【市川市】鎌倉殿と市川市(其の参) ~源氏の白旗と白幡天神社 菅野~
今年の歴史物語は鎌倉殿とその13人の重臣たちの物語。日本初の武家政権を鎌倉に成立させた源頼朝。当時平氏との戦の中、両軍はそれぞれを識別するために旗印を掲げていました。
その源氏の旗印は白。戦国時代にもなると家紋など様々な意匠をもって自軍の存在を示した旗印。源平の時代にはシンプルに白の源氏、赤の平氏として敵味方の区別を行っていました。
現在でも運動会でおなじみの赤組白組。この色分けは、もっぱらこの源氏平氏の旗の色に由来しているといわれています。
石橋山の敗戦後安房に逃れ、挙兵する頼朝。その足跡はこの市川市にも残ります。市川は菅野。京成八幡駅から徒歩約8分の場所にある白幡天神社は、今から約800年前の1180(治承4)年に頼朝が安房の国に旗揚げした際にこの地に白旗を掲げたことをもって「白幡」と名付けられたと伝わります。
御祭神は武内宿禰で、のちに菅原道真公を合祀しました。また、拝殿に掲げられる社額は、勝海舟の揮毫。また、太田道灌によっても造営されたとの説もあるとのこと。
菅野の住宅地の中にありながら、木々が繁り、梅、桜など四季折々の花々が咲く安らぎの場所としても親しまれる存在。学業、開運、育児などのご利益があるので、ぜひ訪れてみてください。
正面左手には公園も併設されており、近隣の親子の憩いの場にもなっています。
その荘厳な佇まいは、訪れるものの気持ちと姿勢を正してくれながらも、一種の安らぎを与えてくれるようで、数百年も前から人々の心のよりどころとなっていたことを時を超えて実感できる場所ではないかと思います。
当時の源氏の白旗がたなびく風景を想像しつつ。(参照:白幡天神社パンフレット及び掲示板より)
【白幡天神社】
住所:市川市菅野1-15-2