【神戸市中央区】自然の美しさを取り込んだジュエリーを作る工房 アトリエ エル
既成の概念にとらわれることなく心地よいと感じられるジェエリーを作り続ける工房が神戸元町にあります。自然体で作るジュエリーの心地よさとはどのようなものなのか見せてもらいました。
作り方よりも感じ方を選んで作られたジュエリー
このジュエリー店は、白を基調にした高い天井の古いビルの一室にありました。店内に足を踏み入れたときは、どこか小学校の理科室に入ったようなイメージを覚えたのが第一印象でした。
飾られている店内を引いて全体を見ているとジュエリー店だと感じるのですが、ひとつずつを近寄って見ていると鉱物とか標本といったような理科系のイメージが湧いてきます。
理科室のイメージが湧く理由のひとつは試験管やフラスコのような理化学用品がディスプレイに使われていることにもありそうです。個人的にはとても大好きな風景です。
オーナーの岡本さんにジュエリーの制作方法を伺うと、通常は指輪などは型取りをする鋳造という方法で作られるそうですが、あえて金属を叩いて形を作る鍛造の手法で作っているとのこと。これまでの規制概念だけにはとらわれない作り方でジュエリーを制作している点はとても興味深かったエピソードです。
例えば上の写真のピアスは、あえて金を溶かしたものにサファイアを差し込んで作ってみたもの。二つとして同じ形状はできなくても出来栄えが心地よいと感じてできた作品のひとつです。この発想の斬新さが岡本さんの持ち味だと感じました。
一見植物の化石のようにも見えますが、これはメノウにできた模様のひとつ。この模様を活かして薄くスライスしたものを指輪にしています。一見化石の指輪のように見えます。
ゴールドシーンサファイアという石。ラフなカッティングがカジュアルに使えそうです。
パールを円形に施した指輪。パールはどこか敷居の高いものというイメージがありますが、丸く並べると可愛く見えて普段使いもできそう。
パールが内側についている指輪。これが今回最も驚いた作品でした。内側にパールがあることで隙間ができますが、その隙間もきれいに見えるようにデザインして作られたものだそうです。
工房で作業中のオーナーの岡本英之さん。ご夫妻でジュエリーを制作していて、お互いの感性のフィルターを通して納得できたものを作品として世に出しています。
また岡本さんが制作する上で大事にされていることがあります。それは植物など自然のものが放つ美しい形状と私たちの身の回りにある品物の心地よいと感じるデザインにはどこか通じるものがあり、その共通点のようなものを取り込んだ作品にすることだそうです。作品を見ていても自然の美が反映されているのは伝わってきます。多分それが最初に店内に入ったときにどこか理科室のイメージが湧いてきた理由ではないかと感じています。
通常は工房で作業はされているそうですが、ショップを訪れるには予約が必要です。またここは元町にある大正時代に建てられたビルの4階にあります。このビルに関しては、「元町商店街に約100年前のエレベーターがある松尾ビル」の記事でも書いています。
店舗情報
- 店名 アトリエ エル
- 住所 神戸市中央区元町通6-5-8 松尾ビル4F 41号
- 最寄り駅 阪神電車 西元町駅西口出口から徒歩約1分
- 営業時間 予約制
- メール info@atelierel.com
- 定休日 日曜祝日
- インスタ @atelier_el_kobe