【四国地方】台風14号は温帯低気圧化しても油断禁物 16日(木)日中のうちに備えを
一時、猛烈な勢力にまで発達した台風14号は、16日(木)午前6時現在は東シナ海付近・長崎県五島市の西南西約420km付近を北西へゆっくりと進んでいると見られます。四国沖に停滞する秋雨前線はいったん南下して活動が弱まっているため、四国地方は雨のやんでいる所が多くなっています。
台風14号は17日(金)には温帯低気圧に変わる
台風14号はこの先、勢力を維持したままゆっくりと北上し、17日(金)には温帯低気圧に変わる見通しです。その後、台風から変わった低気圧は東に進み、17日(金)夜から18日(土)午前にかけて四国地方を通過していくでしょう。ただ、台風が温帯低気圧になるからといって油断してはいけません。
温帯低気圧として再発達することも
台風は南の暖かい空気からできているのに対し、温帯低気圧は暖かい空気と冷たい空気を伴っているという性質の違いがあります。台風がやや弱まりながら南から北上して日本付近に進むと、台風に北からの冷たい空気が流れ込むことで次第に温帯低気圧に性質が変わることがあります。すると、暖かい空気と冷たい空気がぶつかり合うことで低気圧が再発達し、台風のときよりも雨や風の強まる範囲が広がることがあります。
台風14号の中心気圧は、16日(木)夜遅くには992hPaの予想ですが、温帯低気圧に変わる見込みの17日(金)朝には988hPaと、台風のときより発達するおそれがあります。台風14号は、温帯低気圧として再発達したのち四国地方に近づく可能性があるため、台風ではなくなったからと言って油断は禁物なのです。
16日(木)夜から18日(土)にかけて大荒れのおそれ
16日(木)日中は秋雨前線が四国地方からはいったん離れますが、夜には秋雨前線が再び北上し、台風14号周辺の暖かく湿った空気も流れ込む見通しです。四国地方は太平洋側を中心に、16日(木)夜から雷を伴うバケツをひっくり返したような激しい雨が降るでしょう。台風14号や台風から変わる低気圧も次第に近づくため、風も強まり海上では波も高まりそうです。
低気圧が近づく17日(金)には太平洋側だけではなく、瀬戸内側でも雷を伴う1時間に50ミリ以上の滝のような非常に激しい雨が降るおそれがあります。太平洋側では17日(金)朝から同じような所に雨雲がかかり続けそうです。
17日(金)午前6時までの24時間に予想される雨の量は多い所で150ミリ、その後18日(土)午前6時までは多い所で200ミリから300ミリの大雨が見込まれています。24時間で200ミリ以上の雨が降ると、より災害が発生する危険性が高くなると言われています。大雨による土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫などに警戒をしてください。今回は特に、高知県高幡、高吾北、安芸や室戸、徳島県南部の広範囲を中心に雨量が多くなる可能性があります。
暴風や高波にも十分注意をしてください。特に低気圧が接近する17日(金)に予想される最大風速は、瀬戸内側・太平洋側ともに陸上で18メートルと強い風が吹くおそれがあります。これは風に向かって歩けなくなり、風で転倒する人も出てくるような暴風です。海上では波も高まるでしょう。交通機関は大きく乱れる可能性があります。
16日(木)日中のうちに対策を
16日(木)日中の四国地方は、まだ雨や風が強まらない見通しです。日中のうちに、飛ばされやすい物はしっかりと固定し、家の中にしまっておくようにしましょう。大雨や暴風の影響で停電する可能性があります。停電対策や、非常用品が準備できているかなどの確認をしてください。雨や風は16日(木)夜からと暗い時間に強まりそうです。暗くなってからの避難はより危険です。明るいうちに安全な所に身を置くようにしましょう。今後も最新の気象情報や、自治体が発表する情報にお気を付けください。
3連休後半は秋晴れに
台風14号から変わる温帯低気圧は、18日(土)午後には次第に四国地方からは離れ、天気は回復する見通しです。今週末は3連休という方も多いかもしれません。連休は19日(日)~20日(月)にかけては穏やかな秋晴れになりそうです。
■参考