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11月のFOMCでの利下げは見送りか

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 アトランタ連銀のボスティック総裁は10日に経済指標で適切と示されれば、11月のFOMCで利下げを見送ることに「問題はない」と述べた。また18日には金利をいわゆる中立水準まで引き下げることを急いではいないとも述べた。

 ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は21日、今後数四半期は緩やかなペースでの利下げを支持するとの考えを改めて示した。

 ダラス連銀のローガン総裁は、経済環境がなお不透明な中、慎重なペースで金利を引き下げるべきだとの見解をあらためて示した。

 カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は21日、インフレ率がFRBの目標である2%に向かい、労働市場も正常化しつつあることから、注意深く慎重な利下げへのアプローチを支持する意向を示した。

 このようにFRB関係者が相次いで、追加利下げについて慎重な姿勢を示した。

 サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は21日に、労働市場のさらなる悪化を阻止するため、米金融当局が利下げを継続すると予想していると述べた。ただし、今後の利下げペースについてはコメントしていなかった。

 次回のFOMCは11月6日~7日にかけて開催される。

 一時、11月のFOMCでは0.5%の利下げが実施されるとの予想が強まった。しかし、パウエル議長が、今後の利下げペースについて、時間をかけて展開するプロセスであり、急ぐ必要はないと述べたことや、発表された経済指標などを受けて大幅利下げ観測は後退してきた。

 さらに、ここにきての連銀総裁の発言などから、11月の利下げそのものが見送られるとの観測が強まってきた。そもそも11月5日に米大統領選も予定されていることもあって、11月の利下げはない可能性はあった。

 これを受けて、米長期金利は4.2%近くまで上昇してきた。次の節目とされるのは昨年7月につけた4.28%あたりとなる。もし4.3%台を付けてきたならば、チャート上からは4.5%あたりまで上昇する可能性も出てくる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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