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石ころ、石器、石油(2)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

また同時に重要なのはサウジアラビアの長期的な国益の計算である。同国には無尽蔵として言及されるほどの膨大な石油埋蔵量がある。したがって、できるだけ長く石油を世界が輸入し続けることがサウジアラビアの国益である。もし、価格を過度に引き上げて新エネルギーの開発に拍車をかけてしまえば、それは国益に反する。良く使われる言葉に「石器時代が終わったのは、石ころがなくなったからではない」がある。つまり、より便利な青銅器や鉄器が使われるようになって、石器は廃(すた)れた。石ころが無くなったからではなかった。同じように石油が大量に地下に残っていても、それに代わるエネルギーが開発されれば、石油の時代は終わる。新しいエネルギーの開発を邪魔し、その時代の到来を遅らせるためにも、石油価格を余りに引き上げるのはサウジアラビアの国益ではない。という判断から同国は増産によって石油価格を抑制してきた。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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