【富士宮市】内房のマドンナ ダイナちゃん!実は壮絶な過去を背負っていた…
内房を流れる稲瀬川。稲瀬川沿いにある桜並木が満開になる春には、お花見の方々が多く訪れる名所でもあります。
穏やかで綺麗な稲瀬川は、道路とほぼ並行して流れ、いくつかの橋が架かっています。この県道75号線上で黄瀬川にかけられた橋の1つに、『ダイナ橋』と呼ばれる橋があるのをご存じでしょうか?
ダイナ橋には通称『ダイナちゃん』と呼ばれる茶娘が座っています。
晴れた日にはダイナちゃんと富士山を撮影することもできるとのことで、私のバイク仲間の中ではちょっとしたラッキースポットとなっています。
なぜ内房にある橋の名前がカタカナなんだろう?と不思議に思ったので、調べてみる事にしました!
ネット上では、『ダイナ台風の被害のため、稲瀬川の流れを変えた際に作られた橋』や、『ダイナ台風の豪雨で川が氾濫して、稲瀬川に架かる多くの橋が流失し、新しく橋を架け替えた』などと説明がされていました。
ダイナ台風とは、1952年6月に発生し、静岡県を中心に大きな被害を出した台風で、市内では、橋の流失13箇所、水路の欠壊や道路の流失30箇所、家屋の浸水千数百戸、田畑の被害1000町歩に及び、内房地区の水田が大被害を受け、11人の死者を出したそうです。
内房では瓜島から山口、竹下から仲までの県道に架けられていた木橋の小田橋、竹の下橋、神田橋、仲橋、立谷橋が流失。
このため、山口、竹の下の神田橋までの曲がりの河川変更工事が行われた際に、ダイナ橋ができたそうです。
河川変更前の稲瀬川はどのような流れだったのか気になったので、郷土に詳しい方にお尋ねしたところ、今ある場所よりも山側にあったとの情報を頂きました。
その情報を基に芝川図書館にて、いろいろな資料を探したら、『目で見る芝川の歴史』という本に、ダイナ台風後の稲瀬川の河川変更図面があったので、これを現在の地図にトレースして乗せてみました!
これだけの河川変更をした工事となると、かなりの予算を必要としたと思われますが、それだけ台風の被害が大きかったという証拠でもあります。
かわいい笑顔で出迎えてくれる『ダイナちゃん』実はこんな過去を背負っていたのですね。
ついでに何故ダイナちゃんが茶娘なのかも調べてみました。
現在のダイナ橋は1994年に架け替えられたものだそうです。当時橋の奥には『農業構造改善事業内房茶筍加工所』があったんだそう。現在はたけのこが有名な内房ですが、その他にもお茶や梅などを産業としていたので、特産品のお茶にちなんでダイナちゃんは茶娘の姿をしているようです。
もう28歳のダイナちゃん。お肌もだいぶくすみが目立ってきましたので、綺麗にしてあげて欲しいなぁと思いながら、こんな身近に起きていた自然災害の爪痕を、忘れてはいけないと心に刻みました。
ダイナ橋:芝川町内房字竹の下付近(県道75号線上)