【泉佐野市】「健康」なもので「不健康」になる時代?家族のいのちを守るために知らないと怖い「食」の話
スーパーなどでよく目にする「国産大豆」と書かれたお豆腐。
実は、半分しか「国産大豆」が使われていなくても「国産大豆」と表記できるってご存知ですか? わたしは、この話を聞きとても衝撃をうけました。
「産地直送」、「無添加」、「オーガニック」など、巷は安心・安全をうたう不確かな文字であふれています。「自然派」、「天然」・・・とても魅力的に聞こえるけれど、何を基準にそう表記できるのかということを知らない人も多いはず。
今回は泉佐野市長滝にある「ナチュラルマルシェ」を訪問し、代表の北浦 善久さんに「家族のいのちを守るためにできること」についてお話をお伺いしました。
ナチュラルマルシェ
JR長滝駅より徒歩15分ほどのところにある「ナチュラルマルシェ」は、「家族」のいのちを守り、安心して使える「衣食水」を中心に、自然とのつながりを大切にした暮らしを提案してくれるお店。はじまりは大正元年。100年以上もの長い間、この地で時代と共に必要なものを届けてくださっています。
薬屋をしていた曾祖父から受け継いだという築120年の古民家が、歴史の深さを感じさせます。
巷にあふれる「健康」を連想させる文字
みなさんは「オーガニック」、「無添加」と聞いて何を連想しますか?
「からだにやさしい」、「環境にやさしい」、「自然栽培」、「農薬不使用」、「安心・安全」、「健康」などでしょうか。
近頃はスーパーなどでもよく見かけるようになった「オーガニック」や「無添加」の文字。なんだか「健康」になれる気がして、他を選ぶならこちらを選ぼうという気にさせられます。けれどもその基準が案外あいまいなものだったらどうでしょう。
「たとえば、『無添加』を例にあげるとすると、加工品を仕入れるとき、加工業者が添加物を使用していても、販売元が添加物を使用しなければ『無添加』と表記できます。結果少量の添加物が使用されていたとしても、その商品は『無添加』と表記され、販売されてしまうんです」と北浦さん。
またまた衝撃です。「無添加」が「無添加」ではないかもしれないという、よくわからない表記基準。では一体わたしたちは何を信じたら良いのでしょう。
続いて「ネオニコチノイド(ネオニコ)農薬」についてもお話してくださいました。
ネオニコチノイド(ネオニコ)農薬とは
1980年代に日本特殊農薬製造(現バイエルクロップサイエンス)が開発に成功し、1992年に農薬登録された殺虫剤。生物の神経に作用する神経毒で、昆虫の脳や中枢神経内にある神経伝達物質「アセチルコリン」の正常な働きを妨害し、異常興奮を引き起こして死に至らしめます。(参考文献 ネオニコチノイド農薬 日本を食料危機にする)
「今の農作物の主流となっているのが、この『ネオニコチノイド(ネオニコ)農薬』です。日本の6~7割の農作物に使用されています。それまで使用されていた農薬は農作物の表面に散布していましたが、『ネオニコチノイド(ネオニコ)農薬』は浸透性農薬なので、散布回数は減らせます。回数が減ったことで『減農薬』をうたえるというなんとも理不尽な話です」。
虫たちの脳を麻痺させる農薬…と聞いただけでも恐ろしくなってしまいます。
農作物に浸透しているのに「減農薬」だなんて、わたしたちは何を基準に食品選びをしたら良いのでしょうか。
日本人が開発し、今の農作物の主流となっているということにも驚きです。
今のわたしたちにできること
北浦さんに、今のわたしたちにできることを尋ねてみました。
「まずは食の土台を整えることが大切です。オーガニックにこだわりだすと、あれ食べない、これ食べないに陥りがちですが、暮らしの食がきちんと整うと意外と自由になれるんです。知ることで窮屈になるのではなく、知ったうえで取捨選択をすることが大切」と北浦さんは話されます。
「食の土台とは何でしょうか?」
「暮らしの食のベースとなるものです。水、米、野菜、味噌、調味料など。安全な魚を食べることも大切です。要するに毎日食べるものを安全なものに変えるだけでいいんです。食の安全性は目で見てもわかりませんよね。『ナチュラルマルシェ』で取り扱う商品は、まずは現地へ赴き一人一人の生産者と逢うことを大切にしています。できあがった商品は精密検査にかけ、“安全”と証明されたものを提供しています。放射性物質検査を例にあげると、一般的には一検体に対して10分から15分ほどの測定時間のところを24時間かけて調べ、基準値をクリアしたものをご提供できるように心掛けています」。
不確かな基準の「健康」をうたう商品で「不健康」になる時代。
「ナチュラルマルシェ」のようなオーガニック専門店がわたしたちの生活圏内にあることは、とても心強いことです。
実際にどのような商品があるのか、店内を見せていただきました。
和菓子職人と老舗油問屋のコラボレーションにより2012年に誕生した「大地のおやつ」。素材はからだにやさしいもの、素材本来の良さが味わえるものを厳選。余計な材料を使わず、子どもから年配の方まで気軽に毎日食べられる人気のおやつ。
からだにやさしいのはもちろん、パッケージの可愛さにも惹かれてしまいます。
ちょっとしたお礼にもよろこばれそうです。
なんて可愛いんでしょう! 柿ピーではなく、「あゆピー」です。
国産もち米100%の生地をていねいに焼き上げて丸大豆たまり醤油と粗糖で味付けした鮎の形のあられと、有機ピーナッツ。
見てたのしい、食べておいしい、からだにうれしい、そんなおやつです。
国内産の菜種を化学溶剤を使わず搾油した「なたね油」。オレイン酸やa-リノレン酸など、体の中で構成することのできない必須脂肪酸が多く含まれています。
添加物、遺伝子組換大豆を一切使用していない九州産にこだわった「濃口丸大豆しょうゆ」。農薬と化学肥料を使わずに栽培された九州産丸大豆と九州産小麦、ミネラル豊富な天日塩を使用。
しょうゆと一口に言っても用途別にいろいろな種類がありますが、「ナチュラルマルシェ」はこれ一択なのだそう。
「いろんな種類があると選ぶのに面倒でしょ?」と北浦さん。
ちなみに「ナチュラルマルシェ」の店内商品は、実際に北浦さんがご家庭で使われているものばかりだとか。1年以上ご家庭で使い、本当に良いと思うものだけをセレクトしているそうです。
漢方では「ヨクイニン」と言われ、昔から重宝されてきたはとむぎ。
胃腸を労り、体内の余分な水分を排出し「巡り」をよくしてくれると言われています。
そのはとむぎを発芽させて、弱熱長時間焙煎をすることで、通常のはとむぎ茶より栄養素を数倍に高めて、裸麦、くこ葉、くま笹をブレンドした健康茶。
利根川沿いの自然豊かな地域でとれたミネラル豊富な百花蜜のはちみつ。(非加熱)
低分子でからだに負荷なく吸収されるおだし。
無添加の粉末タイプのおだしって珍しいような…。探していたので迷わず購入してしまいました。消化力の弱い赤ちゃんやお年寄りにも。
離乳食や介護食にも便利ですよ。
アーユルヴェーダと漢方を統合した「カンボジア伝統医療」の思想を活かした自然栽培のハーブティー。代表の西口三千恵さんは、ハーブを通して、現地の女性雇用と学校教育の本質的な改善に尽力されているそう。
気軽にできる民間療法として、お悩みのある方は一度試してみてはいかがでしょうか?
お試しからはじめてみても◎。
クラタペッパーの胡椒は、カンボジアの農園で、伝統的な自然農法にこだわり栽培しています。特徴はフルーティーな香りと旨味、ふくよかで大粒なこと。収穫から選別まで手作業で丁寧に行っています。胡椒の収穫時期は3月頃。クラタペッパーは、その年度に採れた胡椒のみを販売します。
「デメテルハーブティー」と「ザ・クラタペッパー」の代表のお二人は、厳しい労働を強いられる国を支援し起業されたそうです。
発展途上国の貧困に苦しむ生産者や労働者の生活改善と自立を支援する目的で開発されたフェアトレード商品です。他にも「生産者の顔が見えるチョコレート」などもフェアトレード商品とのこと。
生産者の想いや開発、販売に至るまでのストーリーがこのチョコレート1枚に込められています。「食べる」という行為は、目の前にある物質をただ口に放り込むのではなく、生産、販売に携わるすべての人の想いをまるごといただいてこそ、からだとこころの栄養になることを痛感いたします。「想いよ、まるごと届け!」そんな力強さを感じる商品です。
赤ちゃんの免疫力を高めるためにある母乳成分のひとつ「ラウリン酸」を豊富に含むココナッツオイル。
殺菌・抗菌作用があるため、感染症予防や疲れにくいからだづくりを手助けしてくれる優れもの。その中でも「ナチュラルマルシェ」で取り扱う「有機ココナッツオイル」は、たくさんの栄養素が残るように手間ひまかけて自然な製法で作られています。
ココナッツオイルの魅力はほかにもたくさん!「ナチュラルマルシェ」では、
2022年11月21日(月) 14時~16時にココナッツオイルの魅力を伝える「ココ☆スぺ!」が開催されます。
~ココナッツオイルって、普段のお料理にどうやって取り入れたらいいの?~
~他にはどんな栄養があるの?~
など、ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか?
薬屋をしていた曾祖父から引き継いだ商いは、自分にとって納得がいくものばかりではなかったと北浦さんはいいます。
「以前の私は、からだとこころが一致していませんでした。こころでは頑張ろうと思ってもからだが受け入れない状態で。オーガニックの商品を取り扱うようになってから暮らしの延長線上に仕事があるようで充実した日々を送っています。現在はからだとこころは完全に一致していますね。精神的な意味合いも含めて『健康』と言えるのではないでしょうか」。
穏やかな語り口調、すべてを受け入れてくれそうなやわらかな物腰が北浦さんの「健康」を物語っています。
今の時代の人々は効果を求め、勘違いをしていることも多いとも話されます。
「人工物ほど効果が出やすいんです。『健康』とは、じっくり積み重ねていくもの。じわじわと土台として積み重ねたものが『健康』へとつながっていく。安全な食品ってそう簡単には手に入らないんです。地球のため、環境のためと思うと自分事としてピンとこないけど、家族のためと思うと自分事として捉えられる。でも、その結果“環境”のため、“地域”のため、“日本”のため、“世界”のためにつながっていくんじゃないかな?」
壮大なスケールのお話のようで、“目の前にあるモノ・コト・ヒトを大切にしようよ”という結論に、なんだか自分にも出来そうな気がしてすこしホッとしました。
こだわりをお持ちの北浦さんですから、日頃食べるものはさぞかし気をつかっていらっしゃるのかと思いお尋ねすると、「外食もしますし、好きなものを普通に食べますよ 笑。土台がしっかりしているから安心です」とのこと。
今回ご紹介した商品は「ナチュラルマルシェ」で取り扱う商品の中のほんの一部。他にもからだにやさしい商品がいっぱいありますので、ぜひ店頭でお確かめくださいね。
「ナチュラルマルシェ」では、あらゆる理由で店頭にお越しいただけない方のためにオンラインショップや定期宅配(泉州地域)もおこなっています。
詳しくは公式インスタグラム(外部リンク)をご確認ください。
インターネットなどでお買いものをすると、いつの間にか買いもの履歴に紐づけられ次から次へとおススメの商品を閲覧させられることがあります。もちろんそれは自分にとって興味のある商品ばかりです。街でお買いものをしていても似たようなことは起きていて、「人気商品!」、「期間限定!」、「からだにやさしい!」など、目に飛び込んでくるポップの数々にいつの間にかス~っと手が伸びて商品をかごに入れていた、なんてことも。
今の時代、わたしたちは、自分で買いものをしているようで、誰かに選ばされているのかもしれません。
からだに入るものが果たしてそれでいいのでしょうか。自分で取捨選択をするために「知ること」の大切さを学びました。
「家族のいのちを守るためにできること」。
まずは、食の土台から整えてみませんか?
【基本情報】
店名:「ナチュラルマルシェ」
公式インスタグラム(外部リンク)
住所:泉佐野市長滝1528
Tel:072-465-0828
営業日:木曜~日曜
営業時間:11:00-17:00
駐車場:あり *道路はさんだ店前に2台駐車可
取材・撮影協力 「ナチュラルマルシェ」代表 北浦 善久様
*記事内容は取材当時のものです。最新の情報はインスタグラムでご確認ください。
*記事中の金額はすべて税込表示です。