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朝刊は実際にどれほど読まれているのか

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 「新聞取ってきましたワン」朝刊を読んでいる人はどれほどいるのか。(写真:アフロ)

・朝刊を毎日読む人は5割足らず、まったく読まない人は3割強。

・朝刊を毎日読む人は女性より男性、若年層より高齢層の方が多い。

・朝刊を読む人は減少中。特に20代から40代の減少ぶりが著しい。

朝刊を毎日読む人は5割足らず

紙媒体としての新聞の発行部数が漸減しているのは周知の事実で、購読者数もそれに連れて減少していることは容易に想像がつく。それでは実際、朝刊はどれほど読まれているのだろうか。新聞通信調査会が2018年1月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果から確認する。

まず最初に示すのは、朝刊の閲読頻度。購入頻度では無いことに注意。例えば自分では買っていないが会社や喫茶店で定期的に目を通したり、父親が通勤時に買った新聞を自宅まで持ち帰り、それを子供が読む場合などは、購入はしていないものの閲読したことになる。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2017年度)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2017年度)

朝刊を毎日読んでいる人は5割足らず。その多くは月ぎめなどの契約購読者と見て間違いないだろう。週数回の人は業界紙的な新聞を取っているか、あるいは通勤・通学時にスタンドなどで購入するタイプだろうか。週一以上で定期的に閲読している人は64.5%。週一未満の人まで合算すると、購入していないが読んでいる人まで合わせて、大よそ7割が朝刊を閲読していることになる。

他方、朝刊を読んでいない人は3割強。「回し読みをしているから新聞の購入数の数倍は延べ閲読者数がいるはず(なので、実際の閲読者数は購読者をはるかに上回り、浸透率も高い)」との試算を思い返すと、やや大きな開きが生じている感は否めない。

属性別の詳細は

続いて属性別の朝刊閲読者動向を確認していく。週一未満、つまり滅多に読まない人でも「とにかく朝刊を読んでいるのだから閲読者に違いない」と定義し、これを閲読者全体とした上で「読む人合計」とし、毎日読む人と合わせて属性別の動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(毎日読む人)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(毎日読む人)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(読む人合計)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(読む人合計)(属性別)

まず毎日読む人だが、女性よりは男性、若年層よりは高齢層の方が読む人は多い。特に30代までは毎日閲読者=契約購読者と思われる人が非常に少ないことが分かる。他方、60代以降は7割近くが毎日閲読している。これが「とにかく新聞を読んでいる人」となると10代から20代でも3割前後、30代でも4割強となる。60代以降は8割台と、圧倒的な閲読ぶり。

ここ数年の傾向を見ると、大よその属性で小さからぬ減少が生じている。特に20代から40代の減少ぶりが著しい。成人中堅層までの新聞離れ、とでも呼ぶべき動きかも。一方10代はやや不安定な動きを示しているが、これは回答者の絶対値が少数となったがためのイレギュラー的なもので、やはり20代以降同様に若年層特有の「新聞離れ」的な動向の中にあると見てよい。

ともあれ「回し読み」を考慮した閲読頻度の視点でも、「若年層は新聞を読まない」「シニア層は大いに新聞を好む」実態に変わりは無い。該当者比率も「購読(買って読む)比率」と大きな違いは無く、多少上乗せされた程度であり、特定の係数で乗することで「回し読みの結果延べ人数として●×人が読んでいる」との話は、それほど現実的では無いことが分かる次第ではある。

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※メディアに関する世論調査

直近分となる第10回は2017年11月2日から11月21日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3169人。有効回答者の属性は男性1526人・女性1643人、18~19歳63人・20代274人・30代422人・40代567人・50代504人・60代601人・70代以上738人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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