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まさか過剰な不安やストレスは『不安症』が原因?HSPが不安症を予防する方法を3つ紹介

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

近年社会のさまざまな出来事に不安を感じたり、SNSを見て落ち込んだりする人も多いのではないでしょうか。

不安や恐怖を過剰に感じて、日常生活に支障が出てしまう状態のことを、『不安症』といいます。

HSPは五感が鋭いだけでなく、周囲のさまざまな出来事に敏感に反応を示す特性を持っています。

そのため、ほかの人よりも不安やストレスを感じやすく、不安症を発症してしまうこともあります。

今回の記事では、HSPが不安症になりやすい理由、不安症の種類とチェックリスト、HSPが不安症を予防する方法について紹介します。

HSPは不安症になりやすい?

HSPは敏感な気質を持った人のことを指し、音や光、においに敏感に反応する傾向があります。

そのため、大きな物音に強い不安を感じたり、日差しが強い場所では体調を崩したりしてしまうことが多いです。

また、怒っている人や不機嫌な人の近くにいると、それだけで体調が悪くなってしまうこともあります。

HSPは常にさまざまな刺激を無意識に感じ取ってしまうので、ほかの人よりも不安やストレスを感じやすく、不安症になりやすいと言われています。

不安症の種類

・社交不安症

社交不安症は注目される場面や人が多くいる場所で、強い不安や恐怖を感じる病気です。

「失敗したらどうしよう」「声が震えてないか気になる」「顔が赤くなったらどうしよう」「変に思われてないかな」と人前でさまざまな強い不安に襲われます。

人前で話す、字を書く、飲食をするなどといった行為に強い苦痛を伴うこともあります。

実際に緊張で声や身体が震えたり、大量の汗をかいたりすることもあり、恥ずかしい経験をしたことによって、不登校や引きこもりになってしまうケースもあります。

・パニック症

パニック症は、突然強い不安感や恐怖に襲われて、動悸や呼吸困難によってパニック発作を起こしてしまう病気です。

パニック発作が繰り返されることで、「またパニックになったらどうしよう」と強い不安を感じ、発作が起きた場所を避けるようになるなど行動範囲に制限がかかることもあります。

パニック症によって将来に不安を感じ、うつ病を併発してしまう人もいます。

発作を起こす頻度は個人差があり、毎週発作を起こす人もいれば数ヶ月何も起こらない人もいます。

・全般不安症

全般不安症は、身の回りのさまざまな出来事に対して強い不安や恐怖を感じる病気です。

常に不安を感じているため、筋肉の強張りや疲労感、集中力の低下、不眠などの症状が生じる場合があります。

自分では不安や恐怖をコントロールできず、長年に渡って症状が持続すると言われています。

不安や心配事の対象は一般的なものが多く、病気や災害、家計、仕事の責任、人間関係などがあります。

不安症チェックリスト

不安症は理由もなく常に漠然とした不安を感じる病気であり、不安や恐怖を自分ではコントロールできないという特徴があります。

下記で不安症の主な症状を紹介します。

・常に不安や恐怖、緊張を感じる
・理由もなく漠然とした不安を感じる
・心配事が尽きない
・心配することをやめられない
・リラックスしていてもすぐに不安を感じる
・心配や不安をコントロールできない
・落ち着きがなく、ソワソワしてしまう
・最近イライラすることが多くなった
・心配事が頭から離れず、不眠が続いている
・自分から不安や恐怖を感じる情報を見てしまう
・これから恐ろしいことが起こるのではないかと恐怖を感じる

上記の項目が複数当てはまり、二週間以上その状態が続いている場合は、不安症を発症している可能性が高いです。

うつ病の症状にも当てはまるものがあるため、詳しく知りたいときは医療機関を受診しましょう。

HSPが不安症を予防する方法

規則正しい生活を心がける

運動不足や栄養の偏った食生活、寝不足はメンタルの不調に繋がる可能性があります。

不規則な生活を続けていると、神経伝達物質のセロトニンの分泌に影響が現れ、うつ病を発症するリスクが高まると言われており、不安症にも大きな影響があると考えられます。

夜は遅くとも日付が変わる前までに布団に入り、スマートフォンの電源はオフにしておきましょう。

朝は決まった時間に起床し、カーテンを開けて日光を浴びることで体内時計がリセットされて、生活リズムが整います。

また、朝食は活動するためのエネルギーになるため、なるべく食べるようにしましょう。

起床後に食欲がない人は、ヨーグルトやスープなど手軽に食べられるものを用意しておくのがおすすめです。

SNSやニュースアプリをなるべく見ない

環境の変化や周囲の人の機嫌を敏感に感じ取ってしまうHSPは、SNSやニュースなどからも強い刺激を受けてしまう可能性が高いです。

災害や地震、戦争、芸能人の炎上や値上げなど、SNSやニュースにはネガティブな情報が溢れています。

気をつけていても、SNSを利用していると意図せず目に入ってくることもあるでしょう。

ネガティブなニュースや情報、愚痴や不満を浴び続けていると、自分自身の思考もどんどんネガティブになっていきます。

SNSはこまめにログアウトするか、利用制限をかけるようにして、少しずつ利用頻度を減らしていくことが大切です。

ネガティブなニュースでメンタルが落ち込んでしまったときは、読書をしたり映画を観たりするなど、自分の好きなことをして穏やかに過ごすようにしましょう。

自分の思考の癖を知る

不安を軽減させるためには、自分の思考の癖を知ることがとても大切です。

まずは、自分がどのようなときに不安になるのか、ストレスを感じるのかを紙に書き出してみましょう。

ネガティブな思考をすぐに変えることは難しいですが、自分の思考の癖を分析して客観的に見ることで冷静になることができます。

また、不安やもやもやを感じた出来事を日記に毎日書き綴るのもおすすめです。

記録を後から振り返ることで、「このときの自分はこれが嫌だったんだ」という感情のパターンを見つけることができます。

まとめ

今回はHSPが不安症になりやすい理由、不安症の種類、不安症のチェックリスト、予防法について紹介しました。

些細なことでも心配になったり、不安になることは誰にでもありますが、日常生活に支障が出るほどの不安に悩まされている場合、不安症の可能性が高いです。

刺激に敏感なHSPは不安症を発症する可能性があるため、心身の不調を感じたら無理せずになるべく早めに心療内科や精神科を受診しましょう。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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