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韓国も驚きうらやむ!? 東方神起の日産スタジアム公演はどれだけスゴいことなのか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
本日より日産スタジアム3days公演を行う東方神起。(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

本日6月8日から10日まで、韓国の人気スーパーデュオ東方神起が日産スタジアムでコンサートを行う。

コンサートは昨年11月から行われてきた全国5大ドームツアー『東方神起 LIVE TOUR 2017~Begin Again~』の追加公演として行われ、3日間でのべ約22万人を動員するという。

日産スタジアムと言えば、約7万人を収容する国内最大規模のスタジアム。そこで3日連続でコンサートを行うのは、アーティスト史上初となる快挙だという。

約2年間の兵役生活を経て、昨年8月に活動を再開した東方神起だが、復帰から1年足らずで前人未到の記録を打ち立てようとしているのだから、日本での人気が衰えていないことが伝わるだろう。

(参考記事:【画像大量】韓国カメラが撮った!! 追い続けた!! スーパーデュオ「東方神起」成長の記録

「デビュー投資額は80億ウォン」とも

もっとも、これまでも東方神起はさまざまな記録が話題になってきた。

今や韓国はおろかアジアやヨーロッパ、北米市場にも進出しているSMエンターテインメントが、2004年に5人組グループとして送り出したのが東方神起だったが(2010年にユンホとチャンミンのデュオ体制に)、「デビュー投資額は80億ウォン」だったというのはよくいわれる話だ。

(参考記事:デビュー投資額は80億ウォン!? 東方神起と数字の美しい関係~驚嘆すべき記録の数々~)

また、2008年には韓国で、「東方神起のファンの数が世界最多80万人以上存在するということでギネスブックに記載されることになった」と報じられたこともあった。

実際にはギネスブックに記載されていないが、裏を返せば、それだけ東方神起が世界的に人気を集めていることを示したともいえるだろう。

最近も、今年3月に日本で発売したドームライブツアーDVD『東方神起LIVE TOUR 2017~Begin Again~』が、初週に3.7万枚を売り上げ、オリコン週間DVDランキングで初登場1位を記録して日韓両国で関心を集めた。

さらに、 東方神起の年収は「芸能界上位1%」説が囁かれ話題になることもあるが、何より注目すべきはその動員力だろう。

例えば、2012年のツアー『東方神起 LIVE TOUR 2012~TONE~』には55万人を動員。翌2013年には、海外アーティスト初となる日本5大ドームツアーとスタジアム公演を成功させた『東方神起 LIVE 2013~TIME~』で85万人を動員し、2014年の全国ツアーの観客動員数も計60万人に達した。

2012~2014年の3年間だけで、200万人以上のファンを動員したわけだが、これは海外アーティストとして史上最速スピードだという。

(参考記事:誕生秘話と苦難を乗り越えて掴んだ栄光…東方神起とSMエンターテインメントの“光と影”

今日から行われる日産スタジアム公演も、3日ともチケットが完売したというから、その動員力が今もなお健在というわけだ。

韓国メディアも驚きうらやむ!?

そんな数々の記録が注目されてきた東方神起が、またしても新記録を打ち立てようとしているだけに、日産スタジアム公演は韓国でも大きく取り上げられている。

「東方神起、日産スタジアムで3日間連続公演…“日本初の記録”」(『聯合ニュース』)、「東方神起、日産スタジアムでのライブで史上最大の100万人を動員」(『Newsen』)、「東方神起、いまだ止まらない“K-POPの帝王”の記録行進」(『TVDayly』)といった具合だ。

韓国メディアが東方神起の日産スタジアム公演を大きく取り上げているのは、韓国のコンサート事情も関係しているだろう。

というのも、韓国には日産スタジアムほど大規模な会場は存在しない。あるとすれば、ソウル・ワールドカップ競技場ぐらいだ。

さらに言えば、1万人以上収容できる会場も極わずかしかなく、ドームも2015年に完成した高尺(コチョク)スカイドームが唯一なのだ。韓国芸能記者の間では、日本を羨む声も挙がっている。

それだけに韓国では、東方神起が日本での活動に力を入れる理由の一つとしてコンサート会場の規模の差が挙げられることもあるが、5月5~6日に行われた韓国での単独コンサートを見ても、日本と韓国の差は明らかだった。

会場となったのは、ソウル市・蚕室(チャムシル)にあるソウル・オリンピック競技場に隣接する補助競技場で、2日間の観客動員数は合計で約2万2000人。日産スタジアム公演(3日間で約22万人動員予定)の10分の1に過ぎなかったのだ。

日産スタジアム公演の観客動員数は、韓国からすれば天文学的数字といっても過言ではないだけに、メディアが大きく取り上げるのも無理はないだろう。

経済紙『毎日経済』などは、「日産スタジアムでの公演は、東方神起にとって一つの歴史的な“ターニングポイント”として記憶されることだろう」と伝えているほどだ。

いずれにしても、韓国でも驚きとともに取り上げられている日産スタジアムでの3days公演。

新たな記録を打ち立てたスーパーデュオは、この公演を機に、日本と韓国でさらに関心を集めることは間違いなさそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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