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【全仏オープンテニス】国枝が完全復活、赤土を制す! 上地も2年連続3度目V!

荒木美晴フリーランスライター
年間グランドスラムを達成した2015年以来、3年ぶり7度目の優勝を果たした国枝(写真:アフロ)

テニスの全仏オープン車いすの部男子シングルス決勝で、国枝慎吾(ユニクロ)がグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)を7-6、6-0で破り、3年ぶり7度目の優勝を果たした。

国枝は初戦で昨年ウィンブルドン優勝のステファン・オルソン(スウェーデン)、準決勝でリオパラリンピック金メダリストのゴードン・リード(イギリス)をそれぞれストレートで下して決勝に勝ち上がった。

決勝の相手、フェルナンデスは南米出身の選手らしく、クレーコートを得意とし、2016年には初優勝を飾っている強敵だが、国枝はタイブレークにもつれこんだ第1セットを奪って波に乗った。

車いすの部は、世界トップの8選手のみが参加する。とくに男子は実力が拮抗しており、誰が勝ってもおかしくない状況だ。国枝は、このグランドスラムのタイトルを最大の目標に掲げて臨み、世界屈指の猛者たちを相手に初戦から決勝まで1セットも落とすことなく頂点を極めたことは大きな自信になったはずだ。

国枝は右肘の故障を抱えていたが、昨年末にようやく痛みから解放されて不安材料がなくなった。そのタイミングで迎えた今年1月の全豪オープン決勝では、試合巧者のステファン・ウデ(フランス)をフルセットの末に撃破し、ライバルたちに復活を印象づけていた。

グランドスラム2連勝とし、世界ランキング1位に返り咲く見通しだ。4月からは新たに岩見亮コーチに師事。飽くなき探究心で自分のテニスを追求し続ける国枝のさらなる進化に期待したい。

また女子シングルス決勝では、世界1位の上地結衣(エイベックス)がディーデ・デフロート(オランダ)を2-6、6-0、6-2で下し、2年連続3度目の優勝を飾った。今年の全豪オープン決勝では、デフロートに敗れて準優勝に終わり、きっちりリベンジを果たした格好だ。

上地は昨年7月に車いすを新調。座面を高くしたことで、これまでより走力がアップした。7月のウィンブルドンはこれまでダブルスのみの開催で現在4連覇中だが、2016年から始まったシングルスでの優勝はまだない。今回の優勝の勢いをキープし、グラスコートでの単複優勝を狙う。

フリーランスライター

1998年長野パラリンピックでアイススレッジホッケーを観戦。その迫力とパワーに圧倒され、スポーツとしての障がい者スポーツのトリコに。この世界の魅力を伝えるべく、OLからライターへ転身し、障がい者スポーツの現場に通う日々を送る。国内外における障がい者スポーツの認知度向上と発展を願い、2008年に障がい者スポーツ専門サイト「MA SPORTS」を設立。『Sportsnavi』『web Sportiva』などスポーツ系メディアにも寄稿している。パラリンピックは2000年のシドニー、ソルトレークシティ、アテネ、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ大会を取材。MA SPORTS代表。

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