ステルス駆逐艦ズムウォルト進水
アメリカ海軍のステルス駆逐艦ズムウォルト級1番艦「DDG-1000ズムウォルト」が10月28日に進水しました。大胆なステルス設計、満載排水量1万5千トン以上に達する駆逐艦の枠を超えた巨体、そして新設計の155mmAGS砲を主兵装とする対地攻撃特化型の任務。実はこの艦は退役したアイオワ型戦艦の対地支援砲撃任務を引き継ぐ艦なのです。
しかしイージス艦の3倍もする高価な艦となってしまった為に3番艦で建造は打ち止め、対空レーダーシステムも開発の停滞と予算不足の結果、広域捜索用のレーダーは搭載が見送られ、広域防空用の艦対空ミサイルも搭載されず、DDG(アメリカ海軍の規定では広域防空用の艦対空誘導ミサイル駆逐艦の事)であるにも関わらず、実質的には大きな大砲を持ったDD(駆逐艦)となってしまいました。それでも主兵装である155mmAGS砲2基の対地砲撃力は絶大で、4隻ある巡航ミサイル原潜と同様に、空母以外の貴重な対地打撃戦力として運用される事になるでしょう。ズムウォルトは2014年末にアメリカ海軍に引き渡され、太平洋側の根拠地に配備される予定となっています。
※前部主砲は垂直装填状態。AGS砲はLRLAPと呼ばれる砲弾の長さが非常に長い補助ロケット推進弾を発射する為に、垂直状態で砲弾を装填する。長い砲弾を水平状態で装填する為には砲塔が大型化してしまうが、垂直装填ならば小型化が可能。
※電磁レールガンは将来装備の計画は有りますが、当面はまだ積む予定は有りません。