タイガー・ウッズの2020年始動日程と「19ドル92セントの粋なはからい」
昨年末の12月30日に44歳になったタイガー・ウッズ。注目されていた2020年の始動スケジュールが正式に発表され、何かと話題を呼んでいる。
ウッズの今年の米ツアー初戦となるのは1月23日から26日に開催されるファーマーズ・インシュアランス・オープン。試合会場のトーリーパインズ(米カリフォルニア州)はウッズがこれまで同大会7勝を挙げ、さらに2008年全米オープンを制した相性抜群のコースだ。
3度目の腰の手術で2016年を完全欠場後、1年5か月ぶりの復帰戦に選んだのは2017年のこの大会だった。そのときは予選落ちを喫し、同年4月に4度目の腰の手術を受けて再び戦線離脱した。
その後、2018年に復帰戦となったのも、やはりこの大会だった。その年の秋に、ウッズは最終戦のツアー選手権で5年ぶりの優勝を飾った。そして翌2019年4月にマスターズを制して、メジャー15勝目を挙げた。
こうしてみると、ファーマーズ・インシュアランス・オープンはウッズのキャリアにおいて、何度も大きな意味をなしてきた。今年も、この大会からウッズの何かが始まる予感がする。
【「大会格上げ」と「レジェンド化」】
2020年のウッズの2戦目となるのは、ロサンゼルス郊外のリビエラCCで2月13日から16日に開催されるジェネシス招待だ。同大会をサポートするのはウッズが率いる「TGR財団」。ウッズ自身は大会ホストを務めている。
そして、この大会はこれまで「ジェネシス・オープン」という名称だったが、今年から「ジェネシス招待」に変わった。
この変化は大会の「格上げ」を示している。出場選手数は144人から120人へ絞られ、少数精鋭のエリートフィールドにすることで「格式の高い大会」という色合いが濃くなる。そうすることでスポンサーや協力企業も増え、大会のイメージや印象も向上されていく。
こうした変化は、ジェネシス招待をアーノルド・パーマー(故人)の大会「アーノルド・パーマー招待」やジャック・ニクラスの大会「メモリアル・トーナメント」と同等化するもので、ひいてはウッズをパーマーやニクラスと並ぶレジェンド化するものでもある。
「この大会が来るべきところまで、ついに来たという感じ。とても嬉しい」
ウッズは手放しで喜んでいる様子だ。
【粋なはからい】
ところで、このジェネシス招待は、かつてはニッサン・オープンと呼ばれていた。そして、ウッズが生まれて初めて出場した米ツアーの大会は、1992年のニッサン・オープンだった。正確には、その際は「ニッサン・ロサンゼルス・オープン」という名称だった。
16歳のアマチュアだったウッズは72-75で予選落ちとなったが、それがウッズのキャリアの原点となり、その経験があったからこそ、ウッズが今、メジャー15勝、通算82勝を挙げてレジェンドと化していることは間違いない。
「リビエラは僕のすべてが始まった場所だ」
リビエラCCと1992年大会がウッズのキャリアの「起点」となったことを記念して、今年のジェネシス招待の入場チケットの値段は「19.92ドル(約2100円)」からスタートさせるという。
米ツアーと米ゴルフ界、そしてウッズが考えることは、なんとも粋である。