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【日立市】神仏を祀る『御岩神社』常陸國最古霊山の御岩山を参拝。10月19・20日は秋の『回向祭』開催

ひよりひよっこライター(日立市・高萩市)
御岩神社

秋分の日を迎えようやく秋らしい気候になってきましたね。昼間はTシャツ一枚で過ごせ、風が気持ち良く感じますのでウォーキングやサイクリング、お散歩など家から出て外の空気をたくさん体に吸い込みたい季節です。

御岩神社楼門の下で
御岩神社楼門の下で

今回は立市入日四間町にある『御岩神社』に行ってきました。

御岩神社
御岩神社

御岩神社は神様と仏様の両方を祀られているとても珍しい神社で、宗派問わず人々に寄り添う神社であり、祈祷から供養など様々な形で人々の信仰を集めてきました。

鳥居
鳥居

日立市の山の奥にも関わらず、市内の方はもちろん県内でも遠方の方、県外の方も多く訪れています。

御岩神社境内図
御岩神社境内図

御岩神社は神仏混合の神社であることの他にも、山全体が御神域として祀られていることが特徴とされており、境内にある神社などの他にも、岩や川や木など至る所に神様が宿られていると言われ、全部で188体の神様がおられるそうです。至る所に神様がいると思うと、自然と背筋が伸びるような思いですね。

夏はとても涼しい参道です
夏はとても涼しい参道です

御岩神社の最初の鳥居をくぐると、空を覆うような杉の木が並ぶ圧巻の参道に入ります。日が差し込みにくいのもあるかもしれませんが、空気感が変わりますので日中でも少し肌寒く感じます。境内をゆっくり楽しみたい方は羽織物を持っていくと安心です。

御神木『三本杉』
御神木『三本杉』

参道を歩き進むと立派な楼門(ろうもん)が見えてきますが、その前に立派な御神木『三本杉』があります。樹齢は推定600年となり、地上より3m程のところから幹が3本に分かれています。三本杉は茨城県の天然記念物に指定され、林野庁の『森の巨人たち百選』にも選ばれています。

緑に囲まれた赤い楼門の迫力
緑に囲まれた赤い楼門の迫力

金剛力士像(吽形像)
金剛力士像(吽形像)

金剛力士像(阿形像)
金剛力士像(阿形像)

荘厳な楼門は1688年に建てられ、中には二体の金剛力士像がいます。一度は明治時代の神仏分離令により楼門は取り壊されてしまいましたが、平成三年に再建され金剛力士像は当時の像が安置されているとのこと。時を越えて現代を見守る金剛力士像をぜひじっくり見てみてください。

御岩山にいるとされる188体の神様が描かれています
御岩山にいるとされる188体の神様が描かれています

御岩山諸神明細(御岩神社の側にあります)
御岩山諸神明細(御岩神社の側にあります)

楼門には御岩山におられる188体の神様が描かれた『御岩山霊場図』が飾られています。御岩神社の側には、神様の名前が記載されている明細もありますので、どんな神様がいるのか興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。

『苔むす』とはまさにこのこと
『苔むす』とはまさにこのこと

小松崎爽青の俳句『月の夜の石に還へりし道祖神』
小松崎爽青の俳句『月の夜の石に還へりし道祖神』

楼門を過ぎると、いきいきとした苔が綺麗な土手に各時代で御岩山について詠まれた名句が石に彫られています。隣には解説が書かれた看板がありますので、俳句が好きな方は読みながら進むのも面白いですよ。

栗唐不動池
栗唐不動池

御神橋
御神橋

後生車
後生車

手水舎
手水舎

御岩神社の境内は広いので、散策するのも気持ちの良い場所です。お越しの際は歩きやすい恰好で参拝されることをおすすめします。

斎神社回向殿
斎神社回向殿

天井には見事な『御岩山雲龍図』
天井には見事な『御岩山雲龍図』

10月19日(土)・20日(日)には、この斎神社回向殿で秋季 回向祭(えこうさい)が開催されます。回向祭とは、年に2回春と秋に行われる宗教宗派を問わない供養の祭事になります。身近な方のご冥福を祈ったり、遠方でなかなか法事に行けないなど様々な事情がある方は、この機会にご参詣されるのも良いでしょう。

秋季 回向祭

斎行日 :2024年10月19日(土)・20日(日)

祈祷時間:8時~16時※随時受付

祈祷場所:斎神社回向殿

奉納神事:10月20日(日)

 12時30分頃~浦安舞奉奏

 13時10分頃~齋藤信介氏(篠笛奏者)による奉納演奏

 13時50分頃~マシコタツロウ氏(作詞家・作曲家・シンガーソングライター)による奉納演奏

チラシ :回向祭チラシ

日に照らされ気持ちが良さそうな『四国霊場諸仏』
日に照らされ気持ちが良さそうな『四国霊場諸仏』

斎神社回向殿の脇には、写真のようにたくさんの仏様がおりますが、これは『四国霊場諸仏』といい、四国にある八十八箇所のお寺を全て巡ることで願いが叶うとされているお遍路巡りを、こちらでも巡ることができるように祀った場所です。

神仏分離令で一度は取り払われ土に埋もれていましたが、先々代の宮司が掘り起こし、改めて祀られている経緯があるため、全て揃ってはおりませんがこの地で再びお祀りされている姿は、苦境にも負けない静かな力が宿られているようにも思えます。

御岩神社
御岩神社

御岩神社の創建は、不明とされていますが縄文晩期の遺跡が発掘されていたり、日本最古の書の一つである『常陸國風土記』(721年)にも『かびれの高峰』(御岩山の古称)と記載されていることから、古くからこの土地が信仰の聖地であったことがわかります。

常陸國風土記(右:漢文書き下し、左:口語訳)
常陸國風土記(右:漢文書き下し、左:口語訳)

参道の途中にも『常陸國風土記』の看板がありますので、お時間のある方は読んでみてくださいね。

狛犬
狛犬

御岩神社は、境内を参拝するだけでなく、実際に神々が住むとされる御岩山を登拝することができます。山道は険しい箇所も多数ありますので、入山の心得をよく読んでから訪れてくださいね。

登拝ルール
登拝ルール

【入山の心得】

① 登拝ルートの厳守

② 降雨・降雪・積雪時の入山禁止

③ 午後3時以降の入山禁止

④ 動植物や石の採取禁止

⑤ 火気厳禁

⑥ ごみ投棄禁止

⑦ 食事・酒類禁止

その他、必ず飲み物を持って入山することと、山中にお手洗いはないため、事前に済ませてから入山してください。筆者も実際に登りましたが、山頂まで片道1時間弱かかりましたので、時間に余裕があり、体調が良い日に入山してください。

入山直後の写真
入山直後の写真

徐々に道は険しくなっていきます
徐々に道は険しくなっていきます

自然に近い道はより険しく、より美しく
自然に近い道はより険しく、より美しく

かびれ神宮
かびれ神宮

かびれ神宮まで25分程かかりました。ここでお参りし下山していくことも出来ますが、山頂からの絶景を拝みに登り続けました。ここからはまたさらに険しい道になりますので、休みながら登山してくださいね。

御岩山頂上の案内板がようやく出てきました
御岩山頂上の案内板がようやく出てきました

ジブリ映画の中に迷い込んだかのようです
ジブリ映画の中に迷い込んだかのようです

ここまでくればあと少しです
ここまでくればあと少しです

険しい道と穏やかな道が何度かあり、上記のトンネルの様なこの場所まできたらあと少しで頂上に着きます。筆者が登っている最中に下山されていた方が、筆者が下山中に裏山道から二度目の登山をされている強者もおりましたよ。

山頂からの景色です
山頂からの景色です

空気が澄んでいたので遠くの山まで見えました
空気が澄んでいたので遠くの山まで見えました

筆者が登った日は秋晴れの晴天で、遠くの山まで見ることができました。まさに絶景です。山頂には、ご神体が祀られている場所がありますが、ひっそりとした場所に祀られていますので、他の参拝者と交代でお詣りしてください。

社務所
社務所

御岩神社の鳥居の脇に、社務所がありますので御朱印やお守り、お札、ご祈祷などの受付はこちらでしてください。

三社巡りや二社巡りの御朱印も
三社巡りや二社巡りの御朱印も

御岩神社では現在、高萩八幡宮・助川鹿島神社・御岩神社の三社を巡る『神使三社巡り』の御朱印や、筑波山神社と御岩神社を巡拝し、常陸国にある2つの霊山を巡る御朱印もあります。こちらは、年内までのデザインとのことですので、集めている方は年内中に無理の無いよう巡ってくださいね。

運気上昇守 初穂料1,000円
運気上昇守 初穂料1,000円

八大龍王神、入四間不動明王
八大龍王神、入四間不動明王

現在御岩神社では、今年から頒布開始した、悪運を断ち切り幸運に導く『運気上昇守』が人気とのこと。運気上昇守は、御岩神社の裏側にある八大龍王神と入四間不動明王(いしけんふどうみょうおう)をコンパクトにしたお守りになります。御岩神社をお詣りした際は裏側に回ってぜひお詣りされてみてはいかがでしょうか。

御朱印
御朱印

厳しい残暑が続いた9月でしたが、秋らしい気候で少し外に出てみようかと思った方、運動がてら御岩神社を参拝してみてはいかがでしょうか。10月には回向祭もありますので、ぜひ素敵な奉納神事を拝聴しながらご先祖様に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

御岩神社

■住所   :茨城県日立市入四間町752

■受付時間 :9時~17時

■電話   :0294-21-8445

■駐車場  :有(無料・第1~第4駐車場)

■HP    :御岩神社

■Instagram:@oiwajinja

ひよっこライター(日立市・高萩市)

茨城県日立市・高萩市の担当になりました。まちのイベントや飲食店、子育て施設やお出かけスポットなどお役立ち情報をたくさん発信していきます。明日のお出かけにぜひ参考にしてください。

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