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イチローと外野を守った選手たち。ゴールドグラブを同時受賞した最高のデュオは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・キャメロン May 8, 2001(写真:ロイター/アフロ)

 イチローはメジャーリーグで、外野手として2248試合に先発出場した。その際の外野トリオの組み合わせは、188通りを数える。最多は、ラウル・イバニエスがレフト、ジェレミー・リードがセンター、イチローがライトを守った141試合だ。内訳は、2004~06年がそれぞれ3試合、40試合、54試合で、2008年は44試合。2007年はリードの先発出場が1試合しかなく――9月に昇格するまでAAAにいた――この外野トリオで試合に臨むことはなかった。また、この年、イチローはシーズンを通してセンターを守ったので、仮に3人が外野で同時に先発出場しても、最多の組み合わせとはポジションが異なっていただろう。

筆者作成
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 イバニエスは、「イチローのチームメイトたち。イチローとともにスタメン出場した試合が最も多いのは…」でも紹介したように、シアトル・マリナーズとニューヨーク・ヤンキースの2チームで、イチローとともにプレーした。イチローとは609試合で外野トリオを形成し、これは、2番目に多いマイク・キャメロンを208試合も上回る。イチローとイバニエスが外野に揃い踏みした組み合わせは、トップ20に入っている6通りの他にも、21通りが存在する。

 もっとも、2人のポジションが隣り合わせだったのは、イバニエスがレフト、イチローがセンターを守った229試合にとどまる。その他は、レフト&ライトが376試合、ライト&レフトが4試合。互いのポジションは、センターを挟んで離れていた。キャリアを通して、イバニエスがセンターとして先発出場した試合はなく、途中出場も2試合に過ぎない。

 先発出場してイチローの隣を守った試合は、キャメロン(401試合)、フランクリン・グティエレス(362試合)、リード(258試合)の3人が、イバニエスを凌ぐ。キャメロンとグティエレスの場合、これらのどの試合でもセンターに位置し、イチローはライトを守った。リードもほぼ同じだが、14試合はイチローがセンターに入り、リードはライト(12試合)もしくはレフト(2試合)の守備についた。キャメロンは2001年と2003年、グティエレスは2010年に、イチローとともにゴールドグラブを手にしている(キャメロンは2006年にサンディエゴ・パドレスでも受賞)。

 なお、キャメロンの息子ダズも、ポジションはセンターだ。2015年のドラフトでヒューストン・アストロズから全体37位指名を受け、2年後の夏にジャスティン・バーランダーの交換要員の一人としてデトロイト・タイガースへ移った。昨シーズン終盤にAAAへ昇格しており、今シーズン中にメジャーデビューを果たしそうだ。リードは今シーズンから、ロサンゼルス・エンジェルスで打撃コーチを務めている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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