Facebook、ツイッター、LINE、インスタグラム…ソーシャルメディアの活用実態
ここ数年であっという間に浸透し、昨今ではコミュニケーションで欠かせない存在として君臨しているのが、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア。厳密にはチャットサービスだがLINEも一般的にはソーシャルメディアの仕切り分けに含めて語られることが多く、最近では画像を中心としたInstagramも人気を博している。それぞれ仕様が異なる4つのソーシャルメディアにおいて、利用者はどのような使い方をしているのだろうか。今回は2016年7月付で博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が発表した、同所が定点観測を行っている「メディア定点調査」(※)に関わる公開資料をもとに、その実情を確認していく。
まず今調査対象母集団における、4種類のソーシャルメディアの利用率。
LINEがもっとも多く6割超え、次いでFacebookとTwitterが3割台、Instagramは1割強にとどまっている。
これらソーシャルメディアの利用者それぞれに、どのような使い方をしているのか、認識を持っているかを複数回答で尋ねたのが次以降のグラフ。それぞれの大別グラフを比較できるように、すべてのグラフで縦軸の仕切り分けは統一している。
まずは交友関係の維持のためのやり取り。
LINEはチャットシステム、電話番号とのリンクの強さもあり、現実に高頻度で相対する人との間で使う人の割合が大変高く、8割を超えている。電話のような、それでいてもっとハードルの低いコミュニケーションツールとしての役割を果たしているようだ。他方、頻度が低いが実相対している人との間では、LINEよりもFacebookの方が使われている。そして一度も実際に会った事が無い、具体的にはインターネット上でのみの知り合いとのやりとりでは、Twitterを用いている人の割合がもっとも高い。それぞれのソーシャルメディアの特性が良く出ている。
また、限定した相手か、不特定多数との間とのやりとりかとの仕切り分けでは、限定はLINEやFacebook、多くの人との間ではさほど差は無いがTwitterがやや多い。これもまた、それぞれの特徴が大変よく表れている。
続いて情報活用面。
趣味への活用はInstagramがもっとも多く2/3を超えている。写真の披露に関わる機能が充実していることから、ビジュアルを活かしたい、アピールしたい方面では大いに役立つのだろう。広く浅く、そして情報の拡散がされやすいTwitterも6割に近い値を示している。他方、仕事への活用ではLINEが多め。これは多分に電話、あるいは電子メール的な使われ方をしているものと思われる。
買い物時の参考に関しても、趣味への活用と同じような傾向。多数の意見を幅広く取得でき、ビジュアル面での確認も容易なのが受け入れられている。そして話題のニュースを知るのには、Twitterが群を抜いて多い。Twitter利用者の6割近くは、話題のニュースを知るために使っているとの認識。
表現手段としてはどうだろうか。
言葉(テキスト)ではTwitterが群を抜き、ビジュアルではLINE(スタンプ)やInstagram(写真、動画)が他を大きく引き離している。日常のメモとしてはLINEが低めで他はほぼ同程度。特定少数に向けての書き込みとなるLINEでは、日記の類は相手にも迷惑となるかもしれない。
最後は行動様式的な利用性向。
朝起きてすぐに見る、夜見ながら寝てしまう、この2パターンを認識している場合、対象ソーシャルメディアへの注力度が極めて高いことを意味する。それこそ寝食を忘れて没頭するといったところ。どのソーシャルメディアも大きな違いは無いが、朝はLINEとTwitterが、夜はTwitterとInstagramがやや多め。朝方は夜間の更新内容が気になり一刻でも早く見たいがため、夜は時間の許す限りじっくりと色々な情報に目を通したいためであることを考えると理解できる。
他人の投稿などを見ることが多いとの設問では、ミニ新聞・ニュース的な使い方も可能なTwitterがもっとも多く、FacebookやInstagramが続く。他方、チャットシステムのLINEではほとんど無い。他方、投稿利用側としてはInstagramがもっとも多く1/3超え、次いでTwitterが3割となっている。
それぞれのサービスには共通する機能も少なくないが、それぞれの仕様の長所や特質、さらには利用者の使い方の文化が大きく異なる。結果として、多分に違いが生じる結果となっているのは興味深いところではある。同時にそれぞれのサービス利用者も、大いにうなづける動向には違いない。
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※メディア定点調査
郵送調査方式で行われたもので、調査期間は2016年1月28日から2月12日。東京・大阪・愛知・高知の4地区を対象に RDD(Random Digit Dialing)方式で選ばれた15歳から69歳の男女に対し調査票が送付され、2543通が回収された。各値は2015年の住民基本台帳を基に世代・男女でのウェイトバックが実施されている。また特記無き限り記事内のデータは基本的に東京地区のもの。