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3人までの世帯はもうすぐ8割…構成人数別世帯数の推移をさぐる

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 少子化による少人数世帯化も進む中、子供二人の世帯も少数派になりつつある(写真:アフロ)

少子化、独り身世帯の増加など、世帯構成人数の減少が指摘され、かつてのような大人数家族は少数派となりつつある。その実情を厚労省の国民生活基礎調査(※)の結果をもとに確認する。

まずは純粋に世帯構成人数別の世帯数推移を見ていく。世帯構成人数そのものが減少しているため、1966年から1970年は8人以上の世帯を一括して8人世帯に、1971年以降は6人以上の世帯を一括して6人世帯としている。それぞれの年で該当世帯が多少跳ねているのが確認できるはず。やや細かい部分をチェックするため対象領域を2001年以降、つまり今世紀に入ってからに限定したグラフも合わせて作成する。

↑ 世帯人数別世帯数推移(1953年~2016年、万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数推移(1953年~2016年、万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数推移(2001年~2016年、万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数推移(2001年~2016年、万世帯)

1人世帯・2人世帯数の急カーブを描いての上昇、3人世帯の緩やかな上昇がひと目でわかる。そして4人世帯は1970年後半までは増加していたものの、それ以降は緩やかな減少。5人世帯となると1960年後半以降はほぼ横ばいで。1990年以降は漸減状態となっている。また、2011年以降は1人世帯・2人世帯の伸び方が加速化しているように見受けられる。

人口が増加傾向を示すためには、1世帯あたりの子供の人数が2人+α(理論上は2人いれば横ばいだが、不慮の事故などによる減少分を考慮すると「+α」が求められる。この考えを「人口置換水準」と呼び、通常は2.07人から2.08人と言われている)以上は必要となる。単純に今データが核家族だけだったとしても5人世帯(夫婦+子供3人)以上が減少している以上、人口の減少が避けられないことは明らか。さらに実際には3世代世帯なども含まれるので(もちろん1人身の親+未婚の子供世帯もあるが)、事態はさらに厳しいものとみて良い。

いわば今データは日本の「少子化」「核家族化」の双方を明確に表すグラフともいえるが、それがさらにはっきりと分かるのが次の図。世帯人数別に、世帯数を比率で区分したもの。少人数世帯を赤系統の色で着色したが、グラフが下に行く(年代が今現在に近づく)につれて、伸びていくようすが分かる。こちらも21世紀以降のみのグラフを追加した。

↑ 世帯人数別世帯数比率推移(1953年~2016年)
↑ 世帯人数別世帯数比率推移(1953年~2016年)
↑ 世帯人数別世帯数比率推移(2001年~2016年)
↑ 世帯人数別世帯数比率推移(2001年~2016年)

1人~3人までの世帯は1953年時点では3割にも満たなかった。それが1970年には50%を超え、直近の2016年データでは78.6%にまで伸びている(2015年は77.8%)。世帯数そのものが増加しても、1世帯あたりの人数が減少しているのであれば、総人口が増えるはずもない。

日本の世帯構成の変化の特徴は「少子化」「核家族化」「少人数構成世帯の増加」にある。社会感・価値観の変化も一因であり、同時に金銭面を中心とした社会全体のバックアップ体制の不足・不信感・不安感の問題でもある。

世帯構成別に見た上でも、人口問題は短期的なものではないのが分かる。よって明確な戦略を打ち立てた上で、中長期的な視点でアクションをしなければならない。他国の問題ではなく、自国の問題であることを明確にした上で、不確定要素の少ない自国内での解決法を模索すべきといえる。ましてや無為無策、その場限り、行き当たりばったりな手立てでは、十年、百年単位で後世から罵られることは容易に想像が出来よう。「その時、自分達は居ないから」との態度が見える姿勢を示しては、将来どころか現時点でそっぽを向かれてしまうに違いない。

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※国民生活基礎調査

全国の世帯及び世帯主を対象とし、各調査票の内容に適した対象を層化無作為抽出方式で選び、2016年6月2日・7月16日にそれぞれ世帯票・所得票・介護票、所得票・貯蓄票を配ることで行われたもので、本人記述により後日調査員によって回収され、集計されている(一部は密封回収)。回収できたデータは世帯票・健康票が22万4208世帯分、所得票・貯蓄票が2万4604世帯分、介護票が6790人分。

今調査は3年おきに大規模調査、それ以外は簡易調査が行われている。今回年(2016年分)は大調査に該当する年であり、世帯票・所得票だけでなく、健康票・介護票・貯蓄票に該当する調査も実施されている。

また1995年分は阪神・淡路大震災の影響で兵庫県の分、2011年分は東日本大地震・震災の影響で岩手県・宮城県・福島県(被災三県)の分、2012年は福島県の分、2016年は熊本地震の影響で熊本県の分はデータが取得されておらず、当然各種結果にも反映されていない。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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