ヘンリー公爵とメーガン夫人「王室には永遠に戻らない」とエリザベス女王に通告
[ロンドン発]昨年3月に英王室から離脱したヘンリー公爵(36)と妻のメーガン夫人(39)がエリザベス女王(94)に公務には二度と戻らないと伝えたと19日、バッキンガム宮殿が発表した。3月末が1年間の見直し期限だったが、新しい活動を急ぐヘンリー公爵とメーガン夫人に押し切れられた格好だ。
エリザベス女王は「王族全員が彼らの決断に悲しんでいる。それでもヘンリー公爵とメーガン夫人が愛する家族の一員であることに変わりはない」との気持ちを明らかにした。2人の決断は王族と話し合った結果だというものの、フィリップ殿下が体調を崩して入院中に自分たちの都合を優先したのは家族の一員としても将来に禍根を残すのは必至。
英メディアによると、ヘンリー公爵とメーガン夫人のスポークスマンは「過去1年間の活動からも明らかなように、2人はイギリスと世界中への責務と奉仕に引き続き取り組んでいる。公式の役割に関係なく、彼らが代表してきた組織を支援し続ける。私たちは(王族でなくても)誰でも奉仕の生活を送ることができる」と宣言した。
英王室の公務をしないというのは家族ではあっても事実上、王族ではないということだ。つまり2人は二度と王室には戻らないというわけだ。フィリップ殿下が高齢のため引退、王位継承順位第8位のアンドルー王子が米富豪ジェフリー・エプスタイン被告(故人)の未成年者性的搾取疑惑に関連して公務を解かれた。
メーガン夫人は第2子を妊娠しており、同6位のヘンリー公爵、同7位の長男アーチーちゃん、そして同8位になる第2子が一度に抜けると英王室が受ける打撃は大きい。独立したアメリカのキャリアウーマンのメーガン夫人にとって王室のプロトコルは窮屈すぎたとは言え、エリザベス女王には酷な話となった。
ヘンリー公爵とメーガン夫人が任されていた英海兵隊・空軍・海軍、英連邦、スポーツ・慈善団体の名誉的な地位や王族後援者としての公務はいったんエリザベス女王に戻され、他の王族に改めて振り分けられる。
イギリスはアメリカにとって古都・京都のような存在だ。イギリスから見れば王室に嫁いできたメーガン夫人は伝統やしきたりに合わせ、イギリスや英連邦王国の国民の気持ちに寄り添ってほしいと願うのは当たり前の話。しかし米カリフォルニアに拠点を移したメーガン夫人が求めたのはハリウッドの商業的な自由と慈善活動だった。
昨年10月、ユーガブ(YouGov)が英国内で実施した世論調査によると、ヘンリー公爵を支持する声は48%、不支持は47%。ネット支持率は1%で同年3月から19ポイントも急落。メーガン夫人は支持33%、不支持59%。ネット支持率はマイナス26%で18ポイントも下がっていた。他の王族はほぼ横ばいだった。
英大衆紙サンによると、英国立劇場の理事会は新しい王族を後援者として迎え入れるか、そのままメーガン夫人にお願いするかで意見が二分している。
「メーガン夫人が女王から公務を引き継いだ時は大きな興奮があった。しかしコロナ危機で苦しみを味わった劇場や業界に対する彼女の行動の欠如は悲しみをもたらした」という声が上がっている。
ヘンリー公爵とメーガン夫人がストリーミングサービス、スポティファイと、司会を務め独占的なポッドキャストを制作するという複数年契約を結んだことについて、英国民の77%が「全く関心がない」と回答した。
米女性司会者オプラ・ウィンフリーさんと王室での経験を含めた90分のインタビューを与えることについても、英国民の46%が「不適切」と答え、「適切」と回答したのはわずか29%だった。
メーガン夫人は父親への私信を英大衆紙が報じたのはプライバシーの侵害と損害賠償を求めた訴訟で、英高等法院は今月11日、個人情報をむやみに暴露したとして報道は違法とする判決を言い渡した。メーガン夫人は「彼らにはゲームにすぎないが、私や他の多くの人々には現実の生活、本当の悲しみだ」と述べた。
都合の悪い話ばかりを書き立てる英大衆紙はヘンリー公爵とメーガン夫人に「害虫」扱いされ、2人が話すのは主にリベラルな米紙ニューヨーク・タイムズ。昨年11月には同年7月にアーチーちゃんを抱いている時に激しいけいれんを感じて流産していたことを打ち明けている。