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ソニー、新製品「Xperia 1 V」SIMフリー版をいきなり発売 19万5000円を想定

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

 ソニーは5月11日、フラグシップスマートフォンの新製品「Xperia 1 V」を発表した。6月下旬以降にキャリアから発売され、SIMフリー版も7月下旬、19万5000円前後で発売となる。

 Xperia 1 Vは、デザインテイスト的には従来のモデルを踏襲。違いはほとんどわからない感じだ。

 しかし、カメラのイメージセンサーが1.7倍に大判化された一方で、新しい構造になったことで、低照度性能が前モデルよりも約2倍向上したという。

 カメラの有効画素数は4800万画素だが、4つの画素を1つの画素として扱う「ピクセルビニング」技術により、暗所性能とのオートフォーカスを強化している。

 これにより、低照度における耐ノイズ性能が上がり、ダイナミックレンジにおいて、フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラ並みの撮影が可能となった。

 実際、夜のポートレート撮影や夜景、間接照明だけの部屋で人物を撮影する際などで威力を発揮する。

 また、Xperia 1 VではAIを強化し、高精度にオートフォーカスを当てられ、複数の光源環境であっても正確なホワイトバランスを実現できる。AIの進化により、従来モデルに搭載されていたToFセンサーは廃止されている。

 ソニーのデジカメ「α」では、VLOGをしている人向けのカメラ「VLOGCAM」が人気だが、Xperia 1 VではVLOGCAMにある「商品レビュー用設定」が搭載されている。

 これをオンにすることで、商品レビュー動画を撮影している際、人物の顔ではなく、商品にピントが合うようになる。また、マイクも声を優先するようになるなど、VLOG需要を意識した機能強化が図れている。

 チップはクアルコム「Snapdragon 8 Gen 2」を採用。Xperiaは長時間、カメラで撮影していると発熱でカメラが落ちることがあるが、Xperia 1 Vではカメラ動作時の消費電力をじゅうらいよりも20%削減、本体内の熱拡散シートの体積を60%拡大することで熱を拡散し、ハイパフォーマンスを持続できるようになるという。

 今回、各キャリアから発売されるが、SIMフリー版の存在も同時に明らかにされた。XperiaはこれまでもSIMフリー版を販売してきたが、キャリア版の発表、発売から数ヶ月後に市場に投入されるなど、Xperiaファンからすれば「新製品は購入したいが、SIMフリー版はいつ出てくるのか。キャリア版を買ってしまおうか悩む」という、もどかしい状態となっていた。

 今回はキャリア版と同時にSIMフリー版の存在が明らかにされ、しかも19万5000円という市場想定価格も明示されている。

 これにより、購入を検討してるユーザーはキャリア版とSIMフリー版の価格を比較することが可能だ。キャリア版はミリ波に対応し、購入補助プログラムで手に入れることができ、また保証サービスも充実する。一方、SIMフリー版はミリ波非対応だ。

 このあたりも考慮して、どちらを買うのが自分に合っているかをじっくりと検討したい。

筆者撮影
筆者撮影

筆者撮影
筆者撮影

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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