金正恩の視察先で「大量の爆薬」発見…北朝鮮が身構える"暗殺リスク"
韓国統一研究院は27日に公開した報告書「2023年・北朝鮮改正刑法の分析と評価」で、同国の刑法で最高刑が死刑と定まられた罪名が、2022年5月時点の11件から、2023年12月には16件に5件増えたと明らかにした。
同報告書は、2022年5月17日の改正刑法と2023年12月24日の改正刑法を比較したもの。北朝鮮はこの間、2022年12月24日と2023年7月29日にも刑法を改正しているが、その詳細は外部に知られていないという。
報告書によると、新たに死刑が最高刑となった罪名は次の5つだ。
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◇反国家宣伝・扇動罪◇武器·弾薬秘法製作罪◇武器・弾薬秘法使用罪◇爆発物秘法製造・保管罪◇爆発物秘法使用・譲渡罪――。
武器弾薬、爆発物の違法な製造と使用、譲渡に対する処罰が強化されたことが特徴で、報告書は、金正恩総書記とその一家の安全を図るための措置である可能性があると分析した。
実際、過去には金正恩氏の視察先で爆発物が発見されたとの報道もあった。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は2015年12月4日、北朝鮮東岸部の元山(ウォンサン)にある葛麻(カルマ)飛行場で同年10月初め、金正恩第1書記(当時)の視察直前に爆発物が見つかる出来事があったと、平壌の情報筋の話として報じた。発見を受けて、同月7日に予定されていた視察は中止されたという。
RFAによると、爆発物が発見されたのは視察前日の10月6日。朝鮮労働党組織指導部行事課の指示を受け、国家安全保衛部が行った検閲で発見された。それに先立ち、護衛総局が行った検閲では発見されていなかった。
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爆発物が見つかったのは屋内カウンター上部の天井裏で、箱の中にTNT火薬200グラムのパッケージ100個が入っていたという。
その後、犯人が捕まったとするなどの続報は出ておらず、真偽の見極めはつかないが、仮に事実であっても証拠の類が外部に流出することは考えにくい。