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コロナ死者15万人の”張本人”英保健相が執務室で美人補佐官と白昼ダブル不倫 防犯カメラがバッチリ

木村正人在英国際ジャーナリスト
英紙サンが伝える保健相の白昼ダブル不倫(筆者がスクリーンショット)

[ロンドン発]新型コロナウイルスによる死者が15万2490人にのぼったイギリスで、被害を拡大させた「張本人」と批判されてきたマット・ハンコック保健相が、デルタ(インド変異)株が拡大している最中の5月上旬、ダブル不倫のお相手である美人補佐官と役所の執務室で熱い抱擁を交わしていたことが英大衆紙サンのスクープで分かりました。

ロンドンのホワイトホール(官庁街、日本で言う霞が関)にある保健省の大臣執務室で2人が抱き合って口づけをしている様子を防犯カメラがしっかりとらえていました。頭にきたホワイトホールの内部告発者が防犯カメラの映像をサン紙に持ち込んだようです。ハンコック保健相が廊下に誰もいないことを確認していからドアを閉め、誰にも情事を邪魔されないよう中からドアにもたれ掛かって抱き合っていました。

ダブル不倫のお相手は、ハンコック保健相自らが昨年9月、採用した億万長者のロビイストで、オックスフォード大学時代からの友人ジーナ・コラダンジェロさん(43)です。彼女には夫と3人の子供がいます。ハンコック保健相にも妻と3人の子供がいます。ハンコック保健相は大学時代、最初にジーナさんと出会いますが、その後、出会った現在の妻と結婚しました。

熱烈抱擁の証拠写真は統一地方選の投票日の5月6日午後3時すぎに撮影されました。ジーナさんは夫が設立したファッション・ライフスタイルストアのコミュニケーションディレクターと、政府の仕組みについて深い理解を提供するロビー活動会社の取締役もしています。ハンコック保健相は昨年3月から6カ月間、無給の補佐官にジーナさんを任命しました。

ジーナさんはハンコック保健相に同行して官僚との秘密会合に出席し、議会や首相官邸にも出入りしていました。「ハンコック保健相が何か大きなことをする前には必ずジーナに話している。彼女はすべてを知っている」という情報筋の証言をサン紙は報じています。昨年9月、ジーナさんは正式に採用され、保健省の非常勤ディレクターにおさまり、重要事項の進捗状況をチェックし、ハンコック保健相に報告していたそうです。

彼女には少なくとも1万5千ポンド(約232万円)の血税が支払われています。彼女は以前、コロナ危機で接触追跡アプリの構築を支援するため250万ポンド(約3億8600万円)を受け取った会社を顧客にするPR会社に務めていました。

ボリス・ジョンソン英首相と袂を分かったドミニク・カミングズ元首席特別顧問は下院委員会での証言でハンコック保健相について「公の場で何度もウソをつき、少なくとも15、20の理由で解雇されるべきだった。国家が期待する基準をはるかに下回り、悲惨な結果をもたらしたことに疑いの余地はない。私は首相に彼を解雇すべきだと繰り返した。そうしないと多くの人を死なせる大惨事になる、と」と糾弾しました。

ハンコック保健相の無能は誰しもが認めるところです。昨年春の第1波では病院の空きベッドを確保するため、コロナに感染しているかどうかもPCR検査で確かめず高齢者を介護施設に送り返したため、介護施設で全体の約半分の死者を出してしまいました。ハンコック保健相が担当した接触追跡アプリも感染ピーク時にはほとんど役に立ちませんでした。ジョンソン首相はハンコック保健相に引導を渡すかどうか迫られそうです。

カミングズ元首席特別顧問が糾弾した通り、ようやくクビになるのでしょうか。

(おわり)

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。masakimu50@gmail.com

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