NHKの特集が話題に スタートアップのセクハラ「女性起業家の半数が被害」の衝撃 #専門家のまとめ
8月末にNHKでスタートアップ業界内でのセクハラが特集され、話題になっています。特集の中では女性起業家の約半数が過去1年間のセクハラ被害を受けていたという衝撃的な調査結果が発表されました。
投資などと引き換えに関係を迫る「対価型セクハラ」のほか、「女の子が起業なんて」など性別による偏見も。男女比が大きく偏るスタートアップ業界で、セクハラや偏見は女性起業家の「壁」になっています。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
2023年12月末に毎日新聞で連載された「起業を目指す女性の「壁」」(岡大介記者)では、スタートアップ業界では非公式の会合(飲み会など)での情報交換が多いことや、資金を提供するベンチャーキャピタルと起業家の間に権力勾配が生まれてしまうことがハラスメントを助長させていると指摘されています。
ベンチャーキャピタルにおける投資意思決定層に女性は7.4%、新規上場企業の社長の女性割合は2%です。
「女性に起業は無理」という偏見もあり、起業を目指す女性が男性よりも少ない中で、資金提供者は圧倒的に男性が多い偏りがあります。多様性のなさや、性別による立場の偏りは、構造的にハラスメントの温床となります。
特定の業界での女性の少なさが指摘されると、「女性がやりたがらないから」「実力不足だから」などと言われることがありますが、ハラスメントや性別による偏見の「壁」が女性の前に立ちはだかることが多いという事実を認識し、業界内で対策を行う必要があります。