Yahoo!ニュース

少人数世帯化は日本と同じ…アメリカ合衆国の構成人数別世帯数の推移をさぐる(2024年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
大家族のイメージが強いアメリカ合衆国だが(写真:アフロ)

社会生活を営むための最小構成集団は、一般的には世帯が該当する。一人暮らし、夫婦のみ、夫婦と子供、さらには祖父母も含めた大家族による構成もありうる。そしてその実態は社会全体の構造、変化の指標の一つとなる。そこでアメリカ合衆国の世帯構成人数別の世帯数動向などを、同国の国勢調査局(Census Bureau)の公開値から確認する。

次に示すのはアメリカ合衆国における世帯数の、構成人数別推移。ここでの「世帯」とは、同一居住単位に住む人の集合体を意味する。アメリカ合衆国の人口そのものは増加の一途にあるが(半世紀で2倍近くの増加)、それとともに世帯数も増加している。

↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(万世帯)
↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(万世帯)

↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(万世帯)(2001年以降)
↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(万世帯)(2001年以降)

一方で多人数世帯の増加よりも少人数世帯の増加の方が勢いが強いのも見て取れる。この半世紀強の間に単身世帯は5倍以上、2人世帯は3倍強に増加しているが、5人世帯は2割近くの増加にとどまっている。

日本の場合は人口の漸減とともに少人数世帯化が起きているが、アメリカ合衆国では人口増加と少人数世帯化が同時に生じている。一方、全世帯数に占める構成人数別世帯数比率動向を見ると、日本と同じような構造にあることが分かる。

↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(全世帯数比)
↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(全世帯数比)

↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(全世帯数比)(2001年以降)
↑ アメリカ合衆国における世帯構成人数別世帯数(全世帯数比)(2001年以降)

少人数世帯、特に単身世帯は大きく増加。半世紀強で比率は倍増し、直近の2022年では単身世帯だけで全世帯数の3割に届きそうな勢い。二人世帯と合わせれば6割を超えてしまう。1960年時点では4割強だったことを考えると、この半世紀強の間に大きな世帯構造の変化が起きていることが改めて確認できる次第ではある。

■関連記事:

【世界人口は2060年に100億人を突破…国連予想による米英露の2100年までの人口推移(最新)】

【高齢者はどのような相手を日頃から何かと頼りにしているのだろうか】

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事