Yahoo!ニュース

【沖縄県北谷町】国登録有形文化財「うちなぁ家」沖縄好きな方必見!入場無料で伝統民家を見学

Rina@沖縄美ら浜つーしんライター(北谷町・沖縄市・北中城村・恩納村)

はいたーい!沖縄県北谷町の地域情報を発信している美ら浜つーしんのリナです。
北谷町上勢頭にある「北谷町 うちなぁ家」という施設をご存知でしょうか。

国登録有形文化財

うちなぁ家の入口前
うちなぁ家の入口前

あしびなぁ公園内にある立派な塀に囲まれたお屋敷を見たことありますか。
「うちなぁ家」という名称で、沖縄の伝統的民家を再現した施設です。
平成24年になんと「国登録有形文化財」になりました。

正面のヒンプンを抜けると・・・

正面のヒンプンから入るとこのような屋敷が見えます。

(ヒンプンとは・・・家の正面にある目隠し用の塀です。屋敷の内と外の仕切りの役目があります。表から建物の内部が直接見えないようにという実用的な機能と、外から魔物が侵入するのを防ぐというマジナイや信仰的な役割もあります。)

ヒンプンは、個人的にはとても深い意味を持つ塀だと思います。
何故かというと、男性か女性かで、左右どちらを通って屋敷内に入るか決まっているからです。
一般的に男性は右側、女性は左側です。
しかし、男性であっても右側を使用するのはお正月やお盆のような特別な日か、身分の高い人に限るともいわれているそうです。

塀一つを説明するのにここまで奥深いとはとても興味深く、そして沖縄の歴史をもっと知りたくなってきます。

1890年(明治23年)建築

琉球王国時代(1737年~1884年)は身分によって屋敷や家屋の大きさが決まっていましたが、1889年(明治22年)にその「制限令」が廃止されました。

その翌年1890年(明治23年)に北谷町字吉原(謝苅)に建築されたのがこのうちなぁ家の主屋となる旧目取真家です。

平成17年に現在の場所、北谷町上勢頭に移築・修復されました。

「高倉」

ヒンプンを抜けて敷地内に入ってすぐ左側には高倉があります。
高倉は穀物や稲束を貯蔵する収納倉だそうです。

「井戸(カー)」

高倉のすぐ後ろの方はお庭のようになっています。
そして、井戸(カー)があります。
うちなぁ家のパンフレットには、以下の説明がありました。

「屋敷内に井戸を造る場合、火の神と向き合う形は避けて、門から入って左手の台所の南側が西側に掘りますが、水脈との関係から一番座の東側に掘ることもありました。」


井戸を造る場所も相当な意味があるとは、うちなぁ家への訪問で勉強になることばかりでした。

「サーター車」

井戸(カー)と同じ並びには、サーター車があります。
サーター車は、さとうきびをしぼり黒砂糖をつくる道具・圧搾機です。

車をアップで見るとこのような感じです。
明治時代初めごろ鉄製の金輪車が製造され、戦後しばらく使用されていたそうです。
鉄製なので重そうですね。牛馬にサーター車をひいてもらい絞っていたそうです。

馬がサーター車をひく様子

馬がサーター車を引いている当時の様子です。
うちなぁ家の屋内にこちらの写真が展示されていました。

ここでクイズ!これ何だと思いますか?

答えは・・・「フール」です。

フールとは・・・豚小屋兼用便所です。

石造りになっています。この中で豚を飼い、人が用をたすと中にいる豚が排泄物を処理する仕組みになっています。

まるで、現代でいうリサイクルシステムのような感じかなぁと想像しました。

そして、豚の鳴き声は魔物の邪気を追い払うとされていたそうです。
沖縄の人にとって豚は身近な動物だというのがよく分かりますね。

フールは沖縄戦後しばらく残っていたそうです。

北谷町HPとうちなぁ家のパンフレットによると、主屋とフールが国登録有形文化財になったということです。

北谷町 うちなぁ家 パンフレット

パンフレットには、主屋が旧目取真家、フールが旧崎原家と記載されています。

屋内の様子

畳の部屋は客室(一番座)と仏間(二番座)があり、そして端には少し段が下がって台所があります。

台所

お鍋は「シンメーナービ」、その上のフタが「カマンタ」です。

台所用品の名称

各説明を見ると、「シンメーナービ」は大鍋の名称、「カマンタ」は主に芋や餅を蒸す時に使うフタだというのが分かります。

寄贈品

酒を入れる器等、歴史ある貴重な物があり、寄贈されたもののようです。
他にも、「餅を蒸す平籠」、穀物や酒・油などの液体をはかる時に使われた容器「枡」も展示されていました。

沖縄の歴史的建造物や道具・物が好きな方は直接行かれて近距離でご覧になることをおすすめします!

うちなぁ家の間取り図

パンフレットには、各説明の詳細があります。

お庭の植物も綺麗!

真っ赤なハイビスカス

ピンク色のハイビスカス

大きな蝶々も花の密を求めてやってきていましたよ。

常時在中か不明ですが、私が伺った時には管理人の方がいらっしゃいました。
とても親切な方で、気になったことを質問しやすかったです。

うちなぁ家は入場無料なので、隣接するあしびなぁ公園をお散歩がてらにでもぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

昔にタイムスリップした気分を味わいたい方にもぜひおすすめです♪

【現施設情報】
名 称:北谷町 うちなぁ屋
住 所:沖縄県中頭郡北谷町上勢頭830番地2
電 話:098-936-3159 (北谷町教育委員会 直通)
開館時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日及び火曜日、祝日、12月29日〜翌年1月3日、6月23日(慰霊の日)
駐車場:有り (あしびなぁ公園共有)
備 考:入場無料
地 図:Google Map

美ら浜つーしんライター(北谷町・沖縄市・北中城村・恩納村)

沖縄で「ちゃんぷるー文化」の環境で生まれ育つ。高校時代に2年間の米国留学を経て人見知りをちょっと克服。現在は、沖縄県中部に位置する北谷町在住。時間があると自宅から徒歩圏内の海辺でお散歩したり、美しい夕日を眺めるのが趣味。生活圏の北谷町をメインにお出かけ先で多い沖縄市・北中城村・恩納村の地域情報も担当。暮らしにまつわる情報やイベント、グルメ、観光スポットなど普段の生活を通して発見したお役立ち情報を住民目線で配信しています。

Rina@沖縄の最近の記事