2020年にリモート飲み会をした人は2割強
新しい飲み会の様式として世間に認知されるようになったリモート飲み会。実際にはどれぐらいの人がしたのだろうか。その実情をマルハニチロが2020年12月に発表した「今年の食生活に関する調査2020」(※)の結果から確認する。
新型コロナウイルスの流行でいわゆる三密が避けられるようになり、リモートワークが進むとともに複数人数が集まっての飲み会も敬遠されるようになった。そこで普段の飲み会の代わりに提案されたものがリモート飲み会なるもの(オンライン飲み会とも呼ばれている)。要は業務などで使われるビデオチャットをそのまま飲み会でも使うもので、参加者は個々に自宅でお酒をたしなみながら、ビデオチャットで他人との対話を楽しむことになる。お酒のお酌やおつまみの融通などは不可能だが、少なくともリアルタイムで他人とのコミュニケーションをしながらお酒をたしなむことはできる。
そこでこのリモート飲み会をしたか否かについて、調査対象母集団のうち20歳以上の人に尋ねた結果が次のグラフ。22.1%が2020年中にリモート飲み会をしたことがあると答えた。
年齢階層別では大体若年層ほど高い値を示し、20代では31.5%と3割を超えている。新しい様式を試す行動力があるからなのか、デジタル化への忌避感が少ないからなのか、単に環境が整備されているからなのか。
それではリモート飲み会をした時に、どのようなおつまみを用意したのか。リモート飲み会をした人限定で尋ねたところ、もっとも多い回答は「手作り料理」だった。24.3%の人が用意したと答えている。
単なる飲みだけならお酒だけでおつまみまでは必要無いとの意見もあるかもしれないが、リモートでも飲み会である以上、口にするものもあった方が格好がつく。むしろおつまみの方が主役だ、楽しみだという人もいる。また、中にはおつまみをさり気なく他人に披露して話のネタにする、さらには自慢する人もいるに違いない。その観点では自分の手作り料理はもっとも適したおつまみに違いない。そして普通の居酒屋での飲み会では口にできないとの観点でも優れたおつまみではある。
続いてスナック菓子をおつまみにした人は19.8%。普段自宅で飲む場合、さらに飲まなくても間食として食べる時には欠かせない存在という人も多分にいるはず。一方でスーパーの総菜も19.2%おり、こちらは間食というよりは食事のようなポジション付けをリモート飲み会に位置付けている感はある。テイクアウト料理やコンビニの総菜、さらにデリバリー料理もまた同様。中には刺身という意見もあるのには少々驚くが。
これを年齢階層別にみたのが次のグラフ。なお刺身とインスタント食品の50代は回答者がゼロのため、グラフ上では空欄となっている。
意外にも20代では手作り料理やスナック菓子、スーパーの総菜よりもおつまみ用珍味の方が人気で、1/4強がおつまみとして用意している。自前で料理をするのは面倒だとの考えからだろうか。30代では手作り料理とスナック菓子が同率でトップ、次いでテイクアウト料理が続いている。40代になると手作り料理とともにスーパーの総菜がトップとなり、次いでスナック菓子、コンビニの総菜。50代では手作り料理に続きテイクアウト料理が入ってくる。
回答数が比較的少数のため統計的なぶれが生じている可能性は否定できないが(例えば40代ではリモート飲み会をした人、つまりリモート飲み会でのおつまみについて回答をした人は30人のみとなっている)、年齢によるリモート飲み会の位置づけ(あくまでも飲み会と見なすのか、食事を兼ねた酒飲みとするのか)や、普段の食事の傾向が透けて見えてくるようで、興味深い動きではある。
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※今年の食生活に関する調査2020
2020年11月6日から9日にかけて、インターネット経由で15~59歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比・10歳区切りの年齢階層比(10代は15~19歳)で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
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