2025年は太陽フレアで文明崩壊の危機!?
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「近年の太陽フレア被害と2025年の危険性」というテーマで動画をお送りしていきます。
●太陽フレアとは?
太陽フレアとは、太陽表面で起こる突発的な爆発現象です。
大規模なものだと水素爆弾1億個分に相当するエネルギーを放つとも言われていて、人類がとても太刀打ちできない高エネルギーな天体現象です。
太陽フレアは、太陽表面に溜まった磁気のエネルギーが、熱や運動エネルギーに変換されて一気に宇宙空間へと放出される現象であると解釈されています。
太陽表面において、磁気のエネルギーが高い場所は、「黒点」として現れます。
この黒点がたくさん現れる時期では、太陽フレアのリスクが高く、要警戒です。
太陽フレアによって、高エネルギーの電磁波や、高エネルギーの粒子(放射線)、大量のプラズマガスといった様々なものが宇宙空間に放出されます。
まず太陽フレアで放出されるX線やガンマ線などの高エネルギーの電磁波は、光速で移動するためわずか8分で地球に到達します。
これが地球に到達すると、電波通信障害が発生するリスクが高まります。
そして高エネルギー粒子(放射線)は、30分~2日程度かけて地球に到来します。
放射線なので、宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士や、飛行機の乗客への放射線被害がリスクとして懸念されます。
そして太陽フレアが発生すると、太陽の大気にあたるコロナを構成する、電気を帯びたプラズマガスが大量に宇宙へと放出されます。
これはコロナ質量放出(Coronal mass ejection、CME)と呼ばれる現象です。
CMEは一般的には2日~3日程度かけて地球に到達しますが、後述する特殊な場合においてはさらに非常に短い時間で地球に到達することもあります。
プラズマの粒子が地球の磁気圏に沿って地球の極域に流入し、地球の大気を構成する物質と衝突すると、光を放ちます。
これがオーロラの正体です。
これだけならただ綺麗なだけですが、磁気圏が乱れると地表の送電線に大量の電流が流れ、発電機構が破壊され、大規模な停電が起きる原因にもなります。
実際に1989年3月には、カナダのケベック州において、太陽フレアを原因とする大規模な停電が9時間にわたって続き、600万人に影響が及んだと言われています。
●2012年の神回避
私たちにとってほとんど何も影響がありませんでしたが、実は2012年の7月23日、極めて大規模な太陽フレアが発生し、それに伴う超巨大なCMEが地球近傍をかすめました。
当時発生した太陽フレアは、1859年に起きた「キャリントンイベント」と呼ばれる、記録に残る中で最大の太陽フレアに匹敵する規模であり、過去150年間で最大規模の太陽フレアでした。
太陽の活動には、活発な時期(極大期)と穏やかな時期(極小期)が交互に周期的にやってくるという特徴があります。
その周期は約11年と言われています。
2012年7月当時は、太陽黒点数が極大付近で、太陽活動が非常に活発な時期でした。
この映像は、2012年7月のCMEの動向を、観測データをもとに再現した映像です。
地球から遠く離れた位置にある太陽探査機STEREO-Aは、このCMEを直接捉えていました。
このアングルは地球軌道を真上から見たものとなっています。
映像で見るとよくわかりますが、巨大なCMEは幸運にも地球のすぐそばを通り抜けていきました。
9日ほど発生時期がズレていたら、地球に直撃していたと言われています。
CMEは一般的に地球到達まで2日~3日程度かかると言われていますが、このCMEの場合、わずか20時間で地球の公転軌道上まで到達しています。
巨大CMEの到達が非常に早まったと原因としては、巨大CMEが発生する直前に比較的小さなCMEが発生し、太陽と地球間の物質を一掃していたためであると考えられています。
このようにCMEは放出されてから一日も経たずに地球に襲い掛かる場合もあるため、後出しでは十分な準備ができないリスクがあります。
●2025年がフレアの危険性大!?
先述の通り、太陽活動には周期性があり、その周期は約11年というものでした。この周期通りにいくと、次の極大期は2025年頃と予想されています。
総務省は、日本における太陽フレアによる「最悪の被害」を推定しました。
この推定においては、太陽活動の1周期で1回あるかないかという規模(X10クラス以上)の爆発が2週間にわたって断続的に発生し、さらにその中で、1859年のキャリントンイベントのような、100年に1度かそれ未満の頻度でしか襲ってこない巨大なフレアも発生するという、まさに最悪の事態が起こった場合が想定されています。
日本における被害としては、2週間にわたって昼間の間は断続的に電波通信が困難になる点が挙げられています。
それによって例えば携帯電話などの電波通信機器が使用困難になり、さらに電車や飛行機などの交通手段にも大きな混乱が及ぶことが想定されます。
さらに2週間にわたって断続的にGPS通信が困難になると想定されています。
また地球を周回する人工衛星にも大きな被害が及びます。
まず人工衛星に搭載された太陽電池が劣化し、衛星の寿命が大幅に短縮されてしまいます。
さらに太陽フレアによって地球の大気全体が熱せられ、膨張すると、地表に近い軌道で地球を公転する人工衛星に及ぶ空気抵抗が増大し、軌道が変化します。
すると他の人工衛星やスペースデブリと衝突したり、さらには地球上に落下して衛星自体が失われてしまうリスクも挙げられています。
なお、今回の仮定である「100年に1度規模のフレア」では、防災が進んだ日本においては停電が発生するかは不明とのことです。
今並べたのは想定される被害のほんの一例にすぎませんが、被害は通信技術が発展した都市ほど大きいため、東京は世界最大の経済的損失を被るとも言われています。
具体的な損失額は、東京だけで3000億円にも及ぶそうです。
この太陽フレアの恐ろしいのは、文明が発展すればするほど被害が甚大になるという点です。一刻も早く対策をしなければ、必ず近い将来のどこかで大きな実害が出てくるでしょう。
私たちはこの太陽フレアが起きたときに適切な行動がとれるよう、その現象の特性と危険性を正しく認知しておくのが重要になりそうです。