まさかの桃太郎の正体…悲しき運命と日本の風習に驚愕!本当の昔話に迫る
日本に伝わる昔話の代表作「桃太郎」ですが、語り継がれている物語の細部は地方ごとに異なっており、起源や真実については未だ判明していません。
一方、桃太郎に関係しているのではないかと考えられているる有力な説やモデルも多く存在します。
そこで今回は、桃太郎伝説のモデルとなった「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」や昔の日本に存在した悲しき風習「間引き」との関係性について紹介。詳しく見ていきましょう。
□吉備津彦命(きびつひこのみこと)
桃の名産地でもある岡山県は、「桃太郎伝説」はじまりの地として有名です。
この岡山県に伝わる「温羅(うら)伝説」はご存知でしょうか。
温羅とは、別名「鬼神」の名で恐れられた身長4mもある赤い髪の鬼のこと。
悪行三昧で村を荒らして回る温羅を退治したのが、朝廷に命じられて馳せ参じた「吉備津彦命」でした。
一説では、この温羅伝説に登場した「吉備津彦命」が桃太郎のモデルだと考えられているのです。
□桃太郎の仲間
桃太郎の物語の中では、岡山名物「吉備団子」を与えて猿・犬・雉の3匹が仲間になります。この3匹の動物を仲間にした背景には、古代中国の「方角を十二支で表す」という思想が関係しているのだとか。
12ある方角の内、東北には鬼が住うと信じられていて「鬼門」とよばれていました。また、東北の十二支には牛と虎があたり、鬼が牛の角や虎柄のパンツを履いているのは、この鬼門の考え方が影響しているからだといわれています。
鬼門と正反対に位置する南西は「裏鬼門」とよばれており、鬼を封印する効力があると信じられていました。その南西を担っている干支は猿と羊です。そのうち、猿から時計回りに「酉(トリ)」と「戌(イヌ)」がいます。
ここから桃太郎の仲間には、猿・犬・雉が選ばれたと考えられているのです。
□昔の日本に存在した風習
十二支の考え方ならば、桃太郎の仲間になるのは羊と猿の方が良かったかもしれません。しかし、これには昔の日本に存在した風習が関係していたと考えられています。
その風習こそが「間引き」です。間引きとは、赤ん坊を育てられない貧しい家に産まれた子を川に流して処分すること。つまり、桃太郎は「間引き」されて拾われた子供だったのです。
さらに桃太郎の仲間になる3匹の動物には「去る(サル)」「居ぬ(イヌ)」「帰じ(キジ)」の隠語が存在しており、これは桃太郎が間引きの子供であることを示す伏線だといわれています。
□悲しい歴史と想い
今回紹介した桃太郎伝説に関する起源や謎には多くの諸説があり、事実は不明のままです。しかし、昔の日本で「間引き」された子供がいたことは事実であり、決して珍しいことでもありませんでした。
もしかすると桃太郎の物語には、間引きすることしかできなかった親の子どもを想う気持ちが込められているのかもしれませんね。