半世紀の間にあの商品の価格はどれほど上がったのだろうか
時の流れと共に需給の変化やインフレ化が進み、商品価格は大よそ上昇していく。半世紀ほど前の日本における商品価格と、今の価格とを比較するとどれだけの違いが見られるのだろうか。総務省統計局における「小売物価統計調査」の公開データを元に、その実態を確認していく。
現時点では年次価格は2015年分が最新値となるので、比較対象となる50年前の値は、1965年(昭和40年)のものを用いる。品目は比較的メジャーなもの、身近にあるものを独自に選択。さらに一部品目は1965年時点ではまだ計測対象として取り上げられていないものもあるため、それについては存在しうる最古の値を選んでいる。
一部品目は50年前と2015年で、主要流通商品の形状・分量が異なるため、単純比較が難しいものがある。例えばトイレットペーパーは直近値では12ロール1パックの価格だが、50年前の時点では4個入りのものを計測対象としていた。この場合は単純計算で直近データの値を1/3(=4/12)にし、その上で価格を比較している。
それらの過程を経て算出された値を基に生成されたのが、次のグラフ。
東京都内での計測値を元にしていること、時代の変遷と共に対象商品が微妙に変化していることもあり、「郵便料」などごく一部を除けば参考値程度の精度でしかない。しかしながら商品価格の推移がそれなりに把握できる。
いわゆる「物価の優等生」と評される「鶏卵」はその名に恥じぬように、「額面」価格はこの50年でさほど変わっていない。またトイレットペーパーやバナナに至っては、逆に実質的な価格は下がっている。一方で「カレーライス(外食)」などのように7倍を超える価格上昇を示しているものもある(無論半世紀前と品質が同じわけではない)。
ちなみに50年前と比較して、消費者物価指数は約4.1倍に上昇している。対象商品の基準の変化を考慮すれば、3倍から6倍台の領域に収まっていれば、大体消費者物価指数に沿った価格上昇をしていると見て良いだろう。
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