スイス、スウェーデン、カナダに続きECBも利下げを決定
欧州中央銀行(ECB)は6日に開いた理事会で、政策金利を0.25%引き下げることを決めた。利下げは2019年9月以来、4年9か月ぶりとなる。主要政策金利を4.5%から4.25%、中銀預金金利を4%から3.75%への引き下げとなる。
主要中銀のなかでは、3月にスイス中銀、5月にスウェーデン中銀、6月5日にカナダ中銀が、それぞれ利下げを実施している。
スイスの中央銀行「スイス国立銀行」は3月21日に政策金利を0.25%引き下げ、1.5%にすることを決めた。利下げは2015年以来、9年ぶりとなる。インフレは低下傾向にあるとして、ほかの中央銀行に先駆けて金利の引き下げに踏み切った形となった。
スウェーデン中央銀行は5月8日、2016年以来8年ぶりとなる利下げを決定した。政策金利を0.25%引き下げ3.75%とした。スウェーデン中銀の利下げは、マイナス金利を深掘りした2016年2月以来となる。
カナダ銀行(中央銀行)は6月5日、政策金利を0.25%引き下げ4.75%とした。利下げは4年3か月ぶりとなる。2022年3月以来2年以上続いた金融引き締め政策の転換点となる。主要7か国(G7)の先陣を切って金融緩和に着手した格好となった。
そして今度は欧州中央銀行(ECB)が利下げを決定した。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、インフレ基調の推移や物価の見通しを踏まえ「金融引き締めの度合いを緩めるのが適切だ」と表明した。
当面は理事会ごとに「データ次第」で慎重に判断していく方針とした。ラガルド議長は、賃上げ率が高いためインフレ圧力はなお強いと警戒感を示したこともあり、次回7月会合での連続利下げは見送る可能性が高いと予想されている。