富山市にある科学博物館は、富山に住んでいる人の誰もが一度は訪れたことがある施設ではないでしょうか。科学に触れる体験コーナーや富山の歴史を科学的に知る展示があり、季節ごとのプラネタリウムも人気のスポットです。今回は、科学博物館で「英国カラクリ人形」という面白い展示が行われているとの情報をキャッチしたので、行ってきました。

こちらの展示を鑑賞するには、科学博物館の入場料と特別展観覧料（大人100円・高校生以下無料・小学生以下の観覧は保護者同伴）が必要になります。場所は、科学博物館2階にある特別展示室で開催されていました。

入場チケットを提示する場所には、展示してある作品の作者であるポール・スプナーやマット・スミスの写真が飾られており、人気のカラクリを拡大した模型などが展示してありました。カラクリの機構が分かりやすく展示してあり、機械などのギミック好きには堪らない展示でしょう。拡大してある模型作品は、中に本物の作品があり実際に動いているところも見られます。

作品は、実際に手で回して動かすことはできませんがボタンを押すとカラクリ人形が動く仕組みになっています。周りを見渡すと子供が楽しそうにカラクリ人形を動かして遊ぶ姿や、男性がボタンを押しながらじっくりと機構を眺めている姿が見られました。ゆっくりと作品説明を読んでストーリーを感じながら展示を見ると、イギリスの文化や時代背景に触れたような気持ちになります。

イギリス人作家制作のカラクリ人形が42点・機構模型12点・富山出身の作家の作品3点が展示されているので、ボリューム満点の展示です。雨の日や土日は、混み合うので平日に訪れるとじっくりと鑑賞できるでしょう。

前半の作品を見終えると、カラクリの機構を拡大して実際に動かす体験コーナもあります。蒸気機関車や自転車などの機構を実際に動かして楽しめるコーナーなので、子供はもちろんですが車や機関車が好きな大人もワクワクするコーナーです。この体験をしてから、展示してあるカラクリ人形を見直すと、新たな気づきがあるかも知れません。「この作品は、こんな機構で動いていたんだ！」と理解してカラクリ人形を見ると、作品のストーリーやデザインがすんなりと入ってくるような気がしました。

後半の展示は、機構を理解してから鑑賞したので作品のストーリー性を感じながら楽しめました。アヌビスをモチーフとした作品が多く、皮肉を込めたものやメッセージ性の強い作品もあります。特別展に訪れる前に昔のイギリス文化や政治について勉強してから行くと、更に深い考察ができるでしょう。また、イギリスのカラクリ人形作家に影響を受けた富山出身の作家の作品も展示してありました。ペーパークラフトの可愛らしいカラクリ人形で、1階のお土産売り場でも購入できます。

オートマタ（西洋カラクリ人形）や日本のカラクリ人形は、カラクリ部分を隠して動く摩訶不思議なものとして重宝されていました。しかし、こちらに展示してあるカラクリ人形は、機構部分をオープンにすることで命が動いて見えるような作品になっています。

こちらに展示してある作品は、商業目的でなければ撮影が自由になっています。作品鑑賞としても体験学習としても充実した内容の展示なので、家族・カップル・おひとりさまで誰でも楽しめると思える内容です。ここでは、様々な作品やカラクリの機構部分に触れられるので、この機会にぜひ訪れてみてください。