パンの発酵ってめっちゃ簡単です!
パン作りが難しいと思われている理由の一つに発酵について苦手意識がある人が多いからだと思います。
実際にやってみると温かいところに生地を置いておくだけなので全くむずかしいところはないのですが、今回は発酵の苦手意識がなくなるように理論的に発酵について解説していきたいと思います。
発酵とは
そもそも発酵とは酵母菌(イースト)が生きていく上での生命活動の一つです。
私たち人間が、ご飯を食べたり、呼吸をしたり、睡眠をとったりするのと同じようなことです。
イーストは発酵することで、パン生地中の糖質を酵素で分解して栄養を得て生きています。
その糖質の分解過程で作られるのが二酸化炭素やアルコールや有機酸です。
それらの成分がパンを膨らませたりいい香りのもとになったりするんですね。
つまり、酵母菌をよりよく育てられればパンはよく膨らんで香りがよくなります。
発酵しやすい環境とは
綿密な管理をしなくても発酵は自然と起きるのですが、発酵しやすい環境があります。
そのポイントが5つほどあるので紹介します。
1:温度
イースト菌が活動できる温度は4〜45度です。その温度帯であれば発酵できるのですが、特に35〜40度の間が一番発酵しやすい温度です。
つまり、蒸し暑い環境が一番発酵しやすいといえます。
冬場の寒い時期はこたつの中に入れたり、部屋の温かいところに置いておくと早くパンができるようになります。
ちなみに、イースト菌は60度以上の環境だと死んでしまって発酵しなくなるので、高すぎる温度には注意が必要です。
2:酸素
イーストも生き物なので、呼吸をします。酸素があるとより膨らむのが早くなります。
ただ、こねている時にしっかり酸素が生地に溶け込むのでそこまで意識しなくても大丈夫です。
発酵時間が長いときなどは、ある程度膨らんだところでパンチして酸素を補うと発酵の活性が高くなりますが、家庭製パンではそこまで気にしなくてOKです。
ちなみにイーストは酸素を使い切ると酸素を使わないアルコール発酵によって栄養を作ります。
無酸素状態が長く続くとアルコール臭いパンになってしまいます。これが俗にいう過発酵と言われる状態です。
3:糖分
栄養源になるのは糖分です。
直接砂糖を入れることもありますが、イーストは小麦粉中のデンプンを分解する酵素を持っているので、砂糖がなくても発酵することはできます。
ただ、直接砂糖を入れた方が発酵は早くスムーズに進みます。
4:ph(ペーハー)
酸性度のことですが、過程製パンでは細かいコントロールは必要ないので割愛します。
5:水分
イーストが糖分を分解するときに働く酵素は水分の中でしか働きません。
そして、水分が多い生地はその分水に溶けている酸素も多いので発酵がよく進むようになります。
また、ガスを溜め込むグルテンの組織も水分を必要とするためこれが少なすぎると膨らみにくいパンになってしまいます。
発酵のベストな状態の見極め
生地の見極めは、見た目と触感によって判断できます。
まず、目で見た時に発酵前と比べて2倍くらいまで膨らんでいること。
大きくなりすぎても、よくないので見極めが大切になります。
そして触感。指で生地に穴を開けてみてそれがふさがらなかったら発酵が良好です。
ふさがったら発酵不足なので追加で発酵させて、全体が萎んでしまったら発酵させすぎです。
ちなみに過発酵は戻せないのでピザとかの味の濃いパンにリメイクをおすすめします。
まとめ
発酵のポイントをざっくりまとめると、
生地を35度くらいのところに置いておく
2倍に膨らんだら完了
この2つさえ覚えておけばOKです!
意外と簡単ですよね、苦手意識を持たずにまずはチャレンジしてみてください。
想像以上に簡単なことに驚くと思います。