ドラフト対象年齢を18歳に引き下げ! NBAが再び高卒選手に門戸開放へ
再びNBAに高卒選手が誕生することになりそうだ。
米有力紙『USAトゥデー』が現地21日、NBAが選手会に対し、ドラフト年齢対象を18歳に引き下げる提案書を正式に提出したと報じた。今後は両者の間で協議され、合意に達すれば今後の統一労働協約に盛り込まれることになり、早ければ2022年のドラフトから採用されることになる。
同紙によれば、すでにNBAと選手会の間で非公式ながら年齢引き下げの話し合いが行われていた。現在のドラフト対象年齢は19歳のため、国内の選手たちは高校卒業後に直接NBA入りすることができず、大学に回らなければならなかった。
元々NBAにはドラフト対象年齢は存在しなかった。NBA入りするのは大学の有望選手だというのが広く通念になっており、高校からNBAを目指す選手は数えるほどしか存在しなかったからだ。
ところが高校で有望選手だったケビン・ガーネット選手が学力不足のため大学進学を諦めNBA入りを表明し、1995年のドラフトで全体5番目に指名されてから、そうした通念が崩壊していった。ガーネット選手を機に、高校有望選手が次々に大学進学せずにNBA入りする道を選択するようになり、トレイシー・マグレディー選手、クワミ・ブラウン選手、アマレ・スタッダマイアー選手らが次々にプロ入りするとともに、2003、2004年のドラフトではそれぞれレブロン・ジェームス選手、ドワイト・ハワード選手が全体の1位指名を受けるまでになっていた。
こうした潮流が論争化していき、さらにこのまま高卒有望選手たちが続々NBAに流出することを危惧した大学側に配慮するかたちで、2005年に進められていた統一労働協約交渉の場で、NBA側が20歳にドラフト対象年齢を設定することを提案し、最終的に選手会との間で19歳で合意。それ以降現在に至るまで、その制度が採用されてきた。
だがドラフト対象年齢設定後も、有望選手たちは「アーリーエントリー制度」を利用して大学卒業を待たずにNBA入りするケースが後を絶たず、"one and done"(19歳になり大学在籍わずか1年でNBA入りしてしまうこと)と揶揄されるなど、根本的な問題解決にはなっていなかった。
大学有望選手を調査しながら各年代のドラフト指名を予測する『nbadraft.net』が予測する2019年ドラフト予想でも、1位から20位に並ぶ選手たちは4位の八村塁選手(ただ八村選手も卒業前の3年生)、14位のセコウ・ドゥンボウヤ選手(国際選手枠)以外、すべて大学1、2年生が独占している状態だ。
そうした現状を受け、アダム・シルバー=コミッショナーはドラフト対象年齢の引き下げに前向きな姿勢を示しており、今回正式に選手会に提案書を送ったようだ。元々選手会は2005年の時点でもドラフト対象年齢の設定に否定的だっただけに、引き下げは確実視されている。