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今年も梅雨がスタート!先週までと何が変わる?今年の降水量は??気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
22日9時の予想天気図(気象庁HP)。梅雨入りによって停滞前線は「梅雨前線」に。

21日に沖縄と奄美の梅雨入りが発表され、平年より10日ほど遅いものの、とうとう今年も梅雨シーズンがスタートしました。
関東などほかの各地が梅雨入りするまではまだあと2週間ほどあると考えられますが、すでに先週までとは天気の傾向や空気感が変わってきます。
また、今年の梅雨の降水量はどうなるのでしょうか。

晴れても圧倒的に湿度が上がる

(左)21日、(中)22日、(左)23日の天気図(気象庁HPを元に作成)。梅雨前線が沖縄~奄美付近に停滞する見通し。
(左)21日、(中)22日、(左)23日の天気図(気象庁HPを元に作成)。梅雨前線が沖縄~奄美付近に停滞する見通し。

沖縄・奄美が梅雨入りしたということは、沖縄・奄美付近に梅雨前線が停滞しやすくなり、必然的に本州付近にも湿った空気が入りやすくなるということです。

今週については、晴れ間のある日も含めて湿度が高く、じめじめ・むしむしと不快な空気感に。
たとえば22日の本州付近は九州と北海道の一部を除いて晴れ間が広がる見込みですが、特に太平洋側ではカラッとしたすがすがしい晴れではありません。

そして、梅雨前線は停滞しながらも時々南北に動くため、本州付近にも前線が近づきやすくなり、「梅雨の走り」といった雨や曇りの続く時期も出てくるようになります。
特に来週27日(月)~28日(火)には広い範囲で降水量が多くなるおそれもあります。

今年の梅雨の傾向は?

季節予報の6月降水量予想(気象庁HPを元に作成)。
季節予報の6月降水量予想(気象庁HPを元に作成)。

気象庁が発表している3か月予報によると、来月6月の降水量は西日本~沖縄を中心に平年並みか上回る確率が高くなっています。
太平洋高気圧が平年より西へ張り出す傾向が予想されているためで、西日本の太平洋側で大雨になりやすい気圧配置です。

本州付近の梅雨入り時期は?

過去のデータを見ると、沖縄で梅雨入りが遅れた年でも、本州付近ではほぼ平年並みの梅雨入りになっている年が多く、必ずしもすべての地域で遅れるわけではありません。

梅雨入りの平年日は、九州南部では5月30日、九州北部~関東は6月上旬、東北は6月中旬です(北海道は梅雨がありません)。
いずれの地域も梅雨入りまであと1か月もないというタイミングですし、前述のとおり今週から一気に空気が湿ってくるので、自宅の湿気対策や熱中症対策は早めに始めましょう。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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