる人格があった。
ガオレンジャーの前に現れたデュークオルグ「狼鬼」。1000年の眠りから目覚め、かつて自分を封印したガオレンジャーに対して復讐しようとする。ガオレンジャーを圧倒する彼の中には、知られざる人格があった。

そんな個性豊かなオルグ達の中から現れたのが、6人目のガオレンジャーでした。

物語の中盤、ガオレンジャーの前に、1000年の眠りから目覚めた強力な狼のオルグ「狼鬼」が現れます。その正体は平安時代に活躍していた先代のガオレンジャーの一員であり、オルグとの戦いで力を求めた結果、仮面(闇狼の面)の力で自分自身がオルグとなってしまった青年・大神月麿(演:玉山鉄二)でした。

現代のガオレンジャー達の尽力で呪いから解放された月麿は、6人目の戦士「ガオシルバー」となり、ガオレンジャーの一員となってオルグ達と戦うことになります。

狼鬼の正体は仮面の力でオルグとなった「閃烈の銀狼」、ガオシルバーだった。平安時代から現代によみがえった彼は、オルグの幹部一体(ウラ)を粉砕する強力な戦力を持ち、ビリヤードを彷彿とさせる攻撃も行なう。
狼鬼の正体は仮面の力でオルグとなった「閃烈の銀狼」、ガオシルバーだった。平安時代から現代によみがえった彼は、オルグの幹部一体(ウラ)を粉砕する強力な戦力を持ち、ビリヤードを彷彿とさせる攻撃も行なう。

ガオレンジャーとオルグ達との戦いは激しさを増し、なんとメンバー4人が一度は落命するという衝撃展開も描かれました。しかしガオレンジャーは復活し、彼らの元に次々と新たな精霊(パワーアニマル)達も集結したことで、度重なるオルグ達との戦いに次々と勝利を収めていきました。

そして物語の終盤、究極のオルグとも呼べる巨悪(センキ)との戦いに辛勝したガオレンジャーの6人は、地球に平和を取り戻します。

戦いを終えた彼らはそれぞれの道へと旅立ち、新米獣医師だったガオレッド(獅子走)は、再び獣医の道へと戻っていったのでしたー。

【ガオレンジャーの次なる戦いの地は、ディズニー?】パワーレンジャーと呼ばれたガオレンジャー達の新たなる活躍とは?

上述してきた『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』は大好評を博し、無事に1年間の放送を終えることになりました。その後、国内ではスーパー戦隊シリーズの志を継いだ新たな作品が1年毎に放送され、現在に至ることになります。

シリーズ第40作『動物戦隊ジュウオウジャー(2016)』も「動物」戦隊であり、理不尽な宇宙の悪から地球の命を守り抜いた。ジュウオウイーグル(赤)は戦いの後、とある運命からガオレッドと交流することになる
シリーズ第40作『動物戦隊ジュウオウジャー(2016)』も「動物」戦隊であり、理不尽な宇宙の悪から地球の命を守り抜いた。ジュウオウイーグル(赤)は戦いの後、とある運命からガオレッドと交流することになる

21世紀最初のスーパー戦隊シリーズとして放送された『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』は放送終了後、『パワーレンジャーワイルドフォース(Power Rangers Wild Force)』と題して米国へと輸出され、2002年に現地で放送され好評を博していました。

『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』は2002年2月より「パワーレンジャーワイルドフォース」(左)と題して全40話が放送された。現在も米国では本作のDVD(左)と日本版(右)が購入可能である。
『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』は2002年2月より「パワーレンジャーワイルドフォース」(左)と題して全40話が放送された。現在も米国では本作のDVD(左)と日本版(右)が購入可能である。

これには『ガオレンジャー』以前に放送されたスーパー戦隊シリーズが、『パワーレンジャー(Power Rangers)』と題して米国をはじめ国際市場に進出していたことに続き、『ガオレンジャー』も日本から世界へと羽ばたくことになりました。

スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに米国で放送されたパワーレンジャーシリーズ第1作『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(1993)』(写真は本作のDVD)
スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに米国で放送されたパワーレンジャーシリーズ第1作『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(1993)』(写真は本作のDVD)

さて、いわば米国版『ガオレンジャー』とも呼べる『パワーレンジャーワイルドフォース(Power Rangers Wild Force)』ですが、実は本作の放送期間中(2002年)に、パワーレンジャーシリーズの放送権利がウォルト・ディズニー・カンパニーに移行するという大きなイベントが発生しました。

ディズニーがパワーレンジャーシリーズの権利を保有していた時代は、米国では「Disney Era(ディズニーエラ)」と呼称される(写真はディズニーエラにおいて放送された当シリーズDVDの一部)。
ディズニーがパワーレンジャーシリーズの権利を保有していた時代は、米国では「Disney Era(ディズニーエラ)」と呼称される(写真はディズニーエラにおいて放送された当シリーズDVDの一部)。

その結果、ディズニーが当シリーズの権利を別会社に譲渡するまで(2011年からは別会社による制作配給)、ガオレンジャー(Wild force)をはじめとするパワーレンジャーは、ミッキーマウスをはじめディズニーキャラクター達と肩を並べ、アメリカのディズニーパークのパレードに出演したり、ディズニーストアで玩具が発売されていた時期がありました。

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内「エプコット(Epcot)」センター内日本館では、日本から輸入された様々なキャラクターのフィギュアが展示された上、購入も可能だった(2014年筆者撮影)。
ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内「エプコット(Epcot)」センター内日本館では、日本から輸入された様々なキャラクターのフィギュアが展示された上、購入も可能だった(2014年筆者撮影)。

パワーレンジャーはフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にあるテーマパーク「ディズニーMGMスタジオ(現在のディズニー・ハリウッド・スタジオ)」内のパレードに出演していたほか、ディズニーストアでもアクションフィギュアが販売される等、私達日本人の感覚ではやや不思議な状況となりました。

1995年公開の映画『パワーレンジャー(Mighty Morphin Power Rangers The Movie)』の撮影で使用された着ぐるみも、2014年に・ハリウッド・スタジオ内で展示された。
1995年公開の映画『パワーレンジャー(Mighty Morphin Power Rangers The Movie)』の撮影で使用された着ぐるみも、2014年に・ハリウッド・スタジオ内で展示された。

かくいう私も幼少期から、日本とハワイの両国で生活しながら今に至っておりますが、ディズニー時代のパワーレンジャーシリーズの思い出もいくつかあります。

「アラモアナ・センター」中央にあるセンターステージ。日付や時間帯によっては、フラダンスやウクレレのショーも観賞できる。2014年の催事「ウルトラハワイ」開催時は、ウルトラマン達もステージに登場した。
「アラモアナ・センター」中央にあるセンターステージ。日付や時間帯によっては、フラダンスやウクレレのショーも観賞できる。2014年の催事「ウルトラハワイ」開催時は、ウルトラマン達もステージに登場した。

ご存知ハワイ州の大型商業施設「アラモアナショッピングセンター」内にて、当時営業していたディズニーオフィシャルショップ『ディズニーストア』(2024年現在閉店)に、よくグッズ欲しさに訪れていたのですが・・・あれは2007年のこと。

2007年当時、ハワイ州内で販売されていたパワーレンジャー関連商品。写真右のガオレッドをはじめとする赤色メッキのフィギュア2体が、ディズニーストア内で限定販売されたもの(筆者撮影)。
2007年当時、ハワイ州内で販売されていたパワーレンジャー関連商品。写真右のガオレッドをはじめとする赤色メッキのフィギュア2体が、ディズニーストア内で限定販売されたもの(筆者撮影)。

ディズニーストアでは当時の最新作(「パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ(轟轟戦隊ボウケンジャー)」)を中心に、店内で歴代のパワーレンジャーシリーズのフィギュアがたくさん陳列され、すぐ横を見ればミッキーやミニーマウスの縫いぐるみがどっさり配置されているという、店内が非常に不思議な光景だったのも当時ならではでした(ディズニーキャラクターをはじめ、ストア店内の光景は権利の関係上掲載できません。ごめんなさい)。

米国では、どんなに小さな玩具店でもスパイダーマンやバットマンと並び、パワーレンジャーシリーズの玩具が取り扱われていることは多い。ヒーローと並び、合体ロボットの存在感も絶大である(筆者撮影)。
米国では、どんなに小さな玩具店でもスパイダーマンやバットマンと並び、パワーレンジャーシリーズの玩具が取り扱われていることは多い。ヒーローと並び、合体ロボットの存在感も絶大である(筆者撮影)。

2024年現在、米国・ハワイ州のスーパー「Walmart」ではパワーレンジャー関連商品も多数陳列され、ガオレンジャーの敵であるオルグ(写真下)も、ヒーローと共に欠かさず店頭に並べられた(筆者撮影)。
2024年現在、米国・ハワイ州のスーパー「Walmart」ではパワーレンジャー関連商品も多数陳列され、ガオレンジャーの敵であるオルグ(写真下)も、ヒーローと共に欠かさず店頭に並べられた(筆者撮影)。

ディズニーがパワーレンジャーシリーズの権利を手放した後も、現在まで世界各国でパワーレンジャーシリーズは大衆的な支持を獲得し続け、昨今では外国のファンが日本のスーパー戦隊シリーズに興味を持ち、国内にあるロケ地にやって来るという光景も見られるようになりました。

仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズ本編にて、何度も戦いの舞台(ロケ地)として撮影されている栃木県の岩船山採石場。当地では定期的に爆破体験ツアーが行なわれており、世界各国の特撮ファンも訪れる聖地である。
仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズ本編にて、何度も戦いの舞台(ロケ地)として撮影されている栃木県の岩船山採石場。当地では定期的に爆破体験ツアーが行なわれており、世界各国の特撮ファンも訪れる聖地である。

大人から子どもまで親子三世代に渡って愛されるスーパー戦隊シリーズは、今や国境や人種を超えた人類共通の財産と呼んでも過言ではないと思います。

今や日本だけでなく世界が活躍の舞台となったスーパー戦隊シリーズが、新時代に向けてどのような進化を遂げていくのか、これからの展開が楽しみです。

最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

(百獣戦隊ガオレンジャーを視聴するなら)
東映特撮ファンクラブ(TTFC)(外部リンク)

(参考文献)
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 2001 百獣戦隊ガオレンジャー」、株式会社講談社
・鈴木武幸、「夢(スーパーヒーロー)を追い続ける男」、株式会社講談社
・大下英治、「仮面ライダーから牙狼へ 渡邊亮徳・日本のキャラクタービジネスを築き上げた男」、株式会社竹書房
・長澤博文・今井智司(ノトーリアス)、「スーパー戦隊の常識 ド派手に行くぜ!レジェンド戦隊篇」、双葉社
・坂本浩一、「映画監督坂本浩一全仕事」、株式会社カンゼン
・丸澤滋(てれびくん編集部)、「30大スーパー戦隊超全集」、小学館

(アクセス 国内)
岩船山採石場
住所:〒321-0201 栃木県下都賀郡 岩舟町新里1124
岩船爆破体験ツアー 詳細URL
https://setup-japan.jp/(外部リンク)

(アクセス 米国)
アラモアナセンター(Ala Moana Center)
住所:1450 Ala Moana Boulevard, Honolulu, HI 96814
https://www.alamoanacenter.com/ja/(外部リンク)
・ホノルル動物園(HONOLULU ZOO)
住所:151 Kapahulu Ave. Honolulu HI 96815
公式URL:https://www.honoluluzoo.org/(外部リンク)

パールリッジセンター(Pearlridge Center)
住所:98-1005 Moanalua Rd., Aiea, Hawaii United States 96701
https://pearlridgeonline.com/(外部リンク)

Disney's Hollywood Studios (Walt Disney World Resort)
住所:351 S. Studio Drive, Lake Buena Vista, FL 32830
https://disneyworld.disney.go.com/destinations/hollywood-studios/?msockid=223e5f6f33476de610f04b08323f6c16(外部リンク)
Epcot (Walt Disney World Resort)
住所:200 Epcot Center Dr, Orlando, FL 32821
https://disneyworld.disney.go.com/destinations/epcot/?msockid=223e5f6f33476de610f04b08323f6c16(外部リンク)

博士(文学)/PhD(literature)

博士(文学)。日本の「特撮(特殊撮影)」作品を誘致資源とした観光「特撮ツーリズム」を提唱し、これまで包括的な研究を実施。国内の各学術学会や、海外を拠点とした国際会議へも精力的に参加。200を超える国内外の特撮・アニメ催事に参加してきた経験を生かし、国内学術会議や国際会議にて日本の特撮・アニメ作品を通じた観光研究を多数発表、数多くの賞を受賞する。国際会議の事務局メンバーのほか、講演、執筆、観光ツアーの企画等、多岐に渡り活動中。東海大学総合社会科学研究所・特任助教。

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