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【久留米市】まさに“宝の味”! 高良山生まれのメンマを堪能あれ

フカイエヒロルライター / エディター / ディレクター(久留米市)

「高良山産のメンマとな…?」そんな情報を聞きつけたのは昨年のことでした。

クラウドファンディングで見かけたものの、プロジェクトはすでに終了。販売も終わってしまっていました…。

しかし、この7月に2023年度分の販売がスタート!

ということで、待望の“久留米産メンマ”をご紹介したいと思います。

これがウワサの「くるめ高良山メンマ」「白メンマ」「赤メンマ」(各500円/100g)の2種類があります。

まずは「白メンマ」を開封しました。鶏ガラ、醤油、ゴマ油などで味付けされています。

一般的なメンマに比べると上品な味わいですが、実に美味。ついつい箸がすすみます。

お次は「赤メンマ」をいただきます。こちらは「白メンマ」に久留米市東町の[餃子専門店 明楽]さんの特製ラー油を絡めているのだそう。「白メンマ」に比べてパンチが効いていますが辛さは控えめ。やはり優しい味で、これまた旨い!

どちらも飽きのこない味わいで、あっという間に食べてしまいました。

ちなみに、メンマと言えばラーメンということでラーメンにも入れてみました。今回は豚骨ラーメンでしたが、醤油か塩の方がこのメンマをより美味しく味わえそうです。次回リベンジしたいと思います。

メンマにあるまじき“やわらかさ”!

さて、写真を見てお気づきの方もいるかもしれませんが、このメンマ、太いんです。そして、やわらか〜い!

メンマと言えば、薄くて歯ごたえがあるイメージだと思います。しかし、このメンマはタケノコの煮物のような食感で、とにかくやわらかい!!

その秘密を探るべく、このメンマを作っている[高良山竹林環境研究所]さんにお話を伺いました。

なぜメンマをつくりはじめたのか

と、ここで「くるめ高良山メンマ」が生まれた背景について触れたいと思います。それは「放置竹林」という問題です。

竹は繁殖力が強く、放置しておくと隣接する雑木林へと伸びていきます。そして、他の木々の成長を妨げ、枯らして、範囲を拡大。

他の木々に比べて竹は深く根を張らないため、地面の貯水力が低下し、地すべりを引き起こす危険性が高まってしまうのです。

こちらは整備されていない竹林の様子。貯水力の低下により、土が流されてしまったことが窺えます。

上を見上げると、登山道にかかるように竹が倒れてきており、危険な状態です。

このように、定期的な竹林整備が不可欠なのですが個人で管理するのは難しく、頭を抱えている地主さんは多いのだそう。[高良山竹林環境研究所]の渡辺さんもその1人でした。

どうしたら良いかを人に相談しているうちに、竹を使ったプロダクトデザインを行っている本多さんと出会います。実はお2人は同じ町内に住んでいました。本多さんは数年前に東京から帰郷して以来、高良山に登るのが日課になっていたそうです。荒れた竹林の様子も気になっていたところ、それが渡辺さんが所有する竹林だったというから、なんとも運命的ですね!

その後、本多さんの提案により、竹林整備の一環としてメンマづくりをしている糸島へ訪れたお2人。

通常メンマは99%が輸入品ですが、「純国産メンマ」は日本のモウソウチクでつくられています。掘りそこなって2~3ⅿに伸びた竹の子は硬くて食べられないとされており、折ったりして捨てられていました。しかし、糸島ではやわらかい部分を分別し、湯がいて塩漬けすることによって、おいしく食べられる「純国産メンマ」として利活用できるという研究が行われていたのです。

そこでノウハウを学び、久留米に戻ると早速メンマづくりに取り掛かります。活動を続ける中でさまざまな人とつながり、多くの応援・協力を得ながら「くるめ高良山メンマ」は生まれました。そのつながりは今も続き、[高良山竹林環境研究所]は地域との連携を深めながら活動を続けています。

「竹林整備の活動を通じて、高良山を守るボランティアの多さを知りました。ほとんどはご高齢の方なんですが、本当にアクティブに活動してくださっています。私たちはそのバトンを引き継ぎ、また次の世代へつないでいかなければならないと思っています」。

この春には、校区の小学生を対象としたメンマづくり体験を行い、好評を博したそうです。

また、取材中、すれ違った登山者の方から「応援してますよ!」と声をかけられていた姿が印象的でした。

なお、誕生秘話については以下のクラウドファンディングのページでも紹介されているので、こちらもぜひご覧ください。

https://camp-fire.jp/projects/view/646887

※プロジェクトはすでに終了しています。

美味しさの理由

「くるめ高良山メンマ」の驚きのやわらかさの理由について渡辺さんが教えてくれました。「竹はモウソウチクなんですが、やっぱり土でしょうね。土が良いから、やわらかい竹の子が採れるんです」。

現在、竹林整備の一環として全国各地で純国産メンマがつくられるようになっていますが、この味は“宝の山”とも称される高良山だからこその味と言えるわけです。

写真はメンマにできる伸びた竹の子(写真提供:高良山竹林環境研究所)。収穫時期は限られており、2023年の収穫は既に終了。今年は多くの協力により、年内いっぱいは販売できそうな量を用意できたそうです。

しかし、数量限定の商品となるので早めの購入をオススメします。

最後に

こちらは整備を行った渡辺さんの竹林です。現在は不要な竹を伐採し、まとめておくのが限界だと言います。実際に足を運ぶと傾斜がきつく、作業が容易ではないことを痛感します。

しかし、[高良山竹林環境研究所]をはじめとしたボランティアの方々の活動が身を結び、年内には市が竹の粉砕機を導入し、レンタルできる方向で動いていただいているようです。また、竹林整備に必要な防具や人件費などに使える補助金も確保しました。

「くるめ高良山メンマ」のストーリーはまだ始まったばかりですが、ボランティア頼みにならざるをえない現状に少しずつ変化が訪れているようです。

とは言え、秋には竹林整備、春には収穫と、まだまだ人手が必要なことに変わりありません。

情報はSNSにて更新されているので、興味のある方はぜひフォローしてみてください。

高良山竹林環境研究所
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<「くるめ高良山メンマ」販売所>
■餃子専門店 明楽 24時間無人販売所
【東町店】久留米市東町30-19
【中央町店】久留米市中央町34-1
※共に駐車場はなし
※料金箱は明楽様のものと異なります。冷蔵庫横の料金箱へ。

■夢工房(社会福祉法人拓く)
【住所】久留米市御井町1859-12
【電話番号】0942-44-0557
【営業時間】10:00〜17:00
【定休日】土・日曜
【駐車場】無

※2023年8月現在の情報です。

ライター / エディター / ディレクター(久留米市)

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