尖閣問題の影で…日本の外国人労働者を食い物にする、霞が関「天下り団体」と中国共産党の構造的癒着!!
法務省によると、日本国内の不法残留外国人の数が昨年、22年ぶりに増加に転じている。その理由は、失踪する外国人技能実習生が前年に比べ千人以上も増えたからだ。
外国人技能実習生の一部(というよりは相当数)が、劣悪な労働環境にあることは以前から指摘されてきた。
そして現実にも、農業実習生として来日したベトナム人男性が生活に困窮したあげく、ヤギを盗んで食べるなどの事件が続発している。
しかし、こうした現象の背景に、霞が関の「天下り団体」と中国共産党の利権組織が、何も知らない労働者をキャッチボールして食い物にする構図のあることは、ほとんど知られていない。
かくいう筆者も、ジャーナリストの安田浩一さんをインタビューして見て初めて知ったのだが、あまりに露骨なやり方に呆れるしかなかった。
外国人技能実習制度は、発展途上国などの外国人が働きながら日本の技術を学ぶ仕組みで、対象は建設や農業、漁業、食品製造、機械・金属など71職種に上る。
そして、後継者不足や若者離れに悩むこれら産業の現場が、もはや外国人実習生という名の「安価な労働力」なしには成り立たない現実がある。
それ自体は、非常に悩ましいことだ。国内で十分な労働力が確保できなければ国際競争力を維持できないし、産業の空洞化がいっそう進んでしまう恐れもある。
だからといって、事情にうとい外国の若者を騙すようにして連れてきて、一定期間が過ぎたら帰らせてしまうという、そんなやり方を続けていて日本の国益は傷つかないのか。
2カ月ほど前、作家の曽野綾子さんが南アフリカのかつての人種隔離政策「アパルトヘイト」を肯定するようなコラムを書き、問題になったことがある。
人種による生活空間の隔離で知られるアパルトヘイトだが、本質は白人に奉仕させる労働力としての黒人管理にあり、さらには管理を徹底するための「異人種間の結婚禁止」などの人格否定があった。
実は、外国人技能実習制度の中にも、これとよく似た仕組みが盛り込まれているのだ。すでに歴史の中で「絶対悪」として認識されているアパルトヘイトを外国人相手に続けていれば、日本のイメージが傷つかないはずはない。
と、そんなことを考えながら調べてみると、もうひとつの皮肉な現実にぶつかった。2014年末時点の来日中の実習生は約16万7千人で、出身国は中国が約10万人と圧倒的に多いのだ。日本政府と中国共産党は、表面では尖閣問題などでバチバチやりあっていながら、労働者の搾取においてはガッチリ手を握り合ってきたのである。
もっとも最近では、中国人は“生意気”だからということでベトナム人にターゲットを変更する流れがあるようだが……。
いずれにせよ、日本の政治家は国内での「派遣切り」や「雇い止め」が問題化したことに懲り、「外国人なら使い捨てにしても票には影響しないだろう」くらいに高をくくっているのかもしれないが、グローバル化した世の中からのしっぺ返しを、甘く見ない方が良いだろう。