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総数3588万人・総人口比は28.4%にまで増加した日本のお年寄り(2019年版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ テレビ観賞が大好きなお年寄り。あなたのそばには?(筆者作成・撮影)

総務省統計局が明日の「敬老の日」に合わせて発表した報告書「統計トピックスNo.121 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、最新の統計値として日本の高齢者(65歳以上)数は3588万人(2019年9月15日現在)となった。これは総人口比の28.4%にあたり、前年の3556万人・28.1%からさらに増加し、数・総人口比ともに過去最高の値を示している。

↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2018~2019年のみ9月15日時点、万人)(1947年以降)
↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2018~2019年のみ9月15日時点、万人)(1947年以降)
↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2018~2019年のみ9月15日時点、万人)(2001年以降)
↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2018~2019年のみ9月15日時点、万人)(2001年以降)
↑ 高齢者の総人口比率
↑ 高齢者の総人口比率

今回の公開値は高齢者数・総人口比は人口推計から取得(5年区切りの国勢調査実施年の値は国勢調査の結果を反映)、その他各種値は総務省統計局収録の各種データを用いて精査分析したもの。それによれば2019年9月15日時点で高齢者人口は3588万人。単純対象比較ができる1年前の2018年分・3556万人から32万人も増加している。

高齢者の増加ピークとなる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ、第一次ベビーブーム期)のうち最後の年となる1949年(昭和24年)生まれの人が高齢者層に仲間入りした2014年では同一基準で前年比110万人も増加したが、それよりは前年比の増加数は少なくなっている。

2013年では初めて、総人口に占める高齢者の割合が25.0%を超え、「4人に1人以上が高齢者の時代」が到来したが、今年2019年はその状態を継続しただけでなく、比率は前年の2018年分にあたる28.1%からさらに上乗せ、28.4%に達している。例えば100人の人口の村があれば、そのうち約28人がお年寄りである。さらにいえば75歳以上ならば約15人(14.7%)、80歳以上ならば約9人(8.9%)が該当する。

今レポートでは他にも各種統計結果から、高齢者の動向が多彩な切り口で語られている。概要をまとめると次の通りとなる。

・総人口は26万人減少したが高齢者は32万人増加した。

・女性の高齢者人口は2028万人で、男性の1560万人より468万人も多い。

・女性100人に対する男性の数は15歳未満では105.0人、15~64歳では102.6人と男性が多いが、高齢者では76.9人となり女性の方が多い。

・70歳以上人口は2715万人で総人口の21.5%。

・高齢者の就業率は男性33.2%、女性17.4%(2018年時点、以下同)で男女とも前年比プラス。就業者数は男女合わせて862万人となり、比較可能な1968年以降では過去最多人数。15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合は12.9%、こちらも比較可能な1968年以降では過去最高比率。

・役員を除いた高齢雇用者(高齢者で雇用されている者)の非正規率は76.3%(うちパート・アルバイトが52.5%)。非正規雇用者の現在の雇用形態についた主な理由は「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多で男性は29.8%、女性は38.1%。正規雇用を望んでいるが該当する仕事が無いからとする人は男性で11.8%、女性で5.0%。

・日本の高齢者人口の割合は、欧米諸国などと比べてももっとも高い。日本の28.4%に対し、第2位の比率のイタリアでも23.0%、ポルトガルで22.4%、フィンランドで22.1%。

・主要国では日本の高齢者就業率は24.3%で、韓国の31.3%に次いで高い。アメリカ合衆国は18.9%、カナダは13.4%、イギリス10.5%、ドイツ7.4%などが続く。

「団塊の世代」の高齢者層入りは2014年までのため、高齢者人口、総人口に占める高齢者の比率の加速的増加は2014年で終わりを告げている。しかしそれでもなお、高齢者の総人口比率が上昇していることに違いはない。社会福祉をはじめとした各種の国や地方自治体の行政施策に関し、現状を正しく認識し、将来を見据えた上でのかじ取りが求められよう。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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